G7で菅総理が示した「中国への懸念」に各国が合意〜独自カラーを発揮

ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月22日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。2月19日にテレビ会議が開かれたG7首脳会議について解説した。

2021年2月19日、テレビ会議に出席する菅総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202102/19tv_kaigi.html)

G7首脳声明〜東京オリンピック・パラリンピック開催の決意を各国が支持

先進7ヵ国(G7)の首脳は2月19日にテレビ会議を開き、菅総理はこの夏のオリンピック・パラリンピックを開催する意欲を表明した。会談後に発表された首脳声明には、「日本の決意を支持する」との文言が盛り込まれている。

新行)そして菅総理は、東シナ海や南シナ海で一方的な現状変更を試みる中国に対して、毅然と対峙する姿勢を表明しています。

須田)このG7では、新型コロナワクチンの問題についても話し合われました。ワクチンの争奪戦が起こっている、または起こりつつあるということを受けて、先進国は「自国で開発し生産している」ということで優先的に争奪戦に入っているわけなのだけれども、これに対して、途上国から批判が出ています。ワクチンをめぐっての先進国と途上国の対立関係になって来ているわけですから、途上国に対してどう配慮して行くのか。途上国向けに供給支援する国際的な枠組みに、日本からも2億ドルを拠出する方針です。この問題は先進国のなかでの重要なテーマになって来ているのだと思います。

2021年2月20日、会見する菅総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202102/20bura.html)

日本が持ち出した「中国に対する懸念」に各国から合意を得たのは菅総理によるクリーンヒット

須田)このG7で、菅総理は独自カラーを発揮したのではないでしょうか。日本の対中国の問題、尖閣諸島の問題はテーマで取り上げられる予定は当初なかったのです。尖閣沖での中国船の領海侵入の問題について菅総理が取り上げましたが、アメリカはもちろん、ヨーロッパの国々も、東シナ海、南シナ海での一方的な中国の主張に対して、非常に強い不快感を持っているのです。特にフランスはニューカレドニアという自国の領土がありますから、実力行使を含めて動き始める千載一遇のチャンスなのです。日本も尖閣諸島の問題を抱えており、欧米各国と意識の共有が図られたという点で、菅総理がその問題を持ち出して、「中国に対する懸念」という合意を得たのは、クリーンヒットだったのではないかと思います。

新行)当初は、海警法の施行に関して、「問題のある規定を含む」ということで、「国際法違反だと発信した方がいいのではないか」というような声もあったと思いますが、このような場で伝えることに意義があるということですね。

須田)中国に対するプレッシャーになったのではないかと思います。G7という西側先進国のなかでその意識の共有化、つまり中国のそういう動きに対して、「強い警戒感を持っている」という点が共有されたことは、大きな意味があったのではないかと思います。

新行)そしてヨーロッパ各国の、中国への対応が厳しくなって来ているという印象があるのですが、ワクチン外交への懸念や人権問題について、マクロン大統領も声をあげていますよね。

須田)人権問題については、ヨーロッパの方が強い懸念を持っています。日本はそこが弱腰なのです。新疆ウイグル自治区など中国の人権問題については、日本もしっかり考えて、欧米と足を揃えた方がいいのではないかと思います。

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