野党が「桜」で攻勢、今国会最後の首相との直接対決

野党が「桜」で攻勢、今国会最後の首相との直接対決

参院本会議で共産党・田村智子氏(手前)の質問を聞く安倍晋三首相(後方手前)ら閣僚=2日午後、国会(春名中撮影)

 主要野党は2日の参院本会議で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑を追及した。しかし、首相から「反省の弁」を引き出すことには成功したものの、質問の多くが従来通りの答弁でかわされた印象は否めない。逆に批判の根拠が揺らぎ始めた疑惑もあり、攻め手を狭められつつある。

 「安倍首相と昭恵夫人は『ジャパンライフ』元会長と面識があるのか」

 立憲民主党などと統一会派を組む社民党の吉田忠智前党首は、預託商法などを展開した業者の元会長との“親密な関係”をあぶり出そうと試みた。しかし、首相は「個人的な関係は一切ない」と否定。夫人との面識もないと明言した。

 野党が「現地視察」まで行った内閣府のシュレッダー問題でも、首相は反論した。

 野党は桜を見る会の招待者名簿が、共産党が資料請求した5月9日に破棄されていたことから「隠蔽(いんぺい)」の可能性を指摘。しかし、首相は破棄の予約を入れたのは請求前の4月22日だったと説明。障害を持つ担当職員の勤務時間などを考慮した結果、破棄日が5月9日になったとも述べ、「野党議員からの資料要求とは全く無関係だ」と強調した。事実であれば、追及は根拠を失うことになる。

 「税金を使った事実上の買収行為ではないか」

 共産の田村智子氏は、桜を見る会に多くの首相の後援会関係者が参加したことや、経費が年々、増加したことを批判した。

 首相は「基準が曖昧だった結果、招待者の数が膨れ上がった」と神妙に語りつつ、取りまとめは内閣府と内閣官房で行ったと強調。「公職選挙法に抵触するとの指摘は当たらない」という従来通りの答弁で疑惑をはねつけた。

 そもそも「買収行為」との野党側の追及は説得力を欠いている。民主党政権下でも桜を見る会に絡み「後援者の方等をご夫妻でご招待いただく絶好の機会になる」との文書が存在し、「後援会固め」に使うよう指示があったことが判明しているからだ。

 終盤に入った今国会で、首相と野党との直接対決はこれが最後となる見通しだ。野党は年明けの通常国会でも引き続き追及する構えだが、「違法性を追及しきれていない。新事実を掘り起こすこともできず、攻め手としてはかなり苦しい」(立民関係者)と手詰まり感も漂ってきている。

(中村智隆)

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