「茂木新幹事長」が嫌われまくるワケ “茂木に比べればあの人は神様”……永田町、霞が関、党本部からの証言

甘利明前幹事長の後任として茂木敏充氏が幹事長に キレやすくパワハラ気味との評価も

記事まとめ

  • 選挙を取仕切る甘利明前幹事長が選挙区で敗北したため、茂木敏充氏が幹事長に就任する
  • しかし、茂木敏充氏は指示が細かすぎてキレやすくパワハラ気味との評価を受けている
  • 茂木氏が経済再生相に就任した際、内閣府幹部らの雰囲気がお通夜のようになったらしい

「茂木新幹事長」が嫌われまくるワケ “茂木に比べればあの人は神様”……永田町、霞が関、党本部からの証言

「茂木新幹事長」が嫌われまくるワケ “茂木に比べればあの人は神様”……永田町、霞が関、党本部からの証言

当選10回、外相、経産相、政調会長などを歴任した

■パワハラ気味なのが透けて見える「接遇メモ」の存在


 選挙を取り仕切る甘利明前幹事長(72)が選挙区で敗北し、お鉢が回ってきたのが茂木敏充前外相(66)。永田町や霞が関では「部下にはしたいけど、上司にはしたくない」人として知られている。指示が細かすぎてキレやすくパワハラ気味で被害を受けた官僚も少なくなく、かつて「茂木接遇メモ」が出回ったこともある。それに少し触れながら、新幹事長の人となりを紹介する。

 茂木氏は東大経済学部を卒業して丸紅に入社。その後、読売新聞を経てハーバード大ケネディ行政大学院に留学。帰国してマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した。

 1993年に旧栃木2区から日本新党公認で出馬し初当選。日本新党の解党後は無所属となり、95年に自民党に入党した。96年の総選挙では栃木5区から自民党公認で当選している。
 当選3回で初入閣して以降、経産相、経済再生担当相、外相、自民党選挙対策委員長、政調会長を歴任。派閥は平成研(旧竹下派)で会長代行を務める。当選10回でこれだけの要職を務めてきたのに総裁選への出馬はゼロ。このあたりに茂木氏の人間性を解くヒントがありそうだ。


■茂木さんの手下って誰なんだろう


 政治部記者によると、

「何度も記者同士で、“茂木さんの手下って誰なんだろう”って話をしたことがありますが、名前が出てこないんですよね。2016年、額賀さん(福志郎・元財務相)の後継に竹下さん(亘・元総務会長)が就任するという話を共同通信が流したとき、必死で潰そうとしていたのが印象的でした。竹下さんは今年亡くなりましたが、それでも茂木さんの肩書は会長代行のまま。引退しても派内に大きな影響力を持つ青木さん(幹雄・元官房長官)は茂木さんを信用しておらず、小渕さん(優子・元経産相)に繋ぎたいと考えているようです」

 ここ最近は派閥の若手の面倒を少しは見るようになったというが、なかなか厳しい評価を受けているようだ。党内では政調会長、選挙対策委員長を務めてきたが、

「『人づくり革命』を所管する大臣もやっていましたが、何かの間違いなんじゃないでしょうか。ネチネチと物事をあげつらってくるのが本当に嫌」

 といった党職員の指摘があり、新幹事長に仕える面々には早くも緊張が走っている。

 続いて、霞が関での「茂木評」はどうか。茂木氏が第3次安倍第3次改造内閣(2017年8月発足)で経済再生相を務めることになった際のエピソードだ。


■次は茂木らしいぞ


「茂木さんの前任の石原さん(伸晃・元幹事長)は常々、“オレって(政治とカネの問題で辞任した)甘利さん(明)のリリーフだからさ。そろそろ代えてくれないかなぁ”と内閣府の幹部の前でボヤいていたんです」

 と、あるキャリア官僚。

「それが改造直前に石原さん独自のルートで、“次は茂木らしいぞ”と言いだして、幹部らの雰囲気は通夜のようになりました。石原さんのやる気のなさをなじっていた彼らも、“あの茂木が来るくらいなら石原さんは神様”と大仰ながら言っていたほど。それくらい茂木さんは嫌われているんです」

 その内閣改造報道の際には、「茂木外相へ」という文字が新聞紙面をにぎわせてもいた。

「茂木さんはかねて外相を希望し、安倍首相にもそれは伝わっていたようですが、あの『外相へ』報道は外務省がリークしたという説がもっぱら。“茂木がウチに来るのだけは勘弁。今の政権は報道を逆張りするから、書かせて話自体をなくしちゃえ”ということだったと言われています」(同)

