【政治家の黒歴史02】“重婚ストーカー”と呼ばれた3代世襲の「中川俊直・経産政務官」

【政治家の黒歴史02】“重婚ストーカー”と呼ばれた3代世襲の「中川俊直・経産政務官」

騒動後に会見した

■年に300日は一緒にいましたね


 10月31日の投開票に向けて走り出した衆院選の各候補者たち。立派な公約とは別に、それぞれの人柄や歴史を知っておくのは有権者にとっては大切なことだろう。もっとも、その歴史の中には本人は消し去りたいものも多いのだが……。政治家のスキャンダルを振り返る第2回は、経産政務官だった中川俊直(としなお)元衆院議員(51)である。不誠実な態度に業を煮やした元愛人が告白した中味とは――。

(※週刊新潮2017.04.27号に加筆し、修正しました。年齢・肩書などは当時のママです)

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 中川俊直氏は祖父・俊思、父・秀直(77)に続き国会議員の3代目だ。そんな彼と交際してきた女性が語る。

「私と俊ちゃんは2011年に交際を始めました。古くからの知り合いだったのですが、東日本大震災を機にフェイスブックで連絡を取り合って久々に再会、お付き合いが始まり、体の関係を持つことに。彼に奥さんと3人の子どもがいることは知っており、不倫関係であることは承知の上でした」

 彼女の恋愛観として、「結婚が全てじゃないし、愛し合っているなら良いじゃないか」というものがあったからだという。

「彼と奥さんとはもう随分前から上手くいっていなくて。自分は奥さんがいるのに一途になって欲しいと、独占欲の強い人。付き合い始めてからずっと私の家で生活をするような感じで、年に300日は一緒にいましたね。地元の広島に滞在するのはあまり好きじゃなかったですし、平日も寝過ごしたら私の家から直接、議員会館へ行くこともよくありましたよ」


■ハワイでの“結婚式”


 話の通り、中川氏は日大鶴ヶ丘高時代の後輩と1995年に結婚、2男1女に恵まれた。その2年前の4月、テレビ東京に入社して政治部などで活躍。01年に退職し、父・秀直元官房長官に秘書として仕えたのちに広島4区の地盤を受け継ぎ12年の総選挙に出馬して当選、現在2期目だ。

「議員になってからも、お昼に百貨店で買い物をしたり手を繋いだりとても仲の良いカップルで、その4年間、色んなものを買ってもらいました。100万円台のティファニーやブルガリの指輪にネックレス。カードだと足が付くから現金で買うようにしていましたね」

 13年9月。空と海とがその青さを競い合うハワイで“結婚式”を挙げる。

「入籍をしたわけではないですが、牧師さんの前で愛を誓い結婚証明書に自署したのです。奥さんがいる以上、私は結婚ができない。せめてウェディングドレスをとお願いし、受け入れてくれた。この時もティファニーのリングをもらいました」

 中川氏の警戒心はことのほか強いから、飛行機は彼がビジネスで彼女はエコノミー。日本人が多い5つ星は避けてマイナーな3つ星ホテルをチョイスした。

「“僕の父親は愛人との写真が流出して失脚したんだ。だから現地にデータを残しておきたくないんだよ”とプロの写真家に撮らせなかった。本名ではなく“Shunchoku Nakagawa”と愛称の読みで署名していたし……」


■破局


 告白が続く。

「妄想・嫉妬がとにかく異常なレベルで、フェイスブックで男友達に『いいね!』を押したりすると、俊ちゃんから、“○時○分に男にいいねしたでしょ。浮気しているのは分かっているんだ”と連絡してくる。“もう10年以上会ってもいない人なんだよ”って説明するけど、“お前とは別れる”の一点張り。それに疲れて連絡を取らないことが1日でもあると、“なんで連絡してこないんだ”と怒り始める。会うと仲直りするんですが、ふとしたことで嫉妬がまた始まって妄想の対象範囲が5人、10人とどんどん広がっていくんです」 

 彼女が家をリフォームした際に、その光景をフェイスブックに投稿したところ、工具を見て“これって電動マッサージだよね?”と、大人のおもちゃと勘違いして怒る。“業者じゃなくて、これは君の男だろ?”となじられたことも。

