「移動の抑制」で陽性者数が減るのか、わずかな補償の「要請」に飲食店が応じるのか……東京都 飲食店夜8時まで時短要請

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月4日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。飲食店への時短要請を夜8時までとする東京都の方針について解説した。

【東京都らが緊急事態宣言を要請】面談後、報道陣の取材に応じる小池百合子都知事(右)、西村康稔経済再生担当相=2021年1月2日午後、東京都千代田区

「移動の抑制」で陽性者数が減るのか、わずかな補償の「要請」に飲食店が応じるのか

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都が酒類を提供する飲食店などに要請している午後10時までの時短営業を、飲食店全般に拡大した上で午後8時までの方向で調整していることがわかった。

飯田)神奈川、千葉、埼玉の3県と足並みを揃えて同じような内容で要請ができるように調整を進めているということです。これにはいろいろな影響が出てきますよね。

須田)PCR検査の陽性者数が増加しています。これには何らかの手を打たなければならないということでの時間短縮要請なのですが、どうなのでしょうか。10時まで要請して効果がなかったということなのですが、これにはポイントが2つあります。

1つは、人が頻繁に移動することで感染者数が拡大していく。これを抑制するために人の移動を減らすという手を打った。果たしてこれが有効なのかどうか、ということがポイントの1つです。

もう1つは、これは「要請」ですから飲食店が要請を受け入れて従うのか、ということがあると思います。従うか否かということには、休業要請に対する補償金の有無があるのだろうと思います。結果的に10時までの要請については、十分な補償金が出なかった。特に、年末年始というと忘年会、新年会シーズンということもあり、飲食店にとってはかきいれ時です。そのわずかな補償金で営業時間短縮をしてしまうと、もう飯も食べていけない、家賃も払えない、という声をたくさん聞きました、それに対して、要請を聞き入れなかった飲食店も数多く出てきてしまった。

果たして人の移動を抑制することによってPCR検査の陽性者の数が減るのか。もう1つは十分な補償金がまだ見えていないなかで、これに飲食店が応じるのか。この2つのポイントがあるのだろうと思います。

東京都、酒類提供店に時短要請 新橋の居酒屋=2020年8月3日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

「移動の抑制」ではなく「行動の制限」が効果的ではないか

飯田)都内3店舗で飲食店を経営されている方からもメールを頂きました。「時短要請の話が出ましたが、どれだけ効果があるのでしょうか。中途半端な営業になるのならいっそ『休め』と言ってくれた方が楽な気がします。というのは、休めば従業員の給料は雇用調整助成金が出て、仕入れはゼロになる。家賃プラスアルファ程度の赤字で済みます。ただ、個人経営などの小さな飲食店は雇用調整助成金までたどり着けないところもあるので、現時点ではそう簡単に休むことはできません。アクリル板などの飛沫対策もかなり金額がかかっています。これのほとんどが補助金の対象外です。補助金を寄越せとは言いませんが、正直者が馬鹿を見ないようにしてほしいです」ということです。なるほどと思うのは、確かに雇用調整助成金は休業にならないと出ないのですよね。

須田)はい。ですので、本当に人の移動を抑制することで陽性者が減るのか。私は行動様式だと思います。飲食店で食事をするということ自体がリスクがあるのではなくて、食事をしているときの行動に一定程度の制限をするなどして気をつけることで、かなり抑制が進むのではないか。そちらの方の情報発信をもっと徹底するべきではないのかなと、私の個人的な考えではありますが、そう思います。

飯田)ツイッターなどでもいただいていたのが「夜10時が8時になるとしても、お酒を飲む環境で大人数で大声を出して密な環境で喋って飛沫が飛ぶ、というようなことになれば環境的には同じではないか。感染抑止にはならないのでは」という指摘もあって、それはそうだよなと思いました。

大阪コロナ重症センター 防護服で看護師ら研修=2020年12月11日午前11時3分、大阪市住吉区万代東の大阪急性期・総合医療センター 写真提供:産経新聞社

なぜ医療体制を整備してこられなかったのか

須田)加えてもう1点踏み込んで言わせていただくならば、2021年1月3日時点での東京都での重傷者数が101人になったということで大きなニュースになっていますが、なぜそれを受け入れられるだけの医療体制を整備してこられなかったのか。この辺りについても考えてみるべきではないかと思います。

飯田)緊急事態宣言があったのが2020年の4月、5月でした。その時に医療の逼迫が言われた。あれからもう半年以上が経って、結局同じことが繰り返されています。

須田)一体どのような手をこの半年間で打ってきたのか、ということを検証する必要もあるのではないかと思います。

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