日本が海外からの入国を全面停止できない理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月13日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。自民党外交部会が政府に海外からの入国の全面停止を申し入れたというニュースについて解説した。

新型コロナウイルス対策で入国者を対象とした唾液による抗原検査風景が関西空港検疫所で公開された。自ら採取した唾液検体を提出=2020年9月30日 写真提供:産経新聞社

自民党外交部会〜海外からの入国の全面停止を政府に申し入れ

自民党外交部会は12日、新型コロナウイルスの水際対策に関する会合を開き、一部の国とのビジネス往来が継続していることに批判が集中した。外交部会は近く政府に入国の全面停止を申し入れる方針である。

(※編集部注:政府は11の国や地域との間で例外的に認めているビジネス関係者の往来を一時停止する方針を固め、菅総理が13日夜の記者会見の中で表明した)

飯田)ビジネス関係の方たちですね。

高橋)政府の方で「変異種がみつかったら」と発言していたので、すぐに止めるのかと思っていました。変異種をみつけるのは実は簡単なのです。

飯田)いろいろなところで変異種が発見されていますよね。「現地の政府が変異種の発生を認めないと止めない」などという決まりはあるのですか?

新型コロナウイルスの変異種発生を受け、欧州から到着した旅客に防護服で対応する検疫担当の職員 撮影::2020年12月28日午前、成田空港 写真提供:共同通信社

日本では個人に対する移動を法律的に止められない

高橋)日本の入管の問題です。日本には私権制限があって、移動を禁止することは基本的にできません。海外では個人に対して移動を禁止して、個人が罰金を取られます。そういう法制が日本になく、個人の移動を止められません。日本で個人に対して罰金を課すという考えがなく、そこが検疫法のなかにも出ているので難しいのです。そういうものを前提として「止めろ」と言われても、役人からすると「では法律をつくってください」ということになってしまいます。

飯田)有事を想定して議論を始めようとすると、「戒厳令をつくる気か」と言ってそこから議論ができません。

高橋)こういうときに困るのです。他の国は戒厳令があるから、そこから派生して個人に罰金を課すことができます。日本の場合はそれがありません。議論があるのはせいぜい事業者だけです。

飯田)個人の行動を何が制限するかというと、空気で縛るということですよね。

高橋)空気で縛るしかやりようがありません。

飯田)かえってギスギスしますよね。

高橋)これを平時のときに議論させてくれないから、こういうときに非常に大変です。

飯田)今回こそはその反省に立った議論を。

高橋)また平時になったらやらないと思います。

飯田)喉元過ぎれば熱さを忘れますか。

高橋)そうでしょう。

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