「高市早苗」28年前の初当選 自慢のドラムさばきを披露した日

「高市早苗」28年前の初当選 自慢のドラムさばきを披露した日

安倍前首相の支持を取り付けた

■テレビ朝日の名物コメンテーター・玉川徹氏は…


 混戦が予想されている自民党総裁選で、台風の目ともなりそうな存在が高市早苗元総務相(60)である。安倍晋三前首相(66)が支持しているという情報が駆け巡って以来、その支持者が高市氏を「推す」光景はあちこちで見られる。一般紙、テレビなどの世論調査やアンケートでは河野太郎行政改革担当相(58)や石破茂元幹事長(64)の人気が伝えられているのだが、ネット上の調査では高市氏がトップになっているものもあるほどだ。

 一方で、それゆえに警戒感を示す人も少なからず存在するようである。どういうデータをもとにしているかは不明ながら、テレビ朝日の名物コメンテーター、玉川徹氏は、高市氏の主な支持層は「右翼」だと番組内で解説している(9月8日「羽鳥慎一モーニングショー」)。「右翼」も「左翼」も一つの立場ではあるはずだが、玉川氏の場合はネガティヴな意味で使っているのは明らかだろう。おそらく今後は、高市氏の信念である「靖国神社参拝」も攻撃対象になっていくと見られる。

 さてここで紹介するのは、そんな権力闘争や思想的対立とはまだ彼女が無縁だった頃の記事。1993年、初当選から間もない時の初々しいオフショットである。初出馬では落選したものの2度目の出馬(無所属)で見事トップ当選した高市氏は、雑誌「FOCUS」のために自慢のドラムさばきを披露してくれた。以下、当時の記事をそのまま採録してみよう(ちょっと言い回しが古い点があるのはご容赦ください)。


■松下政経塾出身


 やっぱり若い! フツーの代議士先生なら、選挙戦が終わっての骨休めとなったら温泉、ゴルフといったところなんだけど、高市早苗さん(32)はドラムだもん。めでたくトップ当選を果たしたあとは、奈良市内のスタジオを借りてたった一人のドラミング。

 ちょっと季節はずれのこのマドンナは、松下政経塾出身だけれど、塾生として学んでいた時代も、後に海外生活を体験したときもドラムのスティックを離したことがない。一組だと30分も叩いていると、折れてしまうことがあるため、いつも4組のスティックをカバンの中にひそませていたというから相当なもの。

 中学の頃からバンドの真似ごとを始め、「楽器店にたむろしている高校生の兄ちゃんたちとバンドを組んだこともあるんです」というから、かなりの年季が入っている。神戸大学時代はライブハウスにも出演。

 ヘビメタからニューウェーブ、ファンキーとなんでもやったそうで、このあたりの柔軟性は政治感覚と似ているのかもしれない。そんなわけで、いまもバンドこそやれないものの、頭がモヤモヤしてくると、一人でスタジオに出かけてバンバン叩く。

「モヤモヤが体の外に発散して、ええ気分ですよ。人の悪口なんかいって発散させるよりええのと違いますか」


■結婚するお相手は


 ちなみに400ccのバイクにも乗る。

 昨年の7月の参院選ではあえなく落選したけれど、今回の突然の衆院解散で、思いがけぬチャンス到来。でも、頼みにしていた新生党には同じ選挙区に現職がいたため公認が得られず、無所属の出馬となって、当初は高市さんの演説会場はガラガラ。「またも落選」と見ていた専門家は多かったらしい。

 が、結果はトップ当選。なんでも去年の参院選では彼女が出演していた全国ネットの番組の放送時間帯に、関西ではお笑いバラエティーをやっていたりして見てもらえないという誤算があったらしい。でも、その後地元局の番組にも積極的に出演したとかで、そんな成果もあったに違いない。

「組織ではなく、個人が国会議員を作った。日本は、これで変わります」が、当選後の第一声だった。「しばらくは無所属のままでいきます」と話す彼女だが、栗本慎一郎氏らと共に新生党と院内統一会派を組む動きもあり、結局は新生党の傘の下に入るのではと見られている。

 両親は奈良市内に住み、父親はサラリーマン。選挙中、事務長を務めた25歳の弟がいて、今後は秘書として協力してもらう予定だとか。ご本人は目下独身。

「こんなゴチャゴチャの世界に飛び込んだら、いよいよ結婚してくれる男性はいなくなると思う」といいながら、ちっとも残念そうな気配はない。いずれにしても、腹鼓を打ちそうなタヌキおやじより、ドラムの美女のほうがなんぼかマシだもんね。
(「FOCUS」1993年8月25日号)


■1996年から自民党に


 一応この後の流れを簡単にご紹介しておくと、高市氏は新進党などを経て1996年に自民党に入党。1度の落選を経験したものの、総務相や政調会長などを歴任し、順調にキャリアを積み現在に至っている。当時は結婚できないかもしれない旨語っていたが、結婚生活も1度経験している。

 叩くのではなく、叩かれることが増えそうだが、総裁選を勝ち抜き、勝利のドラミングを披露することができるかどうか。

デイリー新潮取材班

2021年9月13日 掲載

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