「山本太郎」が参院選出馬で囁かれるれいわ新選組の皮算用

「山本太郎」が参院選出馬で囁かれるれいわ新選組の皮算用

奇策を使ってきた山本氏

 4月15日(金)、れいわ新選組代表の山本太郎氏が、国会内で記者会見を開き、衆院議員辞職を発表、19日の衆院本会議において、全会一致で許可された。辞職の理由は、今夏行われる参院選への出馬のため。先の衆院選で山本氏は、東京比例ブロックからの出馬だったため、同じくれいわ新選組の候補者、櫛渕万里氏が繰り上げ当選する見通しだ。つまり、今回の辞職で議席数は減らず、かつ山本氏が参院選で勝てば、議席が1つ増えることになるというわけだ。この奇策ともいえる判断には、賛否の声が上がっているが――。

 山本氏は2019年4月、「れいわ新選組」を設立。その年の7月に行われた参院選に全国比例から出馬し、自身は落選したものの、2人の候補者を国会に送り込むことに成功した。政治部記者が解説する。

「参院選の比例代表選挙は、投票用紙に候補者の名を書いても、政党名を書いても一票とみなされ、基本的には、個人として得票数が多かった人から順番に当選する仕組みとなっています。ですが、『特定枠』という制度がこの年の選挙から導入されたことで、名簿に順位をつけておけば、誰を優先的に当選させるかを政党が決めることができるようになったのです」

 山本氏はこの特定枠制度を利用して自身の名前で票を稼ぎ、獲得した2議席を、特定枠に据えた2人の候補者(舩後靖彦、木村英子両氏)に優先して与えた。しかし、自らが当選するまでの得票数には至らず、落選。その後、東京都知事選への出馬(3位で落選)を経て、2021年の衆院選に東京比例ブロックから出馬し、当選を果たす。結果、衆参合わせて5人(衆3、参2)の国会議員を擁する政党にまでれいわを成長させた。


■「あの人」に白羽の矢を立てるも……


「とくれば、次の選挙でも議席を増やしていきたいところですが、結局、どちらの選挙も、『山本太郎』の名前があったからこその躍進だったわけです。今回の参院選も例の特定枠が使えるので余計に重要ですから、再度自身が出馬するという今回の判断に至ったのでしょう」

 山本氏が再び全国比例から出馬し、前回の参院選と同じくらいの得票数を保てたとすれば、2人当選の可能性は高まり、国会議員の数は「7」へと増える。とはいえ、選挙は水物。失敗するリスク十分もあるのに、なぜこの判断に至ったのか。野党担当記者が言う。

「実は、山本氏は、元総理大臣の鳩山由紀夫氏と親交があり、参院選への出馬を内々に打診していました。もし鳩山氏がれいわから出馬となれば、様々な意見が飛び交うとはいえ、とりあえず選挙の顔にはなると踏んだのでしょう。そうすれば、自分は衆院議員のまま、選挙戦を戦えた」

 ところが、調整がうまくいかず、出馬は難航。自ら看板となるべく、バッジを外したというわけだ。

「現在のところ、山本氏は、選挙区からの出馬をと言っていますが、最終的には全国比例からになるのでは、というのが大筋の見方です」(前同)


■三原じゅん子氏と激突?


 無論、選挙が行われる7月までに、自分以外に、票を叩き出せるような「ビッグネーム」がれいわからの出馬を表明すれば、山本氏は喜んで選挙区に降り、どこかの選挙区の1議席を獲りに行くだろう。その際は、どの選挙区が有力なのだろうか。

「一番有力視されているのは、神奈川選挙区です」

 と、永田町関係者。

「神奈川は今回の選挙で4人が改選となりますが、それに加えて今回は、もう1議席分枠があるのです。というのも、昨年、横浜市長選挙に出馬するため、この選挙区から当選していた松沢成文氏が辞職したのです。松沢氏の改選期は3年後の2025年のため、第5位で当選した人は、それに合わせて任期は3年となりますが、それだけ当選のチャンスは増えますし、浮動票が多い神奈川選挙区は山本氏との相性も悪くない」

 ちなみにこの選挙区の改選組には、あの三原じゅん子氏参院議員も含まれる。

「2人の間で壮絶な舌戦が繰り広げられれば、自然に注目が集まり、人気勝負の山本氏にとっては有利になる。有力候補地のひとつといっていいでしょう」

 局地戦で盛り上がれば、党の名が売れ、比例票も稼げるというわけだ。いずれにせよ、7月の決戦に向け、各者の蠢きは加速していく――。

デイリー新潮編集部

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