「茂木・新幹事長」は香典でも公選法違反 「秘書はお通夜なんかの時に香典は持ってきてくれますよ(第2回)

「茂木・新幹事長」は香典でも公選法違反 「秘書はお通夜なんかの時に香典は持ってきてくれますよ(第2回)

「部下にはしたいけど上司にはしたくない」との評が

■秘書が代わりに持っていくアウトの典型


 11月4日、自民党の幹事長に就任した茂木敏充氏(66、栃木5区)。当選10回で外相、経産相、政調会長、選挙対策委員長などを歴任して首相候補と言われながら、政界内外で嫌われまくり、総裁選出馬経験はゼロだ。そんな彼には衆議院手帖の無償配布に続き、香典でも公選法違反が露見していた過去もある。

(※週刊新潮2017.09.07の記事に加筆・修正しています。肩書などは当時のママです)

***

「茂木氏のところは、足利・佐野・栃木の各事務所に詰める秘書らが、後援会の関係者のご不幸について新聞の訃報欄をチェックしています。事務員が香典を用意してくれて、それを茂木氏の代わりに持っていく。金額は5000円であることが多かったですね」

 と、さる茂木事務所関係者。一般的な社交の程度を超えない限り、政治家本人が香典を渡したとしても罰則はない。しかし、この「秘書などの代理人が出席する葬儀や通夜の香典」は、総務省のみならずどの選挙管理委員会でも公選法違反の典型例として例示されているものである。菅政権時の菅原一秀経産相がその件で議員辞職に追い込まれたのは記憶に新しいところだろう。

「ある程度は地元秘書の裁量に委ねられていますが、有力者や大物だと東京の秘書を通じて茂木氏本人に“お伺い”を立て、1万円になることもあります」(同)


■配布は認めていなかったが


 実際、地元後援会の面々に当たってみると、

「茂木さんの秘書はお通夜なんかの時に香典は持ってきてくれますよ、でも金額が5000円と少ない。普通は1万円じゃないですか。年寄はズケズケと言うから、“香典返しだけは一人前に持っていくんだな”って、その秘書さんを笑ったりするんです」(Sさん)

「普通の後援会員の家族に不幸があった場合、秘書は5000円を持ってくるけど、すこし偉くなると1万円とかになる。芳名帳には、『茂木秘書◎◎』って書いてたな。本人は通夜、葬儀に来ないね。忙しいから。香典は問題ないんだろ?」(Kさん)

 贈呈者リストと合わせて週刊新潮が報じてきた1冊600円になる衆議院手帖の無償配布に関して、大臣側は、8月18日付で収支報告書を修正している。

 2013〜15年分を具体的に見てみると……茂木氏が代表を務める資金管理団体「茂木敏充政策研究会」が手帖を購入したうえで、これまた彼が代表を務める政党支部に無償で提供していたことがわかった。

13年 約97万円
14年 約110万円
15年 約122万円

 大臣は取材に対して当初、

「手帖は配っていないんですから、もらった人はいないと思います」

 などと、配布そのものを認めなかったはずなのだが。


■“仕事してないんじゃないの?”と叱責


 しかし、先の事務所関係者が、

「前年と今年が同数か、もしくは今年の方が少ない場合は、茂木に“仕事してないんじゃないの?”って感じで叱責されるんです」

 と言うように、手帖の配布は紛れもなく茂木事務所内の年中行事として存在してきたのである。

 それまで否定していた無償配布を報道後にしれっと認め、それでも公選法違反ではないと言い募っていたわけだが、それを3年にわたって訂正したのは、政治資金問題に明るい上脇博之神戸学院大教授の言葉を借りれば、

「政党支部が配布したことにすれば、党員に手帖を配布している限りでは合法だと言い逃れることができる。しかし、そのように訂正したなら、この訂正そのものが政治資金規正法が禁じる虚偽記載に当たる可能性があります」

 ということになる。

 さて、茂木大臣に香典支出の実態を直接ぶつけると、

「行き違いがあるといけないから、書面でください。誠実にお答えしますので」

 と仰る。


■自ら公選法違反を犯したと言っているのと同じ


 そこで改めて聞くと、代わって事務所は大要こうコメントした。

「通夜・葬儀等に関しては秘書も地域において様々な人間関係があり、参列したと承知している。手帖については、党は常に党勢拡大・政策広報を目指し活動をしており、党員のみならず党員以外の方にも政策の理解や支援拡大の政党活動を行っているところです。(前回の週刊新潮への回答で示した)『政党支部関係者ら』には、党員以外でも自民党の活動にご理解を頂いている方も含まれる」

 これまでは、非自民党員かつ非後援会員など不特定多数に手帖を無償で配布した事実を突きつけられても否定してきたはずが、「党員以外への配布」をあっさりと認めている。

 先の上脇氏に改めて検証してもらうと、

「香典袋に代議士の名前が記されており、その代金も茂木事務所から出ているということですよね? つまり、大臣の代理として秘書が選挙区内の通夜や葬儀に出席して香典を渡していると言わざるをえず、公選法の『寄附の禁止』に違反している可能性が極めて高いです」

 手帖については、 

「要するに、手帖は政策を広めるビラのような資料だと主張したいのでしょう。だからこそ、訂正した収支報告書には『資料代』と計上している。しかし、この手帖には政策が記されているわけでもなく、資料と言い張るのは無理がある。しかも今回、党員以外にも手帖を無償配布していた事実を認めてしまった。つまり、大臣自ら公選法違反を犯したと言っているのと同じことです」

(第3回に続く)

デイリー新潮取材班

2021年11月9日 掲載

関連記事(外部サイト)