【桂春蝶の蝶々発止。】沖縄に残る大量の不発弾… 丸山穂高議員に言いたい「戦争は終わってからも終わらない」

【桂春蝶の蝶々発止。】沖縄に残る大量の不発弾… 丸山穂高議員に言いたい「戦争は終わってからも終わらない」

丸山議員

 衆院は6日の本会議で、北方領土を戦争で取り返すことの是非に言及したり、酔って卑猥な発言をした丸山穂高衆院議員に対し、「早く辞めろ!」と言わんばかりの糾弾決議を全会一致で可決しました。

 誰かを悪者にして、自らの立場を確保する「政治家独特のパフォーマンス」にも見えて、何となくイヤな感じもします。ただ、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか?」という発言は問題ですよね。

 これ、私も含めてそうなのですが「戦争の恐ろしさ」が、どこかで風化している証しともいえるのではないでしょうか?

 私は「ニライカナイで逢いましょう〜ひめゆり学徒隊秘抄録〜」という沖縄戦をテーマにした落語を創作した際、戦争体験者からさまざまな取材をして、戦争の恐ろしさを改めて感じました。

 その1つに「不発弾の問題」があります。

 沖縄戦では県民の4人に1人が亡くなっています。艦砲射撃や、機銃掃射、陸地戦、その砲弾の多さは「鉄の暴風」と言われました。

 米軍が使用した爆弾は約20万トン。現在も年間600件前後の不発弾が見つかっており、2018年度までの5年間に県内で処理した不発弾は3036件で計99・6トンに上ります。

 そして、推定ではありますが、いまなお、約1963トンの不発弾が地中などに残っているといいます。

 こんな哀しい話もあります。

 戦後すぐの時代、沖縄人の生活を「不発弾のスクラップ売買」が助けたこともあったようです。一部の人々は生きるために不発弾を掘り起こしましたが、爆発して命を落とした人も少なくなかったそうです。

 私が丸山議員に言いたいのは、「戦争は終わってからも終わらない」ということです。

 「北方領土を返還してもらいたい」という気持ちは、日本人なら誰もが持っています。だが、人間に対して「悪」でしかない戦争で奪還するという了見を、政治家が持ってはいけません。

 沖縄で5月末、こんなことがありました。

 小学校の男子児童らが畑近くの石積みで、長さ11センチの楕円(だえん)形のものを見つけました。土を水場で洗い流し、投げ合って遊んだ後、自転車のかごに入れて友人宅に行きました。

 友人の保護者は、それを見てがくぜんとします。沖縄戦時とみられる米国製の手投げ弾でした。すぐ110番して、陸上自衛隊が回収したそうですが…。戦後74年経過して、こんなことが日常に起こっている。それが戦争というものです。

 丸山議員をはじめ、私たち戦争を知らない世代はみな、こうした現実を見て、勉強していかなあきません。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

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