永田町で話題、500ページ超の「自民党幹事長列伝」のナゾ 採算度外視の本が作られた背景は

永田町で話題、500ページ超の「自民党幹事長列伝」のナゾ 採算度外視の本が作られた背景は

歴代幹事長の貴重なエピソードが満載!?

 近頃、永田町で話題になっている『自由民主党幹事長列伝』と題された一冊の本。“ご大層なモンが出たぞ”と評判になった通り、533ページにも及ぶ本書は、横22×縦30センチほど、重さ2キロ超とサイズも重量も“規格外”である。

 政治部記者によれば、

「初代の岸信介から二階俊博まで、52代にわたる自民党幹事長の業績を、図表や貴重な写真入りで網羅的に解説。表紙と同じ、金の箔押しがされた濃紺の外函付きという豪華特装本で、先の衆院選を前に、自民党に所属する議員の事務所などに配られたそうです」

 この「列伝」を開いてみると、発行者は「幹事長列伝編纂委員会」となっている。発行日は「2021年9月30日」とあるものの「非売品」ゆえ、書店での購入はできない。

「出版社名も書かれていないこの本を巡っては“衆院選対策のために党が刊行した”とか“二階さんが自身の幹事長卒業を記念して”とか、さまざまな臆測が飛び交っていました」(同)

 ところが、自民党幹事長室に経緯を尋ねたところ、

「これは自民党が刊行したものではありません」

 と、予想外の回答が――。


■誰が作ったのか


 非売品の豪華特装本という採算度外視の出版事業は、一体、誰の手によるものなのか。

「実はこの事業を主導したのは、言論誌『月刊日本』を刊行するK&Kプレスの南丘喜八郎氏なんです」

 そう明かすのは、さる事情通である。

「政界人脈に通じた南丘氏が旧知の二階氏に話を持ち掛け、自民党の写真部や広報部などの協力も得て作られたそう」(同)

 当の南丘氏に聞くと、

「戦後政治を振り返ってみれば、政権の座についているのはほとんどが自民党。これまで総理や総裁に光を当てた書籍はありましたが、彼らを支え、党をまとめてきた幹事長を総覧するような通史はあまりなかった。そこで政治ジャーナリストや現役の新聞記者にも声をかけ、この本の制作に取り掛かったのです」

 制作に2年を要した大著は存外、好評だといい、

「何人かの“元幹事長”からは、自分のページだけ切り離した別冊を作ってもらいたいとの要望もあり、個別に制作してお渡ししました。噂を聞きつけて連絡してきてくれた方には販売もしていますが“売れないだろう”と思い、非売品にしたんです」(同)

“幻の列伝”なのである。

「週刊新潮」2021年12月2日号 掲載

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