河野太郎ワクチン相の“パパ頼み”の総裁選 父・洋平氏が“参院のドン”を訪問、集票を打診か

【自民党総裁選】河野太郎氏の父・河野洋平氏が『参院のドン』を訪問して集票を打診か

記事まとめ

  • 次期総裁を問う世論調査では、河野太郎氏が岸田文雄氏や高市早苗氏をリードしている
  • しかし、河野太郎氏の選対は出遅れ感が否めず、足元は決して盤石とはいえないという
  • そんな状況に業を煮やしたのか、河野洋平氏が集票の打診に動いているらしい

河野太郎ワクチン相の“パパ頼み”の総裁選 父・洋平氏が“参院のドン”を訪問、集票を打診か

河野太郎ワクチン相の“パパ頼み”の総裁選 父・洋平氏が“参院のドン”を訪問、集票を打診か

祖父と父の願いを背負って

 秋の深まりとは裏腹にヒートアップし続ける自民党総裁選。優勢・劣勢がめまぐるしく入れ替わるなか、“黒幕”たちの動きも激しさを増すばかり。総理経験者が暗躍する「代理戦争」に新規参戦したのは、誰あろう、河野太郎ワクチン担当相(58)のパパだった。

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 第2次安倍政権の成立以降、“無風”が常態化していた自民党の総裁選は、しかし、ここに来て“暴風域”に突入しつつある。

 今月17日の告示を受け、メディア各社は〈次期総裁にふさわしいのは誰か〉を問う世論調査を実施。共同通信の調査では、河野氏が48・6%でトップに立ち、18・5%の岸田文雄前政調会長(64)や15・7%の高市早苗前総務相(60)、さらに、3・3%の野田聖子幹事長代行(61)を大きくリードする。しかし、政治部デスクによれば、仮に河野氏が地方票(党員・党友票)の5割を獲得しても、

「1回目の投票で過半数の383票を得るには、192票の議員票が必要です。岸田氏は議員票の約4分の1を固めたとみられ、高市氏の出陣式には代理を含めて93人が出席した。これに野田氏の票を加味すると過半数のハードルは高いと言わざるを得ない。河野氏としては、地方票の上積みと同時に、決選投票に向けて議員票の確保も最重要課題となっています」

 もちろん、決選投票になっても、河野氏が地方票で圧倒的優位を示せば、「選挙に弱い中堅・若手が、来(きた)る総選挙の“顔”として河野氏に投票する可能性は残る」(同)。だが、地方票の3割を占める業界団体は、河野氏が掲げてきた脱原発や規制改革に警戒感が強い。

 そのため、河野氏支持を公言する菅義偉総理は、

「“何としても勝たせなきゃいけない”と息巻き、連日、本人が業界団体に電話をかけて河野氏への支援を訴え続けています。周辺から“前のめりになり過ぎて横浜市長選の二の舞にならなければいいが……”という声が漏れるほどです」(同)


■「河野さんからは何も届かない」


 一方、河野選対は出遅れの感が否めない。支援する議員が嘆息するには、

「キャピトル東急の選対事務所に詰める当番の日程が決まったのは、告示日の夜中ですからね。各地方の議員や党員に支援を募るための担当も、18日からの3連休に入ってようやく割り当てられた。また、河野支持を表明している菅総理側近・坂井学官房副長官は、官邸の執務室からオンライン出陣式に参加して、公務と政務の線引きがなっていないと加藤勝信官房長官に大目玉を喰う始末です」

 地元を挙げて応援に当たる神奈川の自民党県議からも「政策は高市さんがピカイチ」「高市さんは自著まで送ってきたが、河野さんからは何も届かない」といった声が上がる。

 小泉進次郎環境相に、石破茂元幹事長という人気者に支えられ、“小石河連合”なる言葉が話題を集めるものの、河野陣営の足元は決して盤石とはいえない。

 そんな状況に業を煮やしたのか、ある人物が立ち上がった。御年84歳の父君、河野洋平氏である。


■父・洋平氏が“参院のドン”を訪問


 総裁選の告示2日前に当たる今月15日、洋平氏が青木幹雄・元参院会長(87)を訪ねていたことが読売新聞に報じられた。

“参院のドン”として恐れられた青木氏は、引退後の現在も参院竹下派に隠然たる影響力を誇っている。

 自民党関係者によれば、

「ふたりは共に早稲田のOBで、小泉政権下では青木さんが参院会長、洋平さんが衆院議長の要職を担っていました。今回の面会は腹の探り合いでもあったと思いますが、洋平さんは“決選投票になったら派閥から票を回してもらえないだろうか”と暗に打診したのでしょう。直接的な言及がなくても、傘寿(さんじゅ)を超えた洋平さんが大病を克服した老体に鞭打って青木氏を訪問したこと自体、“息子を頼む”という強烈なメッセージに他なりません」

 総裁選に候補者を出さない第3派閥「竹下派」は、参院議員だけで石破派を凌ぐ20人を擁し、議員票の行方を左右する存在だ。

 実は、青木氏は今回の総裁選で河野氏を支援する石破氏を評価していた。

 政治部記者が言う。

「2016年の参院選に青木氏の長男・一彦氏が出馬した際、選挙カーに乗り込んで自らマイクを握るなど、全面支援を買って出たのが石破氏だった。その甲斐もあって一彦氏は当選を果たし、青木氏も感謝していた。ただ、石破氏が支援するとはいえ、青木氏がすんなりと河野氏を推すとは思えない。かつて河野氏は、体調不良で入院した青木氏が、10年の参院選直前、長男に後継を譲ったことを批判。“世襲させるために公募をせず、最後にわざと倒れた”と言い放った。竹下派はこの言動をいまだに根に持っているのです」


■麻生太郎にも連絡


 先の自民党関係者は、洋平氏が青木氏を訪ねたのは息子への怨恨を解消させたかったからだろう、と語る。

「太郎さんから生体肝移植手術で肝臓の一部を提供された洋平さんには、元気なうちに息子の首班指名を見届けたいという親心がある。コロナ禍で週1回ほどしか外出していない洋平さんも、だからこそ、青木さんに会いに行ったのでしょう。また、洋平さんは盟友である麻生さんとも連絡を取り合っているそうです。太郎さんの祖父・一郎さんは副総理。父親は党総裁まで上りつめながら、あと一歩で総理の座を逃しました。洋平さんが“3代目”に託す思いは極めて強い」

“宿願”の成就に向けて、一家総出の選挙戦は続く。

「週刊新潮」2021年9月30日号 掲載

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