「イージス・アショア」調査ミス、居眠り…防衛省「背広組」タガ緩み 軍事アナリスト・小川氏「実にお粗末だ。『信賞必罰』実施を」

「イージス・アショア」調査ミス、居眠り…防衛省「背広組」タガ緩み 軍事アナリスト・小川氏「実にお粗末だ。『信賞必罰』実施を」

岩屋毅防衛相

 防衛省・自衛隊の不祥事が続いている。陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県)で地元に十分な説明もなく弾薬保管をしていたのに続き、陸自新屋(あらや)演習場(秋田県)では地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備に関する説明資料の誤記が発覚した。防衛省内局の「背広組」のタガが緩みきっているとの指摘もある。軍事アナリストで、静岡県立大特任教授(安全保障)の小川和久氏に聞いた。

 「基本的には配備を受け入れてくれるはずだった住民らの信頼を損ね、逆に不信感を持たれた。実にお粗末だ」

 小川氏は、憤懣やるかたない様子で、こう語った。外交・安全保障のスペシャリストで、『日米同盟のリアリズム』(文春新書)など、著書も多い。自衛隊OBらの隊友会理事も務める。

 イージス・アショア配備をめぐっては、防衛省の職員が安易に3次元地図サービス「グーグルアース」を利用した結果、レーダーの障害となる山の角度など、説明資料に多数のミスが見つかった。さらに、住民説明会で同省職員の居眠りが指摘され、火に油を注いだ。

 小川氏は「住民に不安の声がある以上、防衛省は数社に測量調査を依頼して、慎重に対応すべきだった。こんな基本的動作すらできないとは、驚きだ。センシティブ(=敏感)な案件だけに、しっかりとフォローアップすべきだった」と嘆いた。

 なぜ、できなかったのか。

 小川氏は「防衛省の内局は(最強官庁の)財務省などと比べると、優秀なキャリア人材が少ないのも一因だろう。『背広組』は予算と人事を握るため、『制服組』より立場が上のように見えるが、実は『足元を見られている』のだとの自覚を持つべきだ」と警告する。

 前述した宮古島駐屯地の問題では、島外に弾薬類の撤去を余儀なくされる「異常事態」が起きた。これも「背広組」の不手際が原因だった。

 「組織の立て直しが急務だ。岩屋毅防衛相や事務次官が周囲ににらみを利かせ、背広組への『信賞必罰』を実施すべきだ。人事で手綱さばきを見せることで、防衛省・自衛隊のタガが緩まないようにするしかない」

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