GAFAの課税逃れ規制へ一歩 デジタル課税の作業計画承認 G20財務相会議

 8、9日に福岡市で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米IT大手企業を標的とした「デジタル課税」新設に向け、2020年中の大枠合意を目指す経済協力開発機構(OECD)の作業計画を承認した。IT大手が世界で巨額の利益を上げているにもかかわらず、不当に課税を逃れている事態を重く見て、国際社会として規制に一歩、踏み出した格好だ。

 「(デジタル課税の策定に向け)方向性として、そっちのほうへ動き出した。(議論が)よくここまで来たと思う」。麻生太郎財務相は閉幕後の記者会見でこう述べた。

 共同声明では、GAFAによる税逃れを念頭に、「世界規模で公正、持続可かつ現代的な国際課税システムのための協力を継続する」と明記。今後、検討作業を進め、20年1月に具体案の合意を目指すOECDの「野心的な作業計画を承認する」と記した。

 検討は2つの柱について進める。一つは、支店などの物理的拠点が国内になければ、その国は課税できないとする国際課税ルールの見直し。各国は、国境を越えてインターネット配信される音楽サービスなどに課税できるようになる。

 課税される利益の算定方法に関しては、市場で生み出されたブランド力などの無形資産に着目する「米国案」▽検索エンジンなどの利用者の個人情報を重視する「英国案」▽ある市場で継続して売り上げを出しているなど「重要な経済的存在」の企業に課税できるとする「新興国案」−の3つが出ている。今後、OECDで3案の折衷に向け検討を進める予定だ。

 一方、もう一つの柱として、法人実効税率の最低水準を設け、多国籍企業が低税率国に利益を集めて課税逃れするのを防ぐことを検討する。米アップルが低税率のアイルランドに拠点を移して税逃れをしているといった批判が、これまでたびたび行われてきた。

 ただ、各国への税収配分ルールや課税の重複を回避する仕組み作りなど、「技術的な話は微に入り細に入る」(麻生氏)ため、OECDの専門家部会での検討は複雑になりそうだ。また、何より「課税の話は国家主権の極みで、世界一斉に手を入れるのは簡単でない」(麻生氏)。日本をはじめとする主要国を中心に、政治レベルでの意見調整も進める考えだ。

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