海外視察中にストリップ? 北九州市議「怪文書」騒動の裏側

海外視察中にストリップ? 北九州市議「怪文書」騒動の裏側

市議選が終わったばかり

 念のために説明しておくと、怪文書とは、政界などで時折出回る出所不明の文書のこと。内容も真偽不明のものが多く、それゆえ“怪”文書なのだが、その背景を読み解いていくと、「作成者」の意図が透けて見える場合も。なぜ今、「ストリップ」を云々する怪文書が北九州市議たちにばら撒かれたのか――。

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 怪文書が出るタイミングとしては、あまりにも“あからさま”と言えるかもしれない。何しろ、北九州市では1月31日に市議選があったばかり。しかも自民党は、現職22人のうち6人が議席を失うという大敗を喫した。その約1カ月後、市議などのもとに出所不明の怪文書が送られてきたのである。文書は市議選について触れた上で、

〈選出された議員の中に、議員としての資質に欠け、本来は立候補すらも許されなかった、即解職に値する議員が4名います〉

 として、次のように記している。

〈その4名は、2018年に北九州市議会が公務の一環として行った海外視察中にストリップ鑑賞し、うち一人は買春までしたという事実があります〉

 海外視察中にストリップと買春?

 事実なら確かに大問題である。文書では、海外視察に参加した8人の市議のうち、自民党市議2人、公明党市議、会派「ハートフル北九州」に所属する立憲民主党の市議の計4名がストリップ鑑賞をしたと決めつけ、それぞれの実名まで晒しているのだ。

 文書で言及されているのは、18年6月から7月にかけて6泊8日でスペインとフィンランドを訪問した“曰くつき”の海外視察である。観光地を訪れる合間にビールやワインを何度も飲み、買い物に興じる、およそ「視察」とはかけ離れた様子を密かにフジテレビの番組が撮影。それが放送されると当然問題になり、市議会は議長名で「公務出張中の日中の飲酒を禁止する通知」を出さざるを得なくなったのだ。


■怨念


 件の怪文書は「飲酒」どころかストリップ鑑賞をしていたと指摘。その証拠となる写真、映像をフジの番組は撮影していたがコンプライアンス等の観点から放映を見送った、としている。

 しかし、フジの番組は市議がストリップ鑑賞に行く様子は撮影できていない。

 やはり怪文書だけに内容には不正確な部分が多いようだが、その一方、

「一緒に海外視察に参加した市議が当時、ストリップ鑑賞したとされる市議から『行った』と聞いていた、という情報もある」(北九州市政関係者)

 当事者たちは何と言うか。

 名指しされた市議たちに「ストリップ」「買春」について聞いたところ、4人全員が強く否定した。一部の市議は怪文書の内容をFacebookにアップした地元の市民団体を訴える考えを示していたが、その点では4人の足並みは揃っていないようである。

「問題のフジの番組で買い物する様子などが映され、“目立って”しまった市議はその影響もあって市議選で落選。一方、怪文書で名指しされた自民党の2人は番組では目立っていなかったこともあり、選挙に当選。怪文書が出た背景にはそうしたこともあるのかもしれません」(前出・市政関係者)

 怪文書の背景にはいかなる「怨念」が渦巻いているのだろうか。

「週刊新潮」2021年4月1日号 掲載

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