岸田氏「ポスト安倍」へ始動

 自民党の岸田文雄政調会長は4日、地元・広島市の神社を初詣に訪れ、「ポスト安倍」に向けた勝負の一年をスタートさせた。安倍晋三首相の党総裁任期が来年9月に迫るが、知名度では石破茂元幹事長が先行しており、今年は存在感をどう高めるか真価が問われる。

 「新しい時代を担うという気持ちを強く感じている。次の総裁選に向け、奮闘努力する」

 岸田氏は参拝後、記者団にこう強調した。首相の党総裁任期までは約1年9カ月あるが、「今年は大切な1年になる。いつ総裁選が行われるか定かではない」とも指摘。あらゆる事態を想定し、準備を急ぐ考えも示した。

 首相が後継の1人として岸田氏に期待していることは「光栄だが、総理、総裁を目指すには総裁選を乗り越えなければいけない」と述べ、首相からの禅譲頼みの見方に距離を置いた。

 「ポスト安倍」を争う石破氏は安倍政権に批判的な層も取り込む。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)による昨年12月の世論調査では、石破氏が次期首相候補として支持率で首位に立った。首相が来年10月の衆院議員任期満了までに解散しなければ、新総裁の下で総選挙が行われることになり、総裁選は「選挙で勝てる候補」に支持が集まる可能性がある。

 このため、岸田氏も課題の発信力に力を入れる。4日には統合型リゾート施設(IR)に絡む汚職事件に関し「政治家自身が説明責任を尽くし、政治不信を払拭する努力をしなければならない」と苦言を呈した。

 試金石となりそうなのが、岸田派(宏池会)の事務総長だった望月義夫元環境相の死去に伴う後任人事と、4月に予定される衆院静岡4区補欠選挙だ。

 望月氏は他派との関係強化に尽力してきた。後任には、派筆頭副会長の根本匠前厚生労働相が事務総長を兼務する案が有力だ。総裁選は首相の出身派閥で党内最大の細田派(清和政策研究会)の協力が不可欠だが、根本氏は首相と良好な関係を築いている。

 静岡4区補選は、地元県議が二階派(志帥会)から立候補を目指す動きも取り沙汰されるが、岸田氏は周囲に「(岸田派の)議席は守る」と断言する。昨年の参院選では派の現職が4人落選しただけに、今回の補選で失地回復し、「選挙に強い」というイメージを打ち出せるかが課題となる。

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