蓮舫、新人候補の“リモート応援演説”を実況中継 「そりゃないよね」という声

蓮舫、新人候補の“リモート応援演説”を実況中継 「そりゃないよね」という声

立憲民主党の蓮舫代表代行

■新人を無視


 立憲民主党の蓮舫代表代行(53)と言えば、誰もが知っている政治家だ。彼女が次の衆院選に出馬予定の候補者を“リモート応援演説”したことが話題になっている。

 ***

 山岸一生氏(39)は次期の衆院選に、立憲民主党の公認で東京9区から立候補する予定だ。

 東京9区は、自民党の菅原一秀・前経済産業相(59)が当選を重ねてきた選挙区として知られる。

 しかし菅原前産業相は、2019年10月、選挙区内の有権者に秘書が香典を渡したとして、公職選挙法違反で告発された。

 20年6月に東京地検特捜部は不起訴(起訴猶予)としたが、東京第4検察審査会は2月24日付で起訴相当と議決した。

 山岸陣営としては、これを“追い風”にしたいところだろう。反自民党票をかき集めるのが基本戦略だ


■謎の“リモート街宣”


 そんな山岸氏が3月25日に“リモート街宣”を行うとTwitterなどで発表した。

 ツイートを見てみると、蓮舫代表代行が《国会からライブで審議をお伝えし、地域の皆さんからご意見いただき、それが立憲民主党の活動を加速する》などと書かれている。

 どうやら山岸氏が街頭演説を行っていると、その横に設置された“モニター”に蓮舫代行が登場するようなのだ。

 街頭で有権者に見てもらうのであれば、相当な大きさのモニターが必要だろう。選挙区にいる山岸氏と蓮舫代行が掛け合いを行うのだろうが、果たしてうまくいくのだろうか……。

 今どきの街宣の様子を、実際に見に行くことにした。ツイートには西武池袋線の石神井公園駅前で午後4時半のスタートと書かれていた。


■菅原前産業相に“嫌味”


 午後4時前に到着すると、既に山岸氏は駅前で東京9区の有権者に頭を下げながらビラなどを配っていた。

 現地では午後5時スタートがアナウンスされ、山岸氏も「蓮舫さんがリモートで登場するんです」と“宣伝”に余念がない。

 確かに山岸氏より、蓮舫代行の知名度のほうが高いのは事実だろう。だが、まるで自分が“前座”であると喧伝しているようにも見える。

 午後5時が近づくと、東京都議などの応援演説が始まった。そして、満を持した格好で山岸氏がマイクを握った。

 このリモート街宣は有権者と国会議員を直結する試みであり、街の声をダイレクトに国会へ届けることが可能だ──こんなアピールを行った。

 山岸氏の声はよく通る。動員をかけた割に聴衆は少ないが、高齢の女性が目立つ。爽やかなルックスと言ってよく、女性の有権者には好まれるかもしれない。

 演説中、菅原前産業相に“嫌味”を言うことも忘れなかった。名前は伏せたとはいえ、「9区から選出された現職の国会議員は、街の声を国会に伝えているのか」と聴衆に問うたのだ。


■喋り続ける蓮舫代行


 更に香典問題についても、直接的な言及は避けながら、「不起訴不当と決定しましたから、街の声を訊くことなんてできないですよね」というニュアンスを滲ませた。

 それに対し、自分たちのリモート街宣は有権者の声を国会に伝えることができる、と自画自賛し、山岸氏が「蓮舫さん、こんにちはー」と呼びかけたのだ。

 用意されたモニターでは、「山岸一生さん、ご無沙汰しています」と蓮舫代行が笑顔で応じる。

 だが、その画面は小さい。警視庁のように大型ビジョンをトラックに積んだ車輌が登場するのかと思いきや、家庭用としては大きめのモニターを路上に置いただけだ。率直に言って、かなり“しょぼい”。

 音声は大きなスピーカーから流れるため、それなりの迫力はある。蓮舫代行は自民党のコロナ対策にどんな問題点があるか指摘していく。

 次に立憲民主党のコロナ対策について説明する。あくまでも自分が喋り続け、山岸氏が口を挟むことは全くない。


■感染対策に差?


 これはリモートとはいえ、山岸氏のための「応援演説」だったはずだ。

 普通なら「山岸さんは真面目な男で」とか、「政治部記者としての貴重な経験を、リアルな政治の場面に役立ててほしい」とか、あくまで山岸氏を主役としてエールを送るものだろう。

 だが蓮舫代行は「自分がどれだけコロナ対策に尽力しているか」を滔々と語っただけだった。更に、参議院の予算委員会で“舌鋒鋭く”菅義偉首相(72)に迫るという“名場面”を、延々とビデオで流し始めた。その間、山岸氏は所在なげにモニターの横で、ただ立っているだけだ。

 ビデオが終わると、蓮舫代行は“リモート街宣”の釈明を行った。

「本当だったら、ちゃんと石神井公園駅前に行って、皆さんと目と目を合わせて、街頭というのは熱伝導だと思っていますから、直接語りかけて、皆さんが何を感じておられるのか、何を思っておられるのかを、確認をしながらやっていきたいんですが、残念ながらコロナの感染拡大が心配されます」

 コロナ禍による「制限がある中で、どうやって皆さんにお伝えできるか」と知恵を絞ってリモート街頭を考えだしたと言うのだ。


■“ワン・ウーマン・ショー”の理由


 とはいえ、山岸氏は街頭に立って有権者と向き合っている。まさか「自分は感染するわけにはいかないけど、山岸氏なら感染してもいいだろう」と、蓮舫代行が思っているだけではないだろうが……。

 その後、質疑応答が行われ、2人の有権者が質問を行った。だが、それに答えるのは蓮舫代行だった。「山岸さんの考えも聞きましょう」などと振ることもなく、ひたすら自分が回答した。

 これでは“リモート街頭”を行った主体は蓮舫代行であり、山岸氏は単なる付き添いに過ぎない。

“リモート街頭”を見るうちに、次第に山岸氏が気の毒に思えてならなかった。

 政治担当記者が苦笑しながら言う。

「有り体に言えば、山岸さんは蓮舫さんの子分という位置づけです。前回の参院選に出馬したときも、蓮舫さんが山岸さんの応援演説をしていましたからね。そういうこともあって、山岸氏への配慮を忘れてしまったのかもしれません」

デイリー新潮取材班

2021年3月28日 掲載

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