緊急事態宣言解除後にするべきこと〜経済再生と東京五輪のバランスをとりながら

ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月26日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。関西と中部5府県で緊急事態宣言が先行解除されるというニュースについて解説した。

緊急事態宣言地域に7府県が追加され国民に対しさらなる協力を呼びかける菅義偉首相=2021年1月13日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

関西と中部5府県の緊急事態宣言の先行解除、決定へ

政府は2月26日、緊急事態宣言対象地域の10都府県のうち、大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜の5府県について、2月28日で先行解除する方針である。また、福岡県も解除対象とする方向で最終調整しているが、病床使用率の改善が顕著ではなく、政府は先行解除が可能かどうか慎重に検討している。一方、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏の4都県については、3月7日の期限まで継続する方向だ。

新行)首都圏の4都県以外は先行解除ということですね。

宮家)専門家ではないので、あまり無責任なことは言いたくないのですが、日本ではもう大騒ぎなのですけれど、各国にもやはり問題があって、いいこともあれば悪いこともある。日本は優等生だと思います。アメリカは最近数字がよくなって来ていると言っても、下手したら感染者数が2桁違います。アメリカでは大量の感染者をどうするかということで、いままでの医療のあり方を変えたので、大規模にやれるのでしょう。けれど、日本は逆に数字がこの程度で済んでいるので、いままでの制度の枠のなかでやらざるを得ない。そうすると、どうしても別の意味で限界が出て来るので、あまり比較しても仕方がないのですが、「日本はいい方だ」というのが、私の正直な気持ちです。

大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種の準備をする看護師ら=2021年2月19日午後0時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社

経済と東京五輪〜バランスを取りながら経済を再活性化させて行く

宮家)次にやらなければいけないことは、このあとどうするのかということですが、重要なことは、経済をどのように再生させるのか、そしてオリンピックをどうするのか、ということが、多くの方の関心事なのではないかと思います。言うのは簡単ですが、完全にどちらかだけをやるというわけにはいかないのでしょうね。感染者の数字が悪くなったり、ワクチンのタイミングが遅れたりすると、皆は「後手後手だ」と言うのですが、相手はウイルスですから。ここはうまくバランスを取りながら、経済を少しずつ再活性化させて行くということが必要なのだろうと思います。

就任式で宣誓後、手を振るバイデン米新大統領=2021年1月20日、ワシントンの連邦議会議事堂(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

低所得者にマスク配布を行う米バイデン政権

新行)先行接種が海外で始まっていることで、海外での事例を日本で活かすということもできます。

宮家)そうです。

新行)そして第4波に向けてもいろいろと準備をしなければならないのだと思いますが。

宮家)やはり気になるのは、変異株です。いまのところは上手く行っていますが、いつどこで何が起こるかはわからないと思っていた方がいいと思います。

新行)アメリカも州によってコロナ対策は違うのですか?

宮家)トランプさんがもういなくなったから言うわけではありませんが、前政権は滅茶苦茶だったのです。そもそも大統領自身がマスクをしない。それに対して各州の民主党系の知事は「マスクはきちんとしましょう、ディスタンスを取りましょう」と言うのですが、共和党系の知事は「冗談ではない、そんなものつけていられない」と大騒ぎがあった末の、大混乱でのあの数字なのです。あれに比べれば、日本は優等生なのです。

新行)アメリカでは国家非常事態宣言が延長されて、そしてバイデン大統領は低所得者にマスクを配布するということです。

宮家)どこかで聞いたような話ですよね。でもアメリカではいままでやっていなかったのですから。

新行)そうですよね。

宮家)困ったことです。

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