 破局は15年3月、彼女がシャワーを浴びていて中川氏からの電話に出られず、これをひどく咎(とが)められたせいだ。下らないことで毎日別れ話になり、そのやりとりに飽きた末、無視を決め込んだのだが――。16年11月、その頃大きな悩みを抱えていた彼女の心に再び中川氏がすーっと入りこんできた。


■再会


「連絡が来て、つい返事してしまったのです。俊ちゃんの次の彼氏と別れたのもあったし。“実は僕も最近、彼女と別れたんだよね”と持ち出してきた。精神的に追い詰められていた私に、“頑張りすぎなくて大丈夫だよ”と、優しい言葉を掛けてくれたのが素直に嬉しくて再会しました」

 そこからは、以前の妄想・嫉妬が嘘のようになり、

「“今からプーチンの会見に立ち会うよ”とか“森元総理とこれから会食”など、詳しい仕事の内容まで頻繁にメールを寄越しました。そんななかでも、“あなたの恋愛スタイルは疲れるから嫌だし、ちょっと無理なんだよね”ってハッキリ言ったんですけど、“でも俺は変わったから”って説得されて。私も心のどこかで親身になって守ってくれる俊ちゃんのことが必要だなあ、“復縁”しようかなあと徐々に気持ちが変わっていったのも事実。再会した初日から私の自宅に泊まってましたしね。ただ、“前と違って今は政務官になったから公用車が自宅に迎えに来るんだよ。だから朝になったらウチに帰らないといけないんだ”と、明け方には実際そうしていました」


■「前カノ」登場


 週刊誌に追われている。「前カノ」の件を調べているみたい。君にも迷惑が掛かるかもしれないから、相談しに会いに行っても良いか――。中川氏がそう連絡をしてきたのが12月中旬のことだった。

「前カノ、つまり前のカノジョなんだから大丈夫なんじゃないのって疑問は抱きつつも、彼とはクリスマスを、具体的には22、24、25日とずっと一緒。そんな状況で恋人が他にいるとは夢にも思いませんよね。だから、再会後初めて体の関係を持ったのです。初めの方は“前カノ”としか言ってなかったですけど、“どういう人だったの?”って聞いたら俊ちゃんの方から、“実は『職場』なんだよ”と」

 この職場の女とは同僚議員M子さんのことだった。

「知らない人でしたからネットで調べて“俊ちゃんのタイプじゃないよね?”って聞いたんです。正直に“まあ、顔とかは可愛くないんだけど”って答えてましたね。仲良くなったのが15年の12月で付き合い始めたのは年が明けてすぐ。で、10月頃に別れたと……」


■進次郎氏と被る部分が多い……と思ってる


「前カノ」をめぐっての告白が続く。

「(M子は)神の声が聞こえるんですって。“あなたは私と付き合っていれば首相になれるわよ。でも、私と別れると首相にはなれなくなってしまう”などという『お告げ』を俊ちゃんも笑い話でしていて。更に、事務所の内装改良費として交際期間中に100万円渡したという話も聞きました」

 2人の別離の理由も、

「私と一緒。俊ちゃんの嫉妬でノイローゼになって、すべての連絡手段をブロックしたと。嫉妬の原因は小泉進次郎さん。俊ちゃんにとって、進次郎さんは同志であり一番のライバル。父親の秘書をやってから政治家になり、政務官を務めるなど、被る部分が多い……と思ってる。その進次郎さんと彼女が一緒に仕事をしていたことがあって、それに俊ちゃんの嫉妬が爆発したとか」

 12月25日。俊ちゃんと女性が愛を温めていたところ、別れたはずの「前カノ」M子さんから「連絡が欲しい」とメッセージが入る。

「“電話したら?”って私が言って2人が話を始めた。私のベッドで電話をしていたところ、段々と痴話喧嘩みたいになってきて、向こうの声が漏れ聞こえてくるんですね」


■え、私が前カノなの?


