横須賀市予算案1578億円 社会福祉・教育に重点

横須賀市予算案1578億円 社会福祉・教育に重点

予算案を発表する神奈川県横須賀市の上地克明市長=市役所

 横須賀市は、令和2年度当初予算案を発表した。一般会計総額は前年度当初予算比5・3%減の1578億円。3年ぶりのマイナス予算だが、昭和60年度以降では、平成5年度と令和元年度に次いで過去3番目の規模。社会福祉と教育の充実に重点を置いた。記者会見した上地克明市長は「地方自治体の命題は福祉の増進。経済産業や少子高齢化などの課題にも対応すべく、地域コミュニティーへの支援拡充、相談窓口の機能強化などに取り組んでいく」と強調した。

 歳入の中心となる市税収入は同1・5%減の590億円。税制改正と企業業績の低迷で、法人市民税が大幅に減少したことが影響した。借金に当たる市債発行額は、廃棄物広域処理施設や追浜公園総合練習場などの大型建設事業の整備完了により、同22・1%減の185億円。財源不足を補うために財政調整基金を52億2千万円取り崩した。

 一方、歳出は人件費、扶助費、公債費を合わせた「義務的経費」が866億円。歳出全体に占める割合は54・9%(前年度51・2%)で、5割超えは15年連続。社会保障関連の扶助費は、生活保護関連の経費が減少したものの、幼児教育・保育の無償化の関連経費が増えたことなどから、同0・4%増の391億円に上り、歳出全体の24・8%を占める。

 市は財政見通しで、税収の大幅な増加が見込めず、社会保障費の増加が予想されることから、積極的な財政出動を行うために、徹底した事業の見直しと国や県などからの財源の獲得により、財源確保を図っていくとしている。

 一方、まちづくりの方向性として「海洋都市」「エンターテインメント都市」「地域コミュニティー都市」を目指すと定めている。そのための市の再興策として「経済・産業」「福祉」「子育て・教育」「にぎわい創出」の4点に重点を置いており、2年度予算は、これらの目標に沿って財源を配分した。

 事業別では、社会基盤整備のため国道357号の整備促進事業を拡充し、約1900万円を計上。八景島と夏島間の早期開通と、夏島以南の延伸区間の都市計画決定を目指す。

 拠点市街地の再開発促進には約1億4千万円を計上。追浜駅前や横須賀中央駅前など市内8地区で活性化や防災性向上、都市機能の更新に向けた再開発を進める。さらに、中小企業支援策として市内事業者が電子商取引(EC)サイトに出店するためのセミナー開催などの支援事業を新規に盛り込んだ「商業の活性化」事業に約5300万円を計上した。

 福祉面では、消防局庁舎内の地域福祉課に福祉の総合相談窓口と、成年後見制度の相談窓口を設置。それぞれ約190万円と、約30万円を計上した。また、「終活支援の充実」の事業に約350万円を計上し、同庁舎内には終活支援センターも開設する。「ひきこもり支援の充実」の事業には約330万円を新規計上し、本人宅への訪問などの支援員を配置する。

 教育面では、ICT(情報通信技術)を活用した教育の推進に向けて新規で約2600万円を計上し、市立中学校・ろう学校で校内LANを高速大容量のネットワークに更新する。

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