安倍首相、アジア7カ国首脳級と会談へ 「拉致問題解決」へ外交攻勢強める

 安倍晋三首相が、北朝鮮による拉致問題の解決に向けた、外交攻勢を強めている。令和初の国賓として来日したドナルド・トランプ大統領とは、拉致被害者の救出を最優先課題とすることを確認。28日から30日まで、マレーシアのマハティール・ビン・モハマド首相らアジア7カ国の首脳級が来日するが、個別会談を通じて北朝鮮への働きかけを強める意向だ。

 「心が引き裂かれるような話だった。引き続き、拉致被害者を帰国させるための日本の努力を支持したい」

 トランプ氏は27日、拉致被害者家族と面会後、安倍首相との共同記者会見で、こう語った。

 安倍首相は拉致問題解決のため、前提条件なく北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談実現を目指している。トランプ氏は今回の来日で、全面的な後押しを約束した。

 トランプ氏の28日午後の帰国と入れ替わるように、東京都内で開かれる国際交流会議に出席するため、マレーシアのマハティール首相や、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領、シンガポールのヘン・スイキャット副首相、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相らが来日する。

 安倍首相はこの機会を逃さず、北朝鮮問題などを膝詰めで議論する。北朝鮮と国交を持つ国も多く、そのパイプを生かす構えだ。

 中でも、マレーシアは、正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の暗殺事件(2017年2月)まで、北朝鮮国民のビザ(査証)なし入国を認めてきた。事件後、両国関係は冷え込んだが、昨年5月にマハティール首相が復帰した後、関係修復を打ち出している。93歳のマハティール首相は、安倍首相をはじめ日本の政治家とも親交が深い。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「安倍首相は拉致問題解決に向けて、アジア各国とつないできたパイプを包括的に活用し、問題を前進させる構えだろう。アジア諸国も補足的立場ながら、問題解決に大切な役割を果たすことになる」と語った。

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