堺市の竹山前市長、百条委に不出頭 揺らぐ存在意義

 関連政治団体の政治資金収支報告書に計約5500万円の虚偽記入や不記載があったとして、政治資金規正法違反の罪で略式起訴された堺市の竹山修身(おさみ前市長(69)が、同市議会の調査特別委員会(百条委)の証人尋問に出頭せず、百条委の存在意義が問われる事態に陥っている。市議会は28日、12回目の百条委を開き、改めて出頭を求めることを確認したが、尋問が実現するかは不透明だ。

 「百条委に証人が出頭しないという良からぬ例をつくってはならない。刑事告発も検討する」。百条委で委員長を務める池田克史市議(大阪維新の会)はこう語気を強める。

 竹山氏をめぐっては、後援会など関連政治団体の政治資金収支報告書に約2億3千万円の記載漏れなどが見つかり今年4月、引責辞職に追い込まれた。大阪地検特捜部は11月21日、竹山氏と会計実務を担当していた次女(39)を政治資金規正法違反罪で略式起訴。大阪簡裁がそれぞれ罰金100万円の略式命令を出し、2人は即日納付した。

 市議会は6月に百条委を設置。8月に竹山氏の証人尋問の実施を決めたが、竹山氏は「百条委は堺市の事務に関することに限定され、政治資金の調査権限はない」などと主張、11月5日の証人尋問に出頭しなかった。同8日には選挙運動費用収支報告書の出納責任者の証人尋問を予定したが、こちらも出頭しなかったため中止になっている。

 28日の百条委では、竹山氏らに対して改めて出頭を求めることを確認。関連団体の資料提出も再度要請することを決めるなど、今後の方針を協議した。

 地方自治法に基づく百条委は強い調査権限を持ち、正当な理由なく出頭を拒否した場合などは告発するよう規定。禁錮6月以下か10万円以下の罰金が科される。関東学院大の出石稔教授(地方自治法)は「百条委は地方行政を正常に機能させるための大きな役割を持つ」とし、竹山氏の対応には「ずるいやり方で議会を軽視している」と批判。議会側にも「欠席を許すような事態を放置してはならない」と注文をつける。

 だが、近年は百条委の罰則規定が機能していない状況も散見されている。岡山県赤磐市の土地購入をめぐって平成22年に設置された百条委への出頭請求を、元市長と市議が「捜査への影響」などを理由に拒否。24年6月には、国営諫早湾干拓事業の入植者選定過程をめぐる長崎県議会の百条委の出頭要請に、前知事が応じなかった。大阪府茨木市の前市長の親族による高額の市税滞納問題を調査する28年の百条委では、前市長が証言を拒否。いずれも告発されたが、嫌疑不十分などの理由で不起訴処分になっている。

 出石教授は「告発されても不起訴処分となる傾向が、百条委軽視の風潮につながっている面もある」と指摘。一方、「百条委の調査結果により辞職や落選など、一定の社会的制裁を受けることが多く、その権威は重い。議会側も証言者も真摯(しんし)に対応すべきだ」と話している。

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