安倍元首相の国葬問題を取上げたBS番組で露呈 「なぜ君」小川淳也と立憲民主党のダメさ加減

安倍晋三元首相の国葬問題について立憲民主党・小川淳也氏が主張も迷走を指摘する声

記事まとめ

  • 安倍晋三元首相の国葬問題を取り上げた番組に立憲民主党・小川淳也氏らが出演した
  • 小川淳也氏は『外交における安倍元首相の功績だけでは国葬に値しない』と主張した
  • しかし、共産党のような『何でも反対路線』に引っ張られているとの指摘が出ている

安倍元首相の国葬問題を取上げたBS番組で露呈 「なぜ君」小川淳也と立憲民主党のダメさ加減

安倍元首相の国葬問題を取上げたBS番組で露呈 「なぜ君」小川淳也と立憲民主党のダメさ加減

小川淳也氏

 FNNプライムオンラインは7月25日、「賛否半々…安倍元首相の国葬決定に意見分かれる FNN世論調査【2022年7月】」の記事を配信した。安倍晋三元首相(享年67)の国葬問題に関する世論調査の結果を報じた内容だ。

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《銃撃され亡くなった安倍元首相の国葬を政府が決めたことについて、「よかった」という人は、「どちらかと言えばよかった」とあわせて、50・1%。「よくなかった」という人は、「どちらかと言えばよくなかった」とあわせて、46・9%で、評価が分かれた》

 岸田文雄首相(64)は7月14日、記者会見で「安倍元首相の国葬を今秋に行う」と発表した。

 22日には「9月27日に日本武道館で国葬を行う」と閣議決定。費用の全額を国が負担することになった。松野博一官房長官(59)は会見で「無宗教形式でかつ簡素厳粛に行う」と説明した。

 元首相の国葬は1967年、吉田茂氏(1878〜1967)以来、55年ぶりとなる。

 80年、総選挙の遊説中に現職のまま死去した大平正芳氏(1910〜1980)以降は、首相経験者は「内閣・自民党合同葬」を行うことが半ば慣例となっていた。そのため、今回の国葬決定は“異例”と見なす専門家も少なくない。

 デイリー新潮は7月13日、「安倍元首相の国葬案に賛否両論 吉田茂という前例も“高いハードル”」の記事を配信。識者が“安倍支持派と反支持派で世論が二分してしまう懸念”を伝えた。FNNの世論調査は、その予測が現実のものになったことを示している。


■野党幹部による激論


 一方、こうした状況は、政治家が出演する討論番組には格好のテーマだろう。「BSフジLIVE プライムニュース」(BSフジ・平日・20:00)は7月25日、「各党論客が課題を議論 閣議決定“国葬”是非 旧統一教会と政治倫理」を放送した。

 番組の公式サイトに掲載された順に出演者を紹介すると、

◆小川淳也・立憲民主党政務調査会長(51)
◆馬場伸幸・日本維新の会共同代表(57)
◆小池晃・日本共産党書記局長(62)
◆田崎史郎・政治ジャーナリスト(72)

 という顔ぶれだった。

 ちなみに小川氏は、2020年に公開されたドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」[大島新監督(52)・ネツゲン]で、17年間の政治活動を紹介されたことで知られる。

 映画が高い評価を受けたことで、小川氏への注目も集まった。立民の新たな担い手として期待する声もある。討論番組では論客として評価されたいはずだ。

 与党の政治家がいないが、当初は下村博文・自民党前政調会長(68)が出演する予定だったという。ところが番組冒頭で、「新型コロナで陽性判定が出たために、急遽、出演を辞退されました」との説明があった。


■立民と共産への違和感


 ベテランの政治記者が言う。

「下村さんが欠席となったことで、図らずも番組は『国葬決定を野党はどう考えているか』を伝える興味深い内容となりました。まず維新の馬場さんが『国葬には賛成だが、国会で審議がないのはおかしい』と、閣議決定では議論不足と指摘しました。立民の小川さんと共産党の小池さんは、どちらも国葬自体に否定的な意見を表明しました」

