【政界新時代】斎藤健前農水相「自民党は進次郎氏で結集を」

【政界新時代】斎藤健前農水相「自民党は進次郎氏で結集を」

前農水相"進次郎氏で結集を"

【政界新時代】斎藤健前農水相「自民党は進次郎氏で結集を」

自民党・斎藤健元農林水産相(春名中撮影)

 昨年10月まで農林水産相を務め、その前に農水副大臣を2年、自民党農林部会長を2年やったので計5年にわたり農業政策に携わりました。農協改革や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉などの“修羅場”を経験することができ、議員冥利に尽きますね。

 安倍晋三首相(自民党総裁)には当選3回にもかかわらず閣僚にしていただき大恩を感じています。ただ、その前に大きなご恩をいただいたのは私が所属する石破派(水月会)の会長を務める石破茂元幹事長です。平成21年8月の衆院選で初当選して40日足らずの10月に私を環境部会長に抜擢してくれたのが党政調会長だった石破会長でした。

 自民党は衆院選で民主党(当時)に大敗して下野しました。当時の環境部会は温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減するとの国際公約を打ち出した鳩山由紀夫首相(同)に対峙する重要な場でした。衆院予算委員会では部会長として鳩山氏と激論を交わし、「新人なのになかなかやるな」と評価され、後の農林部会長の就任につながりました。

 昨年9月の党総裁選では石破会長を支持しました。それは安倍首相と石破会長のどちらがいいかというよりも、安倍首相の次を考えてのことでした。閣僚の私が首相の対立候補を支持したことで首相陣営から「辞表を書け」と言われ、反論したことですか? あれはよく考えた上での発言で付け加えることはありません。

 外交も内政も日本が抱える課題は大きい。大きな改革が必要でそのためには長期政権を敷ける人が求められる。その観点から国民の支持が高い小泉進次郎厚生労働部会長に期待しています。自民党は彼の下で力の結集を図らねばならない。

 安倍政権の通商政策は成長するアジア太平洋地域の活力を取り込むことがカギとなるのでTPPへの参加は必要不可欠です。一方で国内農業の振興も両立させねばならない。日本の農業の潜在力はすばらしい。大規模農業には適さない国土だけど、丹精込めて作る伝統があります。

 例えばイチゴ。何十カ国にも足を運びましたが、日本のイチゴほどおいしいものに出合ったことがない。米国のスーパーの店頭などで試食してもらえればシェアの拡大につながるのではないか。2018年の韓国・平昌五輪でカーリング女子日本代表が食べていた韓国産のイチゴが注目されましたが、あれは日本から流出した品種をもとに韓国で交配されたもの。日本の優良品種が海外で無断で栽培されることを防ぐ必要があります。農業ほど輸出を伸ばしうる産業はないと思っています。

 1980年代に通産省(現経済産業省)に入省した当時は、米国が日本の経済力を脅威として政府も経済界もアカデミズムも一体となって日本と戦った。今、日本にとって中国は当時の米国にとっての日本のように脅威になっているにもかかわらず日本人の危機意識は極めて低い。どうしてだろうか。

 日本人のDNAは古代から変わらず「和をもって貴しとなす」です。良い作用を及ぼす局面もあるが、今は悪い方に作用している。閣僚を経験し、今は充電期間。次に何をなすべきか真剣に考えています。

(奥原慎平)

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 ■さいとう・けん 昭和34年、東京都生まれ。東大経済学部卒業後、通産省(現経済産業省)入省。日米自動車交渉や日本道路公団の民営化などに取り組む。平成21年の衆院選で初当選。石破派(水月会)所属で4期目。農林水産副大臣や農水相などを歴任。愛読書は塩野七生氏の「ローマ人の物語」。

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