離島電子通貨「しまぽ」を不正利用 伊豆大島のゲストハウス事業者

離島電子通貨「しまぽ」を不正利用 伊豆大島のゲストハウス事業者

離島電子通貨「しまぽ」を不正利用 伊豆大島のゲストハウス事業者の画像

 東京都の離島で使えるプレミアム付き電子通貨「しまぽ通貨」300万円分を、伊豆大島でゲストハウスを運営している業者が不正利用していたことが明らかになりました。業者のカンボジアにある系列の施設で使わせて、プレミアム分の差額で利益を得ようとしていた疑いがあります。

 不正利用されたのは大島や八丈島、小笠原諸島など、島しょ地域を支援する東京都の事業です。都は、島しょ地域で利用できる「しまぽ通貨」1万円分を7000円で販売していて、購入者は差額の3000円分が得になる仕組みです。この制度は現在、328店舗で利用でき、東京の離島にある土産物店や宿で使うことができます。小池知事も以前、「伊豆諸島・小笠原諸島での宿泊や買い物、飲食店などの加盟店で利用できる『しまぽ通貨』を1セット7000円で販売している。大勢の観光客に東京の島々を訪れてもらいたい」とアピールしていました。

 今回、不正が行われていたのは、大島町にある宿泊施設「キャラバン・フレイク」で、1人1泊3500円から宿泊することができるゲストハウスです。この宿が行っていた不正は、大島から遠く離れたカンボジアの施設が関わっていました。

 カンボジアにあるこの事業者の系列店で「大学生の宿泊料無料キャンペーン」と称して、日本人観光客を無料で宿泊させる代わりに「しまぽ通貨」のアカウント登録をさせていました。キャラバン・フレイクはこのアカウントを利用し、「しまぽ通貨」を300万円分購入し、カンボジアの店で決済していました。この時、実際に払った金額は210万円なので、キャラバン・フレイクは差額の90万円を不正に得ようとしていたとみられます。

 しかし、東京都からキャラバン・フレイクに300万円が支払われる前に不正が発覚し、東京都はこの事業者で決済された全額分の支払いを停止しました。

 なぜ、不正をしたのか、TOKYO MXが宿に取材を試みましたが、関係者を名乗る男性は「(代表は)いま、島外にいる。(不正の件で、代表と連絡をする方法は)分からない」と話しました。また、今回の不正が従業員にどのような衝撃を与えたのか尋ねようとすると「ごめんなさい。取材は申し訳ないが…」とコメントしませんでした。

 大島町の三辻利弘町長は「大島最大の観光イベント『椿まつり』の期間中にこのような不祥事が起き、困惑している」、島の住民からは「びっくりした」「大ショック。困りますね」などと、驚きや困惑の声が聞かれました。また、肝いりで進めてきた制度が悪用されたことに対して、小池知事は「どれぐらいの問題なのか調査中。もし不正があったとすれば非常に残念、遺憾」とコメントしました。

 東京都は他の店舗でも不正がなかったか調べるとともに、詐欺事件での立件も視野に警察と相談する方針です。

<カンボジア宿泊客からの問い合わせで発覚>

 「しまぽ通貨」は1人当たり8セット=8万円分までしか購入できません。このため、キャラバン・フレイクは複数のアカウントを使い、300万円分を購入していました。カンボジアで宿泊した観光客が東京都に問い合わせたことから、不正が発覚したということです。