萩生田経産相の“おニャン子推し”に自民党都連内部から批判の声「これじゃあ小池さんに負ける」

萩生田経産相の“おニャン子推し”に自民党都連内部から批判の声「これじゃあ小池さんに負ける」

生稲氏擁立に自民内部で批判

萩生田経産相の“おニャン子推し”に自民党都連内部から批判の声「これじゃあ小池さんに負ける」

萩生田氏の「推し」で参院選東京選挙区の自民党公認候補になった生稲晃子氏

 4月6日、自民党は、夏の参院選・東京選挙区(改選数6)で「おニャン子クラブ」の元メンバーでタレントの生稲晃子氏(53)を公認候補として擁立すると発表した。だが、都連所属の議員たちは、頭ごなしの公認決定を下した幹部たちに反発を強めている。「これじゃあ、小池さんを利するだけ」という声まで飛び出しているのだ。

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■清和会が決めた


「本来、公認候補は、都連内部で話し合って決めること。けれど今回は、中央の一派閥が勝手に決めてしまった。しかも、我々は『新聞辞令』で生稲さん擁立を知らされたのです。みんなやる気をなくしてしまっていますよ」

 こう語るのは、自民党都連の議員である。「新聞辞令」とは、人事情報などを懇意の記者に書かせて既成事実化させたり、潰したりする手法だ。生稲氏擁立の情報は、3月31日に一斉に各紙が報じたが、都連所属のほとんどの議員たちは寝耳に水だったという。

「もちろん、都連会長である萩生田光一経産相をはじめとした上層部の意向ではあります。けれど、萩生田さんたちは都連ではなく、自分が所属する清和会の立場で動いていたのです」(同)

 引退を表明している中川雅治元環境相は清和会所属だった。後任も同派が決めるべきという派閥の意向が働いたのである。生稲氏で固まるまで、清和会に所属する丸川珠代参議院議員などが中心となり、何人もの著名人にあたってきたという。その時から条件とされていたのが、「女性」と「知名度」だった。


■15年前の対談記事


「弁護士で元アナウンサーの菊間千乃さん、フリーアナの膳場貴子さんや小宮悦子さんの名前も浮上しては消えました。結局、タイムリミットが迫る中、最後は萩生田さんが推しの生稲さんになったわけです」(同)

 萩生田氏が15年前から「生稲推し」だったことがうかがえる記事がある。07年の自民党の機関紙「自由民主」に載った萩生田氏と生稲氏の対談記事だ。二面ぶち抜きで行われた対談で、二人は楽しそうに政治談義に花を咲かせていた。

 生稲氏は対談で、〈中小零細企業で働く女性が、安心して出産して育児に専念でき、その後社会復帰できるような社会のシステムを、萩生田先生のような政治家の方に、ぜひつくって欲しい〉と萩生田氏に秋波を送っている。今回の顛末を振り返れば、すでにこの時から師弟関係が出来上がっていたようにも思えてしまう。

「萩生田さんは85年のおニャン子ブームの時は、明治大学の学生だった。実はファンだったんじゃないかなんて声も出ていますよ」(同)


■“おニャン子”でどうやって組織票を固めるんだ


 だが、こうしたタレントありきと派閥の論理で決定してしまった選定方法に、都連所属の他の議員たちは、呆れ返っているという。

「おニャン子でどうやって組織票を固めるんだっていう話です。しかも今回は、小池百合子都知事がバックにつく都民ファーストの会の荒木千陽さんが相手となる。都の予算を握る小池さんが本気で業界団体を口説きにかかったら、ひとたまりもない。基本的に、自民支持層と小池支持層は被っているわけですから」(同)

 実際に選挙で動かされる地方議員の中からは、元テレビ朝日アナウンサーの川松真一朗都議を推す声があったというが、結局、上からは一顧だにされなかったという。

「川松さんは業界団体に顔が広く、3年前の参院選でも、劣勢だった武見敬三さんの陣営で選挙を取り仕切り、逆転勝利に導いた功績もある。中央では麻生太郎副総裁が熱心に川松さんを推していましたが、結局、『女性』と『タレント』にこだわる清和会に押し切られてしまった。麻生さんは『今井絵理子2号を作ってどうするんだ』と呆れ返っているようです」(同)


■今井絵理子2号


 都連幹事長を務める高島直樹都議に対する不満も噴出し、「(前都連幹事長の)内田茂さんがいた頃は、こんなことはなかった」という声まで出始めていると、ある都連関係者は明かす。

「そもそも都連では、昨年7月に都議選で負けた総括もされていないのです。しまいに、引退する中川さんまでもが『なんで後任が決まってもいなかったのに俺が辞めなきゃいけなかったんだ』と言い出す始末。これから選挙戦だっていうのに、バラバラの様相ですよ」

 今回、自民党からは現職で元バレーボール選手の朝日健太郎氏も出馬するが、生稲氏を勝たせなければならない都連としては、組織票を生稲氏に重点的に割り当てるのではないかと見られているが、

「下がそれに従うかは微妙ですね。すでに地方議員の中には、この動きを見越して、朝日氏の選対で動き出している者もいます。このままでは都連がまとまらず、自民対自民対都民ファで、保守票を食い合う展開にもなりかねない。おニャン子で決まって一番喜んでいるのは、小池さんだと思いますよ」(同)

 SPEEDの今井絵理子参議院議員に続き、今度はおニャン子。政権与党から国政選挙で、続けてアイドル出身候補というのも、やっぱり変な話である。

デイリー新潮編集部

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