岸田首相に「人事がうまい」「案外したたか」「菅前首相の逆をやっているだけ」の評

岸田文雄首相周辺では“菅氏の逆をやろう”が合言葉も 10万円給付では政府の対応迷走

記事まとめ

  • 岸田文雄内閣の全国世論調査での支持率は6ポイント上昇、不支持率は低下した
  • この世論調査時点では、石原伸晃内閣官房参与などの問題はまだ露見していなかった
  • 安倍晋三氏の扱い方も心得ているといい、首相周辺では“菅氏の逆をやろう”が合言葉も

岸田首相に「人事がうまい」「案外したたか」「菅前首相の逆をやっているだけ」の評

岸田首相に「人事がうまい」「案外したたか」「菅前首相の逆をやっているだけ」の評

「聞く力」の面目躍如?

■泉さんってどんな人?


 高い内閣支持率に岸田文雄首相はご満悦だという。加えて自民党内でも、人事などを評価する声が上がっている。しかし好事魔多しと言うのだろうか、支持率の足を引っ張る火種が生まれつつあるようだ。

 読売新聞社が3〜5日に実施した全国世論調査で岸田内閣の支持率は62%となり、前回(11月1〜2日調査)から6ポイント上昇。不支持率は22%(前回29%)に低下した。

 政治部デスクによると、

「岸田さんはこの数字に頬を緩ませていましたね。中でも、オミクロン株対策として、全世界からの外国人の新規入国を停止する“鎖国政策”を評価するという声は89%に達していました。加えて政党支持率でも、自民党41%(前回39%)、日本維新の会8%(同10%)、立憲民主党7%(同11%)となっていたことも大きかった。立憲は注目を集める代表選を終えたばかりなのに、支持率を大きく下げてしまっています。岸田さん自身、“泉(健太新代表)さんってどんな人?”と周辺に尋ねていたといいます」

 もっとも、読売の調査時点では、「石原伸晃内閣官房参与」「10万円給付」といった問題はまだ露見していなかった。


■麻生副総裁人事のウラ


 デスクが続ける。

「確かにこの2つの問題ではミソをつけましたね。まず石原さんについては、これまでの『最後は金目でしょ』や『生ポ』発言がことごとく有権者の不興を買い続け、それが先の衆院選での落選につながっていると言えるでしょう」

 そんなまるで人気のない石原氏を岸田首相は内閣官房参与に任命したわけだが、

「その担務である『観光立国その他特命担当』で実績を残したことはありません。実際、単に2人がお友達だからでしょといった批判が渦巻いており、永田町でも首をかしげる人ばかりですね」(同)

 任命だけでもブーイングを浴びていたが、石原氏については任命後に新たな問題も発覚している。新型コロナの雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金を約60万円得ていたことが報じられ、さらに反発が強まっていたのだ。10日に参与を辞任し、幕引きを図る算段だが、予算委員会での追及は必至で岸田首相にとっては頭が痛いところだろう。しかし「石原参与」以外の人事について、党内の実力者とされる面々からは評価する声が大きい。

「麻生さん(太郎前財務相)を副総裁にもってきたのは“うまい”ですね。自由に何でも首を突っ込めるしどこにでも行けるし、次期首相候補の最右翼に躍り出た茂木幹事長も気を遣ってくれるし、麻生さん自身、居心地が良さそうですよ」(同)

 加えて、

「この人事は、義弟の鈴木俊一さんを麻生さんの後釜の大臣に据えたのとセットになっています。戦後最長となる8年9カ月にわたって財務相を務めた麻生さんとしては、その路線をしっかり引き継いでくれる人物を求めており、義弟であり派閥の子分である鈴木さんはまさに適任だったのです」(同)


■丁寧に、わかりやすく、腰を低く


 その一方で、安倍晋三前首相の“扱い方”も心得たものだという。

「麻生さんと違って特に役職があるわけではありませんが、岸田内閣を支えてくれる党内最大派閥のボスとしての立場を尊重していますね。例えば、細かいことでも安倍さんには連絡を入れて直接伝えたりしており、安倍さんもそれはイヤではない」(同)

 安倍氏は最近、対中問題に触れて、“台湾有事は日本有事だ。日米同盟有事でもある”と発言して中国側の強い反発を呼んだ。

「安倍さんは存在感を示せたことに満更でもない感じだったそうですし、そういう環境を作った岸田さんは“案外したたかだね”と評価する実力者もいました」(同)

 もちろん、「とにかく丁寧に、わかりやすく、腰を低くというスタンスで、菅さん(義偉前首相)の逆をやっているだけじゃないの?」(自民党の閣僚経験者)という指摘もある。この点について、担当記者は、

「実際、首相周辺では、“菅さんの逆をやろう”というのが合言葉になっているとか。まあ失敗に学ぶというのも、岸田さんのモットーである『聞く力』に含まれるのでしょうね。ただ、10万円給付については追い詰められてしまったかもしれません」


■自民党内の意見を聞きすぎた


 18歳以下の子どもに現金とクーポンで5万円ずつ給付する「10万円給付」をめぐって、政府の対応は迷走を続けている。

「政府想定の現金とクーポンとを半分ずつ配布する場合、自治体の事務経費が計967億円もかかることがわかりました。自治体からは、経費が嵩むことやそもそもクーポンは求められていないという声が上がり、全額現金方式を希望する動きが広がっています。“現金は貯蓄に回ってしまうから”という自民党内の意見に岸田さんなりの『聞く力』で配慮した結果なのですが、支持率を考えると当初の併用方式にこだわらず、混乱を陳謝するという意味で『聞く力』をアピールした方が良いのではないかと見ています」(先の記者)

 そもそも10万円という金額自体がケチだと言われているほどだから、ちょっと上積みしてサプライズを狙ってみるくらいが得策かもしれない。

デイリー新潮編集部

関連記事(外部サイト)