裏表ない肌着開発、ふるさと納税返礼品には…

裏表ない肌着開発、ふるさと納税返礼品には…

裏表のない肌着「オネスティーズ」を開発した西出喜代彦さん=5月9日、大阪府泉佐野市(江森梓)

 ギフト券でなくても、いいものがある−。6月から始まった「ふるさと納税」の新制度で優遇対象から外れる大阪府泉佐野市の魅力をアピールしようと、市民が地元の繊維産業の技術を生かして裏表のない肌着を開発した。当初は市の返礼品になることを目指していたが、市が制度に参加できなくなったため、その目標も頓挫。それでも「肌着を売ることで、泉佐野の魅力を世界に広めたい」と意気込んでいる。(江森梓)

 開発したのは、同市の食品会社「NSW」社長の西出喜代彦さん(39)。子供を着替えさせる際、脱がせて裏表反対になった服を、元に戻そうと裏返した際に思いついた。「特に子供は着替えが多い。一々裏返すのも手間だなと感じたのがきっかけでした」。早速、昨年6月に市の起業家支援制度に企画書を提出し、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングで開発費を捻出した。

 泉佐野はタオルを中心に繊維産業が盛んで、肌着づくりにはノウハウがある。知人の繊維業者、初嵐(はつあらし)学さん(51)=同市=らに協力を依頼し、生地と生地を重ね合わさずに縫うことで、縫い代がない肌着の開発に成功。裏表がないため、脱いでも裏返さずにすむ。西出さんによると、こうした商品は全国的にも珍しく、裏表がないことから、商品名は英語で「正直者」を意味する「オネスティーズ」と命名した。

 当初、ふるさと納税の新制度で地場産品の一つとして活用してもらおうと考えていたが、市が優遇対象から除外されたことで断念。それでも、「泉佐野の知名度が広まれば」と7月1日からネット上などで男性の大人用肌着を1枚2430円(税込み)で販売する予定だ。今後、靴下や部屋着、子供用下着への応用も検討する。

 生まれも育ちも泉佐野だが、大学進学を機に10年ほど地元を離れていた西出さん。父の仕事を手伝うために故郷に戻ってきたとき、海と山が広がる変わらぬ風景に癒やされた。「繊維産業のほかにも自然など泉佐野はいいものがたくさんあるのに、発信できていない。ちょっとしたアイデアを付け加えて商品として売り出すことで、泉佐野を盛り上げていきたい」と話している。

 問い合わせは、NSW(0120・976・534)。

 ■ふるさと納税 応援したい都道府県や市区町村に寄付すると、自己負担の2千円を除いた額が住民税などから差し引かれる制度。平成20年に地域活性化につなげる目的で始まったが、豪華な返礼品を贈る自治体に寄付が集中する弊害が起きた。総務省が自粛を要請したものの、大阪府泉佐野市などが反発して、ふるさと納税の返礼品に加えてアマゾンのギフト券を贈るキャンペーンなどを展開。同省が6月からルールを守らない自治体は制度に参加できないようにした。

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