浜松・鈴木康友市長インタビュー 情報技術「浜松には大きなチャンス」

浜松・鈴木康友市長インタビュー 情報技術「浜松には大きなチャンス」

浜松市の鈴木康友市長=5日、浜松市役所(石原颯撮影)

 人口減少など今後を見据え、さまざまな行財政改革を進めてきた浜松市の鈴木康友市長。新たな時代に向け、市長として取り組むべき課題や見通しなどについて聞いた。(石原颯、写真も)

 −−昨年1年間を振り返って

 「昨年は市長選挙もあり、3期12年を総括しながら4期目をスタートさせた。特に懸案の区の再編は住民投票も実施し、結果も出た。しっかりと目標に向け、取り組んでいく」

 −−昨年10月末には「デジタルファースト宣言」を出した。新技術の活用は地方創生の鍵になるのでは

 「AI(人工知能)など新技術に既存のものづくりを掛け合わせていきたい。(AI分野は)これまで情報系のベンチャーが主だったが、次はものづくり自体がAIなどの力で大きく変わる。(産業の街である)浜松には大きなチャンスがある。われわれはスマートシティに向けた取り組みも進めている。区の再編にも関わるが、より住民サービスを充実させるためには新技術が有用だ。今後は役所に来なくても、自宅や会社にいながらにして用が足りる社会が必ず来る。先端的な国ではほとんど行政手続きが(ウェブ上で)できるようになっている。そういう国にできて日本でできないわけがない」

 −−令和3年1月1日までに行う区再編の期限があと1年だ

 「最終的には議会の議決を得なければいけないので議会と丁寧に話し合いながら実現していく。(昨年の住民投票で)皆さんが誤解していたのは区役所がなくなるとなんとなく不便になると誤解されていた。(現区役所は)全部、行政センターとして残し、中身のサービスも当面維持する。ただ(区長、副区長などの)間接要員を圧縮していくので、財政効果が生まれる。住民の皆さんの目からは再編されても、見た目も全く変わらないし、中身も変わらない」

 −−東京五輪・パラリンピックが開催される。浜松市はブラジルの選手団を迎え入れる

 「必ず成功させなければいけない。パラ選手団は全競技の約400人が浜松市に来る。前代未聞の規模だ。この受け入れが成功したら浜松はパラスポーツの聖地になれる」

 −−受け入れの課題は

 「人手が一番の心配だったがボランティアも目標1千人のところ、1500人を超えた。民間のホテルでも段差をなくすなど(バリアフリーに向けて)設計変更をしたところもある。パラの大会をやるにしても宿泊施設が整っているところの方がやりやすい」

 −−有明体操競技場(東京)で多くの天竜材が使用されるなど森林管理の国際基準「FSC認証」に力を入れきた成果が出てきた。今後の可能性は

 「昨年から今年にかけてSDGs(持続可能な開発目標)が日本だけではなく世界中で急速に広まっていった。特に、気候変動問題に対し、世界は恐ろしいぐらいセンシティブになっている。その大きな原因の一つが森林破壊。それをなくすために作られたのがFSCという認証制度だ。今、次々と企業がFSC宣言をしており、環境に鈍感な企業はマーケットから排除される。日本の中でFSC認証材といえばどこだと言ったら(認証面積が最も広い)浜松だとなる。FSCって何だ、という頃から将来、必ず価値を持つからやろうよと説得してやってきた。輸出も始まっている。これからも先手、先手でやっていきたい」

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