 番組で野党3党の幹部は「閣議決定では議論が足りない」という点では足並みが揃った。放送後の話になるが、7月26日、立民、維新、共産、国民民主の野党4党の国会対策委員長が会談し、国葬について「充分な議論」を政府や自民党に求める考えで一致した。

「国会で国葬について議論することは賛成、という有権者は多いでしょう。小川さんと小池さんが国葬に批判的な意見を表明したことも、ある意味では予想の範囲内です。しかし番組を見終わった率直な感想としては、やはりお二人の反対意見には違和感があり、これでは視聴者=有権者の理解を得られないのではないかと思いました」


■「安倍政治の罪」を語る小池氏


 具体的に内容を見てみよう。フジテレビの反町理・解説委員長(58)と新美有加アナウンサー(30)が司会進行を務めたが、番組の中盤で新美アナが次のように問いかけた。

《国の内外からやはり、哀悼の意を捧げられる、それが外交の場になる可能性があると考えると、「そういうことだったらお金を使ってもいいですよ」という有権者が増えると思うんですが》

 国葬となれば弔問外交が活発化する。それは紛れもない“国益”となり、税金を投入する価値がある。理解を示す有権者も増えるのではないか──新美アナはこう指摘したわけだが、共産党の小池氏は反論した。

《安倍政治の功罪というか、私は罪のほうが大きいと思うけど、それは国民の中で意見が分かれている。やはり、桜を見る会の問題や、森友・加計学園問題、未解決の問題がたくさんある。そういったことをそのままにしていいのか。それから外交・弔問というけれど、安倍外交だって国際的に見ればですよ、アジア諸国なんかから見ると、かなり評価は分かれていると思いますよ。そういう中で僕は、やっぱり国葬ということを何のルールもなく、根拠法もなく、閣議決定で決めるというのは、これはもう民主主義という点から見ると大問題》


■「国内しか見ていない」


 立憲の小川氏も、果たして安倍元首相が「国葬に値する政治家」だったのか、疑義を表明した。

《内政、外交上の評価、功績って一体何だと。吉田茂さんであればサンフランシスコ講和条約と独立の回復、佐藤栄作さんの国民葬であれば、沖縄返還とノーベル平和賞、非核三原則、誰でもすっと言えるものがあるじゃないですか。安倍さんの場合、全くなかったとは言いませんよ、金融緩和したのかもしれない、憲法の解釈を変更したのかもしれない。しかし、それは常に賛否両論。そして今も、それを引きずっていますから。金融政策、円安、物価高、そして外交安全保障上も、あるいは改憲論にしたって、国論を二分していますから。それがそのまま国葬という儀礼的な儀式に持ち込まれて、何だか賛否を許さない風潮になることに、多くの方が警戒心を持っている》

 田崎氏は小川氏に《国内しか見ていないからそうなる》と指摘する。

《例えばアメリカの上院がなぜ決議したのかとかね(註:7月20日、安倍元首相の功績をたたえる決議案を全会一致で可決)、ドイツが……ドイツじゃない、インドが国を挙げて弔意を示している。そういう現実があるから、海外の評価が高いと。我々も海外の評価を見ながら、「こんなに評価されているんだ」と驚く場面もあるわけです。国内的に評価が定着していない、それは功罪があるわけですから、それはね、僕は最初から申し上げたでしょ、それは功罪あると。しかし、海外の評価で出てきているから、この決断になったわけです》


■安倍外交とロシア


 しかし小川氏は引かない。

《だからと言っちゃうと、それはやっぱり日本政府として、ちゃんと翻訳しなきゃ駄目。こういうことで評価されている、ついては、例えば、こういう異論反論もあるだろうが、これだけ功績が勝る、ということをちゃんと説明する責任が政府にはやっぱりあるわけで、海外で評価されているから即、ということにはなりませんわね。重要な要素であることは認めます》

 外交における安倍元首相の功績だけでは国葬に値しない、というロジックだ。果たして田崎氏の言う《国内しか見ていない》の反論となっているのか、疑問を感じる人も少なくないだろう。