「春風接人」とは、やさしい春の風のようにあたたかく人に接することを意味する。他ならぬ茂木氏の座右の銘でもあるというが、霞が関には指示が細かすぎてキレやすくパワハラ気味で被害を受けたキャリア官僚は少なくない。そんな彼らの間で出回った「茂木接遇リスト」の中身を少し紹介しておこう。


■使われなかった栄養ドリンクは持って帰って


 内容は茂木氏が経産相を務めていた2014年当時のもので、外遊の際に事務方がどう振る舞うべきなのかについて引継ぎを念頭に担当者がまとめたものだ。好きな食べ物・飲み物、絶対に避けるべき航空会社、ホテルやクルマのグレード、携帯やネット、現地で買うお土産、目的地で待たされたり携帯の電波が悪かったりするのが大嫌いなキャラクターに至るまで、これでもかというくらい細かくビッシリ説明されている。例えば飲食については以下の通りだ。

《水は「エビアン」、お茶は「お〜いお茶」、コーラは「コカ・コーラ ゼロ」という指定あり》

《栄養ドリンクとして、メガシャキ、葛根湯ドリンク、ユンケルの3本セットを日本からロジ担部隊で持参する必要がある。使われなかった栄養ドリンクは、現地で勝手に消費するのではなく、日本に持って帰って、秘書官室に返却する必要がある》

《ルームサービス等で(大臣の好きな)麺類を注文する際には、大臣に提供するタイミングについて細心の注意を払うことが必要。大臣のフライトが50分遅延したため、冷麺ができてから提供するまでのタイミングが20分ほどずれ、麺がかたまった状態だったため、硬くて食べられないと大激怒していた》

《最近は朝食や昼食、夜食にカップラーメンやカップ焼きそば(ペヤングソース焼きそば)を要望されることが多くなってきているので、出発前に秘書官室からカップ麺と割り箸を受け取り、ロジ担当者らで手分けして持って行く必要がある》


■(可能な限り女性マッサージ師)


 航空会社やホテルのサービスにも注文は多い。

《〇〇航空は絶対に避ける。大臣から「最悪な航空会社」と過去にコメントがあった。逆に大臣から「〇〇空港(メモでは実名=以下同)は最高。ファーストクラスのCAのしつこくない対応が良い」とコメントあり》

《日系・外資系問わず、ファーストクラス設定のあるフライトを最優先とすること。しかし、〇〇航空のファーストクラスのサービス等は他の航空会社に比べると全然良くなかったため、極力避けること》

《空港火災を理由に飛行機での移動手段が絶たれそうになった場合でも、大臣から、車等を利用して国境を越え、最終目的地に行くように指示をされる等、かなり無茶なことも要望される可能性がある》

 ホテルについては、

《ちなみにベッドの上に用意する枕の数については4つとすること》

《最近の出張では、マッサージを常に求められるため、訪問先でマッサージが受けられるよう、マッサージ師(可能な限り女性マッサージ師)の派遣可能性、時間と料金、キャンセルポリシー等を事前に確認しておく必要がある》

 といった内容だ。


■ファブリーズ等の消臭剤で


 特筆すべきは、「タバコ」だ。その項目がわざわざ設けられ、《プライオリティ最優先。何よりもまずタバコ。タバコが吸えるか吸えないかで大臣の機嫌が大きく変わる》とあり、こう続く。

《タバコの銘柄は、昨年まではセブンスター(ソフトタイプ)だったが、今年に入ってからは、ネオシーダー(タバコ風味の咳止め薬(指定第2類医薬品)に変更。最近はまた、セブンスターに戻りつつある。タバコとライターは秘書官、警護官らが常にすぐに出せるように持ち歩いている》

《車の中、宿泊部屋、勉強会部屋、空港貴賓室、大使公邸、レストランなど、ありとあらゆる場所で吸える環境を整えることが必要。特に大臣にとって重要な公務案件の直前は、勉強会部屋や車中において集中的に勉強をされることが多く、その時に連続してタバコを吸われる傾向があるため、その場面でタバコが吸えないと相当不機嫌になる》

《経由地と最終目的地での貴賓室使用の際に、個室が禁煙部屋の場合は要注意。事前に支援をお願いしている大使館や総領事館に対し、いきなり禁煙の個室に案内するのではなく、まずはタバコが吸える場所(屋外含む)に案内してもらうことが絶対に必要》

《禁煙部屋でも、事務方がちゃんとその場所が禁煙と伝えなかった場合に、タバコを吸ってしまう可能性もあるため、大臣がその部屋を退出した後は、換気の徹底と、ファブリーズ等の消臭剤を使用する等の対応が必要》

 事務方はつらいよという声が聞こえてきそうだ。

デイリー新潮取材班

2021年11月4日 掲載

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