GSOMIA 日米韓の信頼関係の損傷を回避

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出に対峙(たいじ)する日米韓の相互信頼関係の土台だ。「なくても日本の安全保障に直接影響が出るものではない」(河野太郎防衛相)とはいえ、破棄の回避は、安全保障環境が厳しさを増す中で3カ国の信頼関係に傷がつくのを避けるためといえる。

 河野太郎防衛相は22日午前の記者会見で「間違ったメッセージを北朝鮮をはじめ周辺国に出しかねないとの懸念は持っている」と語っていた。破棄されれば、北朝鮮や中国、ロシアが、日米韓の連携のほころびをつき、軍事的挑発行為を行う可能性が指摘されていた。

 破棄されても、日米韓防衛当局の情報共有の取り決め(TISA、2014年締結)に基づき、北朝鮮の核・ミサイル問題に限っては日本と韓国はそれぞれの機密情報を米国を介して受け渡すことができる。

 だが、GSOMIAに比べて迅速さにかけ、日韓で直接交換できないことから米国の手間が増える。

 こうした事情から、米国はGSOMIAの継続を強く求めてきた。

 これまでも北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際は、着弾までの間に日韓が情報交換することはなく、それぞれが自国のレーダーなどで捕捉していた。一方、発射の事後分析では互いの情報が有効だ。「北朝鮮の国内情勢を分析するにも、脱北者などのヒューミント(人的情報)が豊富な韓国の情報は役に立つ」(自衛隊幹部)という。(田中一世)

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