解散直前に繰り上げ当選した人 在任10日の国会議員はいくらもらえる?

解散直前に繰り上げ当選した人 在任10日の国会議員はいくらもらえる?

小松裕氏

 10月5日、2017年の衆院選で比例北陸信越ブロックから当選した石崎徹氏(*後に自民党を離党)の辞職に伴い、自民党の小松裕氏(59)が繰り上げで当選した。岸田文雄首相は14日に解散する方針のため、彼は在任期間わずか10日間の代議士ということになる。

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 石崎氏は昨年10月、元秘書への暴行事件で略式起訴され自民党を離党し、次の選挙では維新の会から立候補するため9月24日、議員辞職願を提出した。比例北陸信越ブロックで次点は金子恵美氏だが、タレントやコメンテーターの仕事に専念するとして辞退。そのため次々点だった小松氏にお鉢がまわってきた形だ。

 小松氏の本業はスポーツドクターで、1996年のアトランタなど、計5回のオリンピックで日本代表のドクターとして帯同した。

 2012年の総選挙で、長野1区から出馬し落選したが、比例北陸信越ブロックで復活当選。2014年の総選挙も比例復活で再選。衆院議員を2期務めた。


■最短は小磯忠之輔


 この期に及んでまさか繰り上げ当選するとは本人も予期していなかったに違いない。5日、小松議員は午前9時頃に国会に4年ぶりに登院し、登院盤にある自分の名前にタッチし、こう語った。

「身の引き締まる思いです。短い任期ではありますが、しっかりと一生懸命職責を果たしたい」

 とはいえ、5日から14日の解散までわずか10日しかない。こんなに在任期間が短い衆院議員は過去にいたのだろうか。

 衆議院事務局広報課によれば、

「衆院議員で最も短い在任期間は、小磯忠之輔の1893(明治26)年12月22日から30日までの9日間です」

 小磯忠之輔は、太平洋戦争中に総理大臣を務めた小磯國昭の叔父にあたるそうだが、上には上がいるものである。

 ところで、10日間の在任で歳費などはいくら払われるのだろうか。

「歳費は月129万4000円ですが、1年間20%削減となっていますので、103万5200円となります。これの日割り計算となります。14日に解散しても任期の10月21日までの分が支給されます」(同)


■文通費は満額


 期末手当(ボーナス)や文書通信交通滞在費、立法事務費はどうなる?

「期末手当(6月〜12月)は、314万2802円ですが、在任期間が3カ月に満たない場合、この3割が支払われます。文通費は月100万円の満額が支払われます。立法事務費は支払われません。公設秘書は、在職年数によって給与の幅がありますが、最低給与は、政策秘書で月36万2200円、第一秘書で月34万4300円、第二秘書で月26万9000円となっています。こちらは1カ月分満額払われます」(同)

 小松議員の第一秘書に話を聞いてみた。当選後、政策秘書はおかず、第一と第二秘書がいるという。

「この時期に石崎さんが辞職するとは思ってもみなかったので、びっくりしました。金子さんは、政界引退を宣言していましたから、辞退することはわかっていましたが……」

 それにしても、10日間の在任で国会議員として何ができるのか。

「これだけ短いと、本会議に出席することだけですね。委員会に途中から参加しても意味ないし、政策をつくる時間もありません。本業が医者なので、新型コロナ対策のアドバイスをするくらいでしょうか」(同)

 解散後、次の衆院選には出馬するのか。

「19年の参院選で落選、次の衆院選には出馬する予定ではありませんでした。以前、地盤としていた長野1区から、自民の新人が出馬することになっているので、いまさら比例区で出るといってもねえ……。もちろん、党の方から出馬要請があれば話は別ですが、今のところ何も言ってきていません」(同)

デイリー新潮取材班

2021年10月12日 掲載

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