 そもそも女性といるときに、前の彼女と話すこと自体、非常識だろう。さらにあれこれやり取りがあったのだが、ここでは省略する。

 結局、朝の4時頃、中川氏は追い出された。

「結局、彼が求めたのは『性の対象の安定供給』。私と付き合っていた時から、“奥さんがいたりとか、公人であって週刊誌に追われたりとか、職場恋愛だったりとか。そのスリルに燃える”と言ってました。根っからの不倫体質なんです」


■「うぉ〜〜〜〜〜〜〜」の叫び声に


 午後になっても、彼女の怒りは収まらない。

愛人:そんなにスリルを味わいたいんだったら、私の方から週刊誌の知り合いに全部話しますから。

中川:そんなことされたら僕は死んじゃう。死んで償うからそれだけは。

「同じ日の15時頃に私の家までやってきた。自宅や携帯に電話を掛け、メールも送りつけてきたんですが一切無視。これで終わったと思ったら17時半過ぎにまた来て扉をドンドン叩き続ける。今も凹んでるんですけどね。怖くなったのもあって、インターホンでこう伝えました」

愛人:あなたを卑劣な男だと思っているので、「議員辞めます」とか「死にます」とか言っているけど、その言葉通りにして下さい。

中川:うぉ〜〜〜〜〜〜〜。

「土下座して号泣したから、向かいの住人の方も怖がって外まで出てくるほどで。迷惑だったし何よりも半狂乱で何をされるのか分からなかったので110番。18時頃に渋谷署から男性警察官2名が到着。私は彼の顔を見たくなかったので、玄関の中に警察官を1人入れて事情を説明し、彼は廊下でもう1人に事情を聞かれている、そんな形でした」

警官:彼はどなたですか?

愛人:彼に聞いて下さい。

警官:(外で彼から話を聞いて)政治家なんだね。


■渋谷署で「エス登録」


 更に翌日、署からの電話で、こんな提案があった。

警官:ああいう真面目な職業に就いている人こそ、殺人を犯したり酷い事件を起こしたりする可能性があるのでストーカー登録をしませんか?

「署へ行き、『ストーカー登録書』みたいなものに名前・住所・携帯番号を書いて、最後に私の上半身の写真を撮影しました。警察は『エス登録』と表現していましたね。最後に、彼は私に一切近づけないし電話もできないことになっていて、次に同じようなことが起こった場合、110番をしたら優先的に来てくれるという説明を受けたのです。その後、毎月の月末に俊ちゃんからの接触がないか否か、署から確認の電話をしてもらっています」

 では最後に、中川氏の弁明を聞こう。記者の直撃に面食らったあと仕切り直し、60分に亘って質問を受けた、その大要である。

―件(くだん)の女性は愛人ってことですよね?

「愛人とは思ってないです」

―じゃあどういう風に思っているんですか?

「男女の関係がありました」

―性交渉をする仲だということですか?

「男女の関係です」

―愛人に対し、“渋谷署ではストーカー警告の書面を書かされ、今後あのような行為はしないとの文章も同様に綴っていて”とのメッセージを送付していますが。

「話として作って……。話を大きくして」

―作り話ということですか? どういうご認識で?

「そのくらい、彼女の110番通報で事は大きくなりました……そう理解をしてもらいたいなと……」


■「記憶にございません」


―ストーカーの一件については?

「あの、心証を害してしまったので、ご説明にあがらせて頂きたいということで数分間ノックをしました。その折に渋谷署員がやって参りまして。ご理解頂きたいのは「本当に説明に…」ということであって、決してストーカー行為ではないし、ストーカー警告書というものにサインとかしたというんではありません」

―でも会ったり連絡したりは一切できなくなってしまったわけですね?

「そうです」

―なぜ心証を害したか?

「ん〜私の至らない所かと」

―愛人には、今回の件で“政府から警告を受けた”とか政務官辞任に言及するメッセージも送っていますが、これも作り話で、この取材時点で官邸にも説明されていない?

「はい。あの、ですから、それ自体は……もしも、いわゆる上から……実際問題、話が上がってきたならば、それは……どんな制裁も受けますけど……明るみに出ることがあれば、当然のごとく、それは、今の政務官という立場も、辞意もしっかりしなくちゃいけないなということは思ってはおりました」

*** 

 中川氏は2017年の前回衆院選への不出馬を余儀なくされたが、今回の衆院選への出馬を表明している。前回当選した自民現職が盤石な選挙活動を展開する中、徒手空拳同然の戦いを強いられている。

デイリー新潮取材班

2021年10月20日 掲載

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