安倍首相、20日で通算在職日数単独1位に 桂太郎抜く

安倍首相、20日で通算在職日数単独1位に 桂太郎抜く

首相 20日で在職日数単独1位

安倍首相、20日で通算在職日数単独1位に 桂太郎抜く

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 安倍晋三首相の通算在職日数が20日、2887日となり、桂太郎を抜いて歴代単独1位となる。平成18〜19年の1次政権は相次ぐ閣僚の辞任と自身の体調不良が重なり、約1年の短命に終わったが、その反省と教訓を踏まえた第2次政権は12月で丸7年になる。再登板後は自民党総裁選3連勝、国政選挙6連勝の“勝負強さ”で求心力を保ち、超長期政権を築き上げた。

 政権復帰後の安倍首相は国際社会で日本の存在感を押し上げた。良好な日米関係は、トランプ大統領との信頼関係に加え、安全保障関連の機密漏洩(ろうえい)を防ぐ特定秘密保護法や、集団的自衛権の行使を限定容認した安全保障関連法の成立を背景に両国の防衛協力が進んだことが大きい。昨年10月には首相として7年ぶりに訪中し、来春には習近平国家主席が国賓として来日するなど日中関係も改善した。

 経済面でも大胆な金融緩和策をテコに円高株安を解消し、景気の回復基調は今も続く。少子高齢化による社会の停滞を回避するため「人生100年時代」を打ち出し、医療や子育てなど社会保障制度の抜本的な見直しを進める。

 政権基盤は盤石といえるが、「桜を見る会」をめぐっては「長期政権の緩み」が指摘された。順調ならば来年8月24日に連続在職でも佐藤栄作(2798日)を抜き歴代単独1位となる。今後は党総裁任期満了の令和3年9月末を見据え、憲法改正や拉致問題、北方領土問題の解決に道筋をつけ、政治的レガシー(遺産)を残せるかが焦点となる。(立花大輔)

 安倍晋三首相の通算在職日数歴代単独1位について有識者2人に聞いた。

 ■ジェームス・E・アワー氏(米ヴァンダービルト大名誉教授)

 安倍晋三首相は歴代首相に比べ、安定性、能力、持続性、穏健の4点で秀でていると思う。首相はいわゆる「タカ派」だが、中国、ロシア両国と良好な関係を維持する必要性について、中露に厳しい認識を持つ支持層にも理解を得ようと努めている。憲法改正や防衛予算の拡充も、国民の理解を得ようと時間をかけて進めている点も評価できる。

 首相は中曽根康弘元首相以来、米国で最も知られた日本の首相だ。トランプ大統領に批判的な米国人でさえも、首相が集団的自衛権の限定行使を容認する安全保障関連法や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を成立させたことを支持している。トランプ氏との関係が非常に良く、強固な日米関係があるからこそ、中国の習近平国家主席もロシアのプーチン大統領も首相に敬意を表している。

 今後も日米関係が安定して続けば、首相に弱点はない。日本が国内総生産(GDP)比1%程度の防衛予算を増やし、日米両国がサイバー分野で世界のリーダーになれば、インド太平洋地域の抑止力は大いに高まる。自由で開かれた南シナ海が守られ、香港や台湾の民主主義を後押しすることにもなる。

 ■中北浩爾氏(一橋大教授)

 安倍晋三首相が通算在職日数1位に至る最大の要因は、平成24年12月の野党時代も含めて国政選挙で6連勝し、求心力を持ち続けているためだ。連立を組む自民、公明両党ともそれぞれ固い基礎票を持つ上、野党がばらばらで国民の期待が集まらない現状にも助けられている。安倍首相への積極的な支持は多くないが、「悪夢のような民主党政権」(首相)よりはましだと考える国民は少なくない。

 「自民党をぶっ壊す」と訴えた小泉純一郎元首相と違い、首相は党の理念や派閥を重んじ、自民党の結束を大切にしてきた。自民党らしさを「御旗(みはた)」とする首相には党内に首相を支える“同志”が多い。17年の郵政選挙の造反議員を復党させたのも大きい。旧民主党から政権奪還する形で復活したことにも、初当選以来、常に野党とどう戦うかを考えてきた首相の経験が生きている。

 前人未到の記録を達成した首相にも懸念材料はある。高齢化などの影響で、与野党問わず支持団体や後援会が弱体化し、無党派層は増えている。小池百合子東京都知事のように、無党派層の支持を集める政治家が現れれば、政権交代のリスクは高まる。

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