 すると小池氏が、《海外だって様々な声はあるわけですよ》と小川氏に加勢する。

《例えば(ウラジミール・)プーチン大統領(69)をね、「ウラジミール」と、「君と僕で一緒に未来を見ようじゃないか」ということまでやったりした経過もあるじゃないですか。あるいは、アジア諸国からやっぱり安倍外交というのはどう見られているか、そんな一律、世界から大歓迎……アメリカはそうかもしれませんよ、アメリカの要求に応えることはいっぱいやったわけですからね。でも、世界から見て賛美礼賛一色かというとね、これは国内での、やはり意見が分かれているのと同じように、海外からだってそういう意見の違いはあると見たほうがいいと思いますよ》


■安倍外交と韓国


 ここで田崎氏が《海外で反対だって意見、どういう意見があるんですか?》と訊く。小池氏は《アジア諸国ですよ、韓国であるとかね》と即答する。

 田崎氏は《韓国の尹(錫悦)大統領(61)は弔意を示していませんでした?》と指摘。小池氏は《弔意は、弔意を示すことは、私だって弔意、示しましたしね》と言う。

《それは安倍さんの葬儀の際に、国会議事堂の前に来られたときも行きました、参列もしました。それはあるかもしれないけれど、安倍外交全体に対して、じゃあ韓国政府が全面的に評価するという立場を取っているかといえば、それは違うでしょ》

 田崎氏は《国連総会の安保理決議で、弔意、黙?を捧げましたよね。ああいうこと、日本の総理大臣でいまだかつてないですよ》と言う。

 更に維新の馬場氏が《小池さんは、日米関係を基軸とした外交の展開というのは、根本から反対やからね》と言えば、小池氏は《反対です》と再び即答する。

 ご覧になっていただいた通り、小川氏と小池氏が安倍元首相の“功績”を強く否定する姿勢ばかりが強く印象に残る番組だったと言える。


■韓国を持ち出す違和感


「率直に言って、『だから立憲は有権者の支持を得られないんだ』と改めて思いましたね。確かに安倍元首相の業績に様々な議論があるのは事実です。アベノミクスも、集団的自衛権の問題も、批判的な有権者はたくさんいます。しかしながら、少なくとも安倍外交だけは評価しないとフェアではありません。例えば、旧民主党政権でガタガタになった日米関係を立て直し、戦後史でも例を見ないほど良好な二国間関係を構築したのは、紛れもなく安倍元首相の功績です」(前出のベテラン政治記者)

 2007年にインドを訪問した際には「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱。中国の覇権主義に警鐘を鳴らし、太平洋地域の平和と安定を目指す構想の先見性、重要性は今でも高く評価されている。

「小池さんは《アジア諸国》や《韓国》が安倍外交を批判したと言いましたが、韓国や中国が安倍元首相を批判してきた事実は誰だって知っています。それこそ功罪のうち罪しか見ようとしない国家を引き合いにだして安倍さんのことを批判しても、理解を示す有権者は少ないでしょう」(同・ベテラン記者)


■立民の迷走は続く?


 共産党には「与党のやることには何でも反対」という“お家芸”がある。

「小池さんの発言も、共産党を常に支持する層には響くのでしょう。広範な有権者を念頭に置いているとは言いがたいので、批判しても意味はありません。しかし、立民は違います。日本の政治には“政権交代能力を持つ野党”が必要であり、少なくとも立民はその役割を担う責務があるはずです」(同・ベテラン記者)

 衆議院選挙の選挙区は小選挙区制だが、これは二大政党制が前提となっている。与党の“独り勝ち”が続きライバル政党が“万年野党”となってしまうと、政治に緊張感が失われ有権者は失望してしまう。

 番組における小川氏の発言は、共産党のような“何でも反対路線”に引っ張られているのではないか──ベテラン記者はこう指摘する。

「小川さんが国葬に批判的な立場を取ることも、安倍政治の内政を批判することも、それ自体は問題発言ではありません。ただ、もし小川さんが安倍外交だけは積極的に評価したとすれば、『これまでの立憲とは違うぞ』と敏感に反応した視聴者=有権者は少なくなかったと思います。国葬に反対する約50%の有権者でも、立民支持層は少数派でしょう。立民が有権者から見直される日は遠く、当分の間は迷走が続くだろうなと再認識しましたね」

デイリー新潮編集部

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