GDP成長率〜先進国のなかでは上位に位置する日本

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月16日放送)に数量政策学者・内閣官房参与の高橋洋一が出演。内閣府が発表したGDP成長率について解説した。

終値が3万円超となった日経平均株価を示すボード=2021年2月15日午後、東京都中央区 写真提供:産経新聞社

GDP成長率〜2020年1年間でマイナス4.8%

内閣府が発表した2020年10月から12月までの国内総生産(GDP)は2期連続のプラスとなる一方、2020年1年間では前年と比べマイナス4.8%と、リーマンショック翌年の2009年以来、11年ぶりのマイナスとなった。

飯田)10〜12月期は前の3ヵ月と比べると実質でプラス3.0%ということになっています。ただ、4〜6月期のマイナスが響いたという感じですか?

高橋)そうですね。でも、ずいぶん回復して来たと思います。10〜12月期は2%くらいだという予想が多かったので、そういう意味では予想以上でしたね。

飯田)予想よりもよかった。

武漢研究所漏えい説否定  記者会見するWHOの国際調査団のベネンバレク氏=2021年2月9日、中国・武漢(共同) 写真提供:産経新聞社

欧米と比べるとコロナ感染も経済も日本は悪くない

高橋)Go To キャンペーンをやったので、飲食などが伸びたことが影響したのだと思います。全体がマイナス4.8%ですが、リーマンショック後のマイナス5.7%よりは少ないです。こういうものを見るときには日本だけでなく、アメリカやヨーロッパも一緒に見るべきです。

飯田)なるほど。

高橋)全部数字が出たので、10〜12月期で比べると1年前(2019年)と比べて同期がどうだったかを見るのがいちばん簡単です。そう見ると、日本は1年前の10〜12月期と比べて、2020年の10〜12月期のGDPはほぼ一緒。マイナス1%かな。アメリカはマイナス2.5%です。ヨーロッパはマイナス5%です。日本がいちばん回復しています。それは財政出動の規模によって、説明できてしまいます。そういう意味では、頑張ったのではないでしょうか。コロナの感染率なども、アメリカやヨーロッパと比べると格段にいいでしょう。経済もいいし、コロナの方もいい、というのが私の評価です。

【新型コロナウイルスワクチン接種会場運営訓練】実際の接種時に使用される保管用冷凍庫 撮影日:2021年01月27日 写真提供:産経新聞社

先進国のなかでも上位の成績の日本

飯田)2020年1年間では、アメリカはマイナス3.5%で、ドイツがマイナス5%くらい。イギリスはマイナス9.9%と10%近くになっていることを考えると、日本のマイナス4.8%は踏みとどまった方だと。

高橋)踏みとどまっている方ですよ。回復もいちばん早いし、コロナと経済を合わせて2つの成績で見ると、日本は先進国のなかで上位です。

飯田)10〜12月期で比較すると、2019年の10〜12月は消費増税の直後だったというのもありますが。

高橋)直後だったので、それで落ちたからその分だけ回復がいいとも言えます。でも総じて見ると、悪くはないです。

飯田)これだけ断続的に感染が拡大して、経済が止まっているなかで考えると「よくやった」と。

高橋)それで財政出動をして増税が必要ないわけだから、増税が必要なくてやったのだから、何が悪いのということですけれどね。そのときは「大き過ぎる」と批判されましたが。

「大阪コロナ重症センター」で研修する看護師ら=2020年12月11日午前11時9分、大阪市住吉区の大阪急性期・総合医療センター 写真提供:産経新聞社

株価が3万円台を回復〜「実体経済はよくない」と言うが

飯田)一方で、株価が相当上がっていて、3万円台を回復しました。

高橋)30年ぶりにね。

飯田)メールもいただいています。“タクマ”さんから、「日経平均まさかの3万円超え。私を含めて一般の投資家はあまり儲かっていないという声も聞こえます。いったい誰が儲けているのですかね」と。“タイチパパ”さん、横浜市の方からは、「実体経済はあまりよくないのにどうして株価だけ上がってしまうのでしょうか。いつまで続くのでしょうか」と。不思議だなと見ている方が多いようです。

高橋)実体経済が悪いということですが、どこと比較した話なのでしょうか。いま言ったように、1年前と比較すれば、少なくとも欧米よりはいいわけです。「絶対的な水準が悪いでしょう」という感じで皆さん言うのですけれどね。

飯田)肌感覚で、というようなところ。

高橋)株価はどうして上がるのかと言えば、年後半以降の先を見ているからです。年後半以降になれば、コロナが離れて落ち着くでしょうと。コロナが落ち着いたら、いままでコロナによって需要がなかった飲食や旅行は伸びるでしょうと。そういう予想です。

飯田)2021年の後半は相当経済が回復して来るぞ、という。

高橋)「経済が回復する」という読みがあるから、株が上がるわけです。「株をやっているけれど儲かっていない」というのは、よほど見方を間違っているのではないでしょうか。「バイアンドホールド」と言って、持っているだけで儲かるというレベルですよね。

飯田)いまは。

高橋)少なくともこの半年は儲かっていたはずです。

飯田)緊急事態宣言が出た少し前ですかね。底値では2万円を割った時期がありました。そこから考えると1.5倍くらいになっているということになります。

高橋)それで儲けていないというのは、いいタイミングだったのだけれど、全員が儲かるわけではないから、「ちょっと失敗しましたね」というレベルの話になります。

記者団の取材に応じる菅義偉首相=2021年2月3日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

財政出動の余地のある日本

飯田)2021年後半から経済が上がって行くということを考えると、諸外国はそれと共にインフレ率が上がるのではないかと言われていますが、日本は別ですか?

高橋)日本はまだそこまで上がっていないので。逆に言うと、まだ財政出動の余地があるということです。インフレ率が上がらなければ、中央銀行が国債を買っても何も問題はありません。そういう意味では、インフレ率がもう少し上がった方がいいというのはその通りですが。逆に言うと、それは「財政出動の余地がある」と捉えられます。

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