岸田首相が周辺に漏らしている「ウクライナ侵攻」「コロナ」「物価高」「高い支持率」への考え

岸田首相が周辺に漏らしている「ウクライナ侵攻」「コロナ」「物価高」「高い支持率」への考え

参院選後の「黄金の3年間」を狙う

■2類から5類へ


 岸田文雄首相は6月15日、国会閉会にあたって記者会見し、「内閣感染症危機管理庁」の設置や「物価・賃金・生活総合対策本部」の立ち上げについて言及した。その一方で周辺に語っていたことがあるとされる。

 会見に先立って、岸田首相は周辺にこんな風に漏らしていたという。

「政権が発足してから新型コロナとウクライナ侵攻への対応にほとんどの時間を費やしてきた。まず新型コロナについては、“一時は大変な思いをしたが峠は越えたように見える。結核やSARSと同程度に危険だとみなす2類相当から、インフルエンザと同じレベルと見る5類に引き下げる用意を進めたい”という思いが本音としてはあるようです」(官邸関係者)

 もっとも、その見直しは投開票が7月10日に決まった参議院選挙後までは封印するようだ。国会では「分類については、今の段階で動かすことは現実的ではない」と述べている。コロナへの恐怖心が依然として強い高齢者の票を取りこぼさないためだろうか。続いてウクライナ侵攻に関しては、どうか。


■新しい資本主義へのこだわり


「コロナに比べて声のトーンが下がるというか、積極的に日本ができることが限られているという認識があり、何かをぶち上げるまでは至らないようです。ただ、決して口にはしないのですが、こういった情勢だと野党が介入できる余地が極めて限られるため、政権与党には追い風になっていることは感じているでしょう。図らずも、ではありますが」(先の関係者)

 ウクライナに関連して物価高への対応が世界各国のテーマとなっているが、

「今年4月の消費者物価指数は前年同月比で2.1%の上昇を記録しました。2%というのは日銀が目標にしているもので、消費増税をした2014年4月からの1年間を除くと、約13年半ぶりに記録した数字になります。これは資源価格の高騰によるところが大きいのですが、物価だけ上がっては意味が無い。何よりも賃金の伸び悩みをどう解消していくかが喫緊の課題です」(政治部デスク)

 これについて岸田首相は周辺にこんな風に語っているという。


■まったくめげていない様子


「岸田さんも当然物価高について深刻に捉えていますね。物価・賃金・生活総合対策本部の立ち上げということで、ひとまず対応しますが、具体策はこれからという状況です。一時は看板政策である『新しい資本主義』をもっと前面に出していこうと考えていたようですが、わかりにくくて世の中に浸透していないのが現状で、そのことも認識しているようでした。ただ、政策は臨機応変に変わるものだというのも持論のようで、まったくめげていない様子でした」(先の官邸関係者)

 ついこの前まで所得倍増を訴えていたのに、いつの間にかそれが資産倍増にすり替わっているあたり、迷走している印象はぬぐえない。

「岸田さんの強みは、内閣支持率が政権発足からずっと高留まりしていることです。本人もそれは意識し、自信を持っているようです。その要因についてはいくつかありますが、1つに、安倍・菅という直近の政権が弱者を切り捨てて格差を拡大したという印象が強く、それとは距離を置こうというスタンスを取ることで、アンチ安倍・菅な人たちの支持を得られているのではないか……ということはあるでしょう」(同)


■まだ見えぬ「岸田流」のかじ取り


「聞く力」と言うのみで何もやっていない、無策だなどと批判を浴びがちだが、高い支持率の維持が本人の支えとなっていることがうかがえる。

「これまで、党内の実力者から、岸田には任せられないと言われ続けてきましたからね。悔しい思いをしてきただけにしてやったりなところもあるでしょう。参院選でも自民党がかなり有利だと言われており、強気になっている部分があるようです」(先のデスク)

 とはいえ、実のところ、まだ誰も「岸田流」のかじ取りを見たことがないのも事実だ。ここまでにも見た通り、新型コロナにせよウクライナ問題にせよ、リーダーシップを取って何かをやったという見方は担当記者らにも無いようである。

「岸田さんは15日の会見で、出産一時金について“私の判断で大幅増額”を表明していましたが、出産にまつわる費用が値上がりしてしまえば元も子もない。節電家庭にポイント還元案も浮上しましたが、これまで節電に努めていた家庭に恩恵があるとは言えないし、ポイント還元というのがセコすぎる。選挙を前にしてウケのよい政策を訴えようとした意気込みは辛うじて理解できるとしても、最終的に成立が難しそうな脆さの目立つ施策だと感じましたね」(同)

 高い支持率もまた脆く、砂上の楼閣でしかないということについて、誰かから「聞く」機会はあるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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