石原伸晃の選挙応援に「石原軍団」の姿なし 野党が危惧するサプライズとは

石原伸晃の選挙応援に「石原軍団」の姿なし 野党が危惧するサプライズとは

第一声ではヤジにたじろぐ一幕も

 首都・東京に25ある選挙区のうち、野党共闘の煽りを最も受けて全国有数の激戦区とされているのが、自民党・石原伸晃元幹事長(64)の出馬する8区である。

 もっとも石原氏といえば、叔父にあたる故・石原裕次郎との絆から、選挙のたびに「石原軍団」が応援に駆け付けるのが定番だ。渡哲也をはじめ、舘ひろしに神田正輝などが選挙カーに居並ぶ様はさながら衆院選の風物詩だが、投票日まで1週間を切ってもなお軍団の姿を見ることはない。

 いったいどういうわけかと石原氏の選対事務所に尋ねてみたところ、意外な答えが返ってきた。

「えっ、軍団の応援ですか? もう、石原プロモーションがなくなってしまいましたから……。石原もかれこれ30年以上、議員をやっておりますので、あくまで今回は“独り立ち”で戦う覚悟です。有名人の方が応援に来る予定は今のところありません」

 思い起こせば昨年8月、「石原軍団」を実質的に束ねていた渡哲也が亡くなり、石原プロ自体も今年1月に解散。むろん選挙のために軍団が“再結成”されることもなく、石原氏は孤軍奮闘を余儀なくされたというわけだ。

 東京8区は公示前から何かと話題で、れいわ新選組の山本太郎代表(46)の出馬撤回騒動でも注目された。すったもんだの末に立憲民主党の吉田晴美氏(49)が野党統一候補になったが、無党派層に人気の山本氏が応援に駆け付け団結力をアピールする。

 政治部記者が言う。

「選挙戦の舞台は、JR中央線の荻窪駅を中心とした住宅街の多いエリアで、無党派層の動向は無視できません。石原さんも相当焦りを感じているのか、今回は公示前から駅前で街頭演説を始めるなど、十数年ぶりとも揶揄されるほどのドブ板選挙を展開しています。前回の衆院選では彼の対抗馬だった吉田さんとの差がわずか2万3千票あまり。これに乱立していた希望の党や共産党の票が6万票以上あるので、それらがのっかれば、野党が勝つ。仮に選挙区で落選しても比例復活できるでしょうけど、石原派の長としての権威は失墜してしまうのでは」


■「神風が吹くかもしれない」


 選挙戦初日には、立憲の枝野幸男代表が東京での応援第一声の地として8区を選んだことからも、野党は石原氏の首を本気で狙っている。「石原軍団」が手を引いたとなれば、がぜん勢いづくのは間違いないが、野党陣営の選対幹部はこんな本音を吐露するのだ。

「有名タレントの応援で選挙の趨勢がひっくり返るとは思いませんが、選挙戦は蓋を開けてみるまで分からない。流れが変わる恐れはあるので気を引き締めてやるのみですがね。我々が危惧しているのは、父親の慎太郎さんが応援に駆け付けること。確かな話ではありませんが、慎太郎さんは体調も優れないと聞きますから、不自由な身体をおして応援に入られると、同情票や一定数いる慎太郎シンパの心が揺さぶられ、神風が吹くかもしれない。伸晃さんも追い詰められたら何を繰り出してくるか分からないので……」

 齢89となった父の威光は未だ健在のようだが、果たしてサプライズはあるか。

「週刊新潮」2021年11月4日号 掲載

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