元おニャン子・生稲晃子、参院選出馬のウラ事情 割を食った女性議員とは?
2022年04月13日 05時57分 デイリー新潮

生稲晃子氏
選挙のたびにタレント候補の出馬が話題になるが、今夏の参院選で自民党が擁立するのは元「おニャン子クラブ」。そう、現在のモー娘。やAKB48の先駆けとなった80年代アイドルグループのOG、生稲晃子氏(53)だが、彼女に落ち着くまでには紆余曲折があった。
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定数6の参院東京選挙区で、改選を迎える自民党現職は2人。うち朝日健太郎氏は早々に公認を得たが、もう一人の中川雅治氏が75歳という年齢もあって年初に引退を表明。そこから後任探しは始まった。
「後釜を狙ったのは、最初は麻生派でした」
とは自民党関係者。
「1月末、東京選出の参院議員で麻生派の武見敬三さんが“いい候補がいる”と党の東京都連に打診したのです。しかし、結果は無視された形。引退なさる中川さんが安倍派の一員として“清和会枠”の死守に動いたからなんです」
■複数の女性候補に打診
かくて安倍派の主導で人選は進むのだが、ひとつの目標が設定された。「女性を立てる」ということだ。
「3年前の参院選は武見さんと丸川珠代さんのコンビで戦った。時代の流れからも男女で組んだほうがいい。だから今年は朝日さんとのペアを女性にしよう、との方針になったのです」(同)
が、コトは思惑ほど簡単には運ばなかった。
「元フジテレビアナの菊間千乃さん、キャスターの小谷真生子さん、国際政治学者の三浦瑠麗さんと、何人もの名前が浮上。実際に打診もしたようなのですが、話がまとまらなかった」
そんな中、急浮上したのが生稲氏。2015年に乳がんであることを公表し、闘病体験を講演で語るなど、がんの啓発活動にも取り組んでいる女性である。
■片山女史も“一枚噛み”
「彼女にアプローチしたのは、参院自民党幹事長で安倍派の世耕弘成さんです」
さる事情通がそう明かす。
「生稲さんは、現在の都連会長で安倍派の萩生田光一さんと2007年、自民党の機関紙で対談しています。また16年には『働き方改革実現会議』の有識者委員に選ばれるのですが、当時、経産相として内閣にいたのが世耕さん。萩生田、世耕という有力者二人との縁と強力なプッシュに、派閥のドン・安倍さんも満足げにOKを出したそう」
見通しも明るい。
「おニャン子になじみのある50代はもちろん、人気番組『ちい散歩』などへの出演歴から高齢者にも知名度がある。当選は確実です。先の総選挙で落選した石原伸晃氏も参院選に意欲を見せていましたが、彼なら自民党全体に逆風が吹きかねなかった」(政治部デスク)
■もう一つの知られざる物語
だが、この経緯のウラにはもうひとつ、知られざる“物語”があった。
「片山さつき参院議員が二階派を離脱する騒動がありました。彼女は安倍派入りし、東京選挙区から出る腹積もりだったんです」
と、先の自民党関係者。
「引退する中川さんは大蔵省出身で、片山さんと同じ。“誰も後任が見つからなければ、役所の後輩の片山でいくしかない”と口にしていた。“でも、それじゃ大変だよなぁ”とも。土壇場で生稲さんに決まり、みなが胸を撫でおろし……」
「週刊新潮」2022年4月14日号 掲載
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