菅官邸の崩壊加速! ワクチン頼みの失敗、五輪観客の有無で迷走、緊急事態宣言の連発

菅官邸の崩壊加速! ワクチン頼みの失敗、五輪観客の有無で迷走、緊急事態宣言の連発

ワクチン接種が思ったように進まんでいない

■菅さんがどこまで持つのか


 ワクチン頼みの失敗、五輪観客の有無で迷走、緊急事態宣言の連発など、菅首相の求心力はかなり低下してきているようだ。それに加えて、お友達人事、地元の市長選に首相秘書官人事と、抑えが効いていないトラブルが散見される。すでに菅官邸の崩壊も始まっているようだ。

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「ここに来て空気が変わった感じがする。菅さんがどこまで持つのか、心配になってきた」

 そう話すのは、自民党のある閣僚経験者だ。どういうことなのか?

「何が何でもワクチン頼みで来たのは間違っておらず、感染状況に落ち着きが見られるとされる『2回目接種40%』にできるだけ早く到達したいという狙いがあったわけですが、供給が滞ってしまった。五輪に観客を入れるか否かは、橋本組織委会長が有観客にこだわりすぎて開幕2週間前でやっと決着というドタバタで、“最後にしたい”と菅さんが言う緊急事態宣言は連発しすぎて効果はそう多くは望めない。なかなか今後の展望が描けない印象がありますね」

 橋本氏の立場で言うなら、森喜朗会長が突如退場して火中の栗を拾うように就任したポストでなかなか見せ場が作れない中、計7回におよぶ五輪出場歴を持つ会長として選手目線で主張できるのが「有観客」だったということだろう。

 それはともかく、東京に限って言えば、今年、緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」が出ていない日を見つける方が難しいほどだ。

 その一方で、コロナや五輪関連ほど目立たないにしても、その求心力が問われるような出来事がいくつか起こっている。例えば、都議選直後に山口泰明選対委員長が引退・不出馬を表明したことについて、記者がこう解説する。


■横浜市長選と首相秘書官人事のドタバタ


「山口さんは会見の席上、70歳で一区切りと言っていましたが、去年、菅政権ができた時から引退はほぼ既定路線でした。菅さんと山口さんは当選同期で昵懇の間柄。山口さんが地盤を譲ることになる次男を菅事務所で受け入れて秘書として経験を積ませるなどもしてきました。山口さんは選対トップのポストを解散総選挙まで続けると言いますが、これも菅さんのお友達人事の悪いところ。負けても責任を取る必要のない人が仕切る選挙にはヌルい空気が流れがちで、足をすくわれかねません」

 国会議員も秘書も、“菅さんは本気で選挙に勝つ気でいるのか”と言う人は少なくないという。文字通り菅首相の求心力は下がる一方のようだが、横浜市長選に現職が4選を狙って出馬の見込みだというニュースもまた、「菅さん、大丈夫なの?」の声を増幅させている。

「横浜市と言えばもちろん、菅さんのお膝元。現職に対して一旦鈴をつけたのは菅さん本人で、菅さんの盟友・小此木一郎氏が閣僚を辞任して出馬することで収めようとしたのに、いわば“菅裁定”に現職が公然と反旗を翻したというわけです。仮に現職が出馬辞退に追い込まれたり、出馬して小此木氏が圧勝したりしても、地元すら抑えられない人が国家の将来をどう担っていくのかという批判はずっとつきまとい続けるでしょう」(同)

 加えて、足元の首相秘書官人事をめぐっても混乱があった。6日の閣議で、首相秘書官の上限を7人から8人に増やすことを決めた上で、昨年末まで秘書官を務めていた新田章文氏を再び起用する人事を発表している。


■機能不全で辞めさせた秘書官を呼び戻し


 政治部デスクによると、

「新田氏は2006年から菅さんの秘書を務め、去年9月の政権発足時から首相秘書官に起用されましたが、財務省の寺岡光博氏と交代する形で今年1月1日付で辞職していました。寺岡氏は新田氏と共に菅さんの官房長官時代に秘書官を務めた人物で、将来の財務次官と言われていますが、菅さんとしては不満だった。新田氏は耳に痛いことも直言するタイプで、“to doレポート”を去年、首相に提出したのが疎んじられて交代させられたと言われてきた中で、今回呼び戻されることになったのはかなり異例のことです」

 菅首相は8日の会見で、東京都の緊急事態宣言期間中に開催する東京五輪について「安全安心」をアピールしたが、開催に伴って新型コロナの新規感染者が増えるリスクや自身の責任については言及しなかった。

 小泉首相時代に北朝鮮の金正日総書記とのトップ会談を演出した、田中均元外務省審議官はツイッターで、と厳しく批判している。小泉氏にも、田中氏にも毀誉褒貶はつきまとうが、菅会見の虚しさを的確にとらえたメッセージではなかったか。


■「苦労人」エピソードは好感度を失い


 先ほどのデスクに菅政権の今後を占ってもらうと、

「選挙に無類の強さを誇った安倍政権下では、ロクに活動していなくても勝てたような候補がおり、『魔の3回生』などと言われる議員たちもその一例です。来る総選挙で彼らが勝ち残れないことがあっても、強力な野党がいない限りそれなりの数字は立つはずで、首相のまま今年を乗り切ることは可能でしょう」

 そして、「ただ……」として、こう続ける。

「年が明けて新型コロナ感染拡大を制御できていなかったり、閣僚のスキャンダルが取り沙汰されたりすれば、7月の参院選前に“菅さんでは戦えない”という空気が出てきて、選挙前に退陣し、選挙の顔として期待される人物が総理総裁の座に就くというシナリオも十分にあります。菅さんは官房長官時代には、良く言えば塩対応、悪く言えば人をバカにしたとしか見えない対応を繰り返し、それでも難局を乗り切ってきたのですが、首相になっても同じトーンで、“丁寧に説明しない”感じが国民の顰蹙を買っていますね。令和おじさんとか秋田のいちご農家から徒手空拳で上京して……といったエピソードで獲得していた好感度はすでに剥がれ落ちてしまいました」

 菅官邸の崩壊はすでに始まりつつあると言えるかもしれない。

デイリー新潮取材班

2021年7月12日 掲載

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