トランプ氏観戦 土俵上360度のリスク 国技館どう警備

トランプ氏観戦 土俵上360度のリスク 国技館どう警備

トランプ氏観戦 土俵上360度のリスク 国技館どう警備の画像

 5月の来日時に、両国国技館(東京都墨田区)で優勝力士に内閣総理大臣杯を手渡したい意向を示していることが明らかになった米国のトランプ大統領。日本の国技である大相撲には、過去にも外国元首や著名人らが来日時に観戦し、日本との友好関係の構築に一役買ってきた経緯がある。ただ、米国大統領の立ち回り先には世界最高の警護態勢が求められる。国技館は通常のコンサートホールなどと異なる客席配置で警備面の検討課題があり、実現にはこうした懸念を克服する必要がある。

 欧州随一の知日派として知られ、日仏関係を進展させた元フランス大統領のシラク氏は、大統領を退任するまでに大相撲を5回ほど観戦。好角家として知られ、優勝力士に贈る「フランス共和国大統領杯(シラク杯)」も創設した。

 シラク氏は力士の名を把握し、勝負を記録するなど理解が深く、より近くで見たいと1階席で観戦。愛犬に「スモウ」と名付けるほどで、会場を後にする際にシラク・コールが巻き起こることもあった。

 昭和61年に英国チャールズ皇太子とともに来日したダイアナ元妃は、寛仁(ともひと)親王殿下、同妃信子さまと夏場所初日を観戦。著名人では、米女優のシャロン・ストーンさんが平成18年の秋場所、25年には元ビートルズのポール・マッカートニーさんが九州場所を楽しんだ。

 一方で、今回予定されているトランプ氏の大相撲観戦について、周辺警備や警護に当たる警視庁の緊張感は強い。安倍晋三首相の同席が検討されているほか、トランプ氏自身の動向も世界で注目を集めるためだ。

 警備当局が着目するのが国技館の客席配置だ。約1万1千人を収容する国技館は土俵を中心に2階まですり鉢状に客席が広がっており、舞台に向かって観客が並ぶ一般のコンサートホールなどと形状が異なる。

 取り組み終了後に総理大臣杯授与のため土俵に上がった場合、多くの観客が土俵を見下ろす形になり、360度の全方位で警戒が必要になる。著名人や政治家に対し、観客から歓声と拍手が送られるのも恒例で、会場内が騒然となることも想定される。

 また、トランプ氏の座席位置も重要な検討項目となっている。出入りの安全な動線を確保できる2階の貴賓席の利用案が浮上しているが、土俵に近く臨場感を味わえる1階の砂かぶりと呼ばれる「溜(たまり)席」や1・3メートル四方で区切られるなどした「マス席」を望む可能性がある。だが1階席は遮蔽物がなく、頭上を座布団が飛び交うこともあるなど、警護上のリスクが高い。

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