菅総理の未来予想図は? 政局シミュレーション 展開は18パターンになる

菅総理の未来予想図は? 政局シミュレーション 展開は18パターンになる

激動の3カ月を迎える

■具体的な場合分けを見てみよう


 内閣支持率と反比例するかのように増えてきたのが今後の政局を占う記事である。各紙、各誌一致しているのは菅総理の足元が危なくなってきた、という認識だが、今後の展開はどのようなバリエーションがあるのか、要素別に整理してみよう。

 最初の要素は8月22日投開票を迎える横浜市長選。菅総理のホームグラウンドでの市長選であり、また最近の地方の補選等で負け続けているだけに注目度は高い。

 この選挙での可能性は簡単に分けて以下の3つだろう。

(1)菅総理、与党の推す候補が勝利する。
(2)菅総理、与党の推す候補が敗北する。
(3)候補者いずれも法定得票を得られず再選挙となる。

 公職選挙法で市長は全体の4分の1以上は得票しなければならないと決められている。今回のように候補者が乱立して票が割れた場合、再選挙となる。そのような事態になれば実質的に(2)と同じと言えるだろう。(2)、(3)の場合は総理の党内での求心力がさらに弱まるのは必然。

 次の要素は総裁選と衆議院の総選挙の時期である。

(A)総裁選を先に行ってから総選挙
(B)総選挙を先に行ってから総裁選

 今のところ、支持率や世論調査から自民党が大きく議席を減らすという見方が支配的。そのあとの総裁選は避けたい、と普通は考える。また、内閣支持率などと関係なく派閥の論理で再選は可能だと見られているため(A)が既定路線になりつつある。

 総裁選についてもいくつかの可能性がある。

(a)結局対立候補が出ず無投票再選
(b)前回菅総裁が選ばれたのと同様、国会議員票と地方への配分票で決定
(c)国会議員票と全国の党員票で決めるいわゆる「フルスペック」方式


■横浜市長選ショック


 菅総理としては(b)が都合は良いが、2回も続けて党員票を無視するのは問題だと考え、公言する議員も多くいる。意向を無視され続けている党員にも不満は溜まっている。

 ここまでで3×2×3=18通りの可能性がある。これに加えて、不確定要素も多い。たとえば――

・秋までにワクチン効果でコロナ感染者が激減
・逆に感染拡大傾向が止まらない
・総理や大臣らの不祥事、大失言

 政治部記者は18通りのうち、どれが一番あり得ると見ているか。

「総理側の願望としては(1)、(A)、(a)でしょうが、その確率は相当低い、と言うかハナから実現は不可能でしょう」

 と言う。つまり、横浜市長選で「菅総理、与党の推す候補が敗北する」シナリオだという。

「現職大臣かつ衆院議員を辞職して選挙に打って出た小此木さんは、期日前投票の調査でどんどん引き離されており挽回は難しい情勢です。2位には入れそうですが、与野党共に分裂した選挙ですし、そもそも、どんな惜敗でも総理のおひざ元で負けるというのはあってはならないこと。“求心力の低下は避けられない”という報道が散々続くし、実際そうなることでしょう」

 その後は、コロナが収束していない中で解散は打てず、(A)、(c)のシナリオに流れて行く。

「遊説などは控えなければならないでしょうが、表向きはフルスペックの総裁選が先になりそうです。地方での人気が高い石破さんは出馬を回避すると見られ、代わって『アンチ菅票』を取り込んだり、派閥の力学から菅さんを追い落としたりするほどの候補は見当たらず、『菅総裁』が再任されると見ています。あくまでも変数は除外したうえで、今のところ、ではありますが」

 そして、コロナの感染状況をにらみながら解散時期を見極めることになるわけだが、10月21日の衆院議員の任期満了後にずれ込むこともあり得る。


■30減なら続投だが


 この記者によると、

「差し当たって永田町では、自公で30議席を減らすくらいまでなら菅続投。40だと危険水域。50だと退陣などと言われています。“退陣したらまた自民党総裁選をやるんだよなぁ〜”という悲鳴に似た記者の声はありますが、それはまあ冗談として、続投となってもコロナとの闘いはついて回るでしょうから、菅さんがぶちあげた不妊治療の充実やデジタル政策など、本当にやりたい政策に手が届くにはまだ時間がかかりそうです」

デイリー新潮取材班

2021年8月20日 掲載

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