認知症医療機関500カ所整備へ 「大綱」最終案

認知症医療機関500カ所整備へ 「大綱」最終案

認知症施策推進大綱 最終案のポイント

 政府が定める「認知症施策推進大綱」の最終案の全容が6日、分かった。認知症疾患医療センターを全国に500カ所整備することなどを盛り込んだ。焦点となっている目標の打ち出し方については、患者の精神的負担にならないように「結果として、70代での発症を10年間で1歳遅らせることを目指す」との表現にした。月内に予定している関係閣僚会議で決定する。

 大綱は平成27年に策定した認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の後継という位置づけで、対象期間は団塊の世代が75歳以上となる令和7年まで。膨張し続ける社会保障費を抑制する狙いがある。

 「だれもがなりうるもの」とした上で「発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指す」と明記した。予防と共生を2本柱に据え、有効な治療法が確立されていないことを踏まえ、予防を「認知症になるのを遅らせる」「進行を緩やかにする」と定義した。

 認知症疾患医療センターは認知症の速やかな鑑別診断や診断後のフォローなどを行う医療機関のことで、都道府県などが指定している。厚生労働省によると、今年の1月末現在で全国に440カ所ある。

 かかりつけ医、歯科医師、薬剤師、看護師ら医療従事者に対する認知症対応力向上研修の実施、全国規模で実態を把握するための研究、根本的治療薬の開発なども盛り込んだ。

 地域や職域で認知症の人や家族を手助けする認知症サポーターの養成を進めることも明記した。令和2年度までに1200万人を養成する。サポーターになるには、市町村などが行う養成講座を受講する必要がある。3月末現在のサポーター数は約1144万人。

 介護予防として高齢者が地域で集まって体操や会食、茶話会などを行う「通いの場」への参加率を8%程度に高めることも目標に掲げた。通いの場は全国で7万カ所以上あるが、65歳以上の参加率は4%程度にすぎないという。

 このほか、認知症発症予防から人生の最終段階までの医療・介護サービスの流れを示した、市町村が作る「認知症ケアパス」の作成率を100%にする。現在、約6割の市町村で作成されている。

 厚労省の推計によると、認知症の高齢者は平成27年時点で約520万人。令和7年には約700万人に達する。

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