「老後2000万円」問題を斬る! 財務省、野党、メディアが不安あおっているだけ 野党は「消えた年金」の再来狙う

「老後2000万円」問題を斬る! 財務省、野党、メディアが不安あおっているだけ 野党は「消えた年金」の再来狙う

「2000万円問題」で追及姿勢を強める蓮舫氏

 老後には夫婦で「2000万円」の蓄えが必要と、金融庁金融審議会が発表した報告書をめぐり、麻生太郎金融担当相は11日午前の記者会見で「正式な報告書としては受け取らない」と明言した。立憲民主党の蓮舫参院幹事長が前日の参院決算委員会で「『100年安心』の年金制度はウソだったと、国民は怒っている!」と批判しただけでなく、自民党幹部も憤慨している。夏の参院選前に勃発した、この問題をどうみるか。流れる財務省の陰謀説とは。経済・財政政策に精通する上武大学の田中秀臣(ひでとみ)教授が解説した。

 「国民の皆さんに誤解を与え、不安を招いており、大変憂慮している」

 自民党の二階俊博幹事長は11日、問題の報告書について、こう語った。安倍晋三首相の側近である萩生田光一幹事長代行も同日、「評価に値しない」と突き放した。

 蓮舫氏が10日の決算委員会で糾弾したのは、報告書の「95歳まで生きるのに、高齢夫婦で2000万円が必要になる」との試算。家計調査結果から単純計算したものだが、「老後に毎月5万円ずつ、30年間で2000万円の赤字になる」との表現はショックだ。

 安倍首相は「試算の表現は不正確で、誤解を与えた」と答弁した。

 田中氏は「金融庁は『早めの資産運用』を呼びかけたようだが、老後の不安解消に必要な生活資金の平均値を示して、一人歩きした。ライフスタイルによって、生活資金は不足しない場合もある。過剰反応した野党とメディアに揚げ足を取られた。金融庁の広報ミスであり、お粗末だった」と語った。

 そのうえで、「定年後、公的年金をもらうにしても、仕事を続けたり、貯蓄がなければ、生活資金をまかなうのは難しい。これは周知の事実だろう。(100年安心とは)100年先も制度として安心できるというもの。当然、『自助』も大切だ」と指摘した。

 先の参院決算委員会は、立憲民主党と共産党が政府・与党への「攻撃」に徹し、国民民主党は冷静に「問題提起」した。

 田中氏は「一部野党は『参院選での争点化』を図っている。12年前の参院選で、第1次安倍内閣を惨敗させた『消えた年金問題』を再現し、政権を揺さぶる狙いがあるようだ」と分析した。

 永田町では、消費税増税を確実に実行したい財務省の陰謀説も流れる。

 田中氏は「いまや金融庁は、財務省の植民地と化している。年金や社会保障は厚生労働省の所管だが、財務省側としては『将来、社会保障の財源が不足する。だから消費税率を引き上げる必要がある』と、国民に意識付けさせる意図もあったのではないか。官邸は消費税増税にためらいがちとみられるが、財務省側は野党に攻撃させることで『増税の既成事実化』も狙っていた可能性もある。財務省側も、野党も、メディアも、国民の不安だけをあおるのはおかしい」と語っている。

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