ついに安倍派の国会議員からも国葬に疑問の声 「果たして安倍さんの名誉になるのか?」

ついに安倍派の国会議員からも国葬に疑問の声 「果たして安倍さんの名誉になるのか?」

安倍派からも国葬に疑問の声

ついに安倍派の国会議員からも国葬に疑問の声 「果たして安倍さんの名誉になるのか?」

国会前で行われた安倍元首相の国葬反対デモ

国葬反対の声は日に日に増すばかりです。このまま9月27日に執り行っても、安倍さんの名誉になるかどうか」──この疑問、誰あろう「清和政策研究会」に所属する自民党の国会議員が漏らしたものだ。つまり、安倍派の中からも国葬を疑問視する声が出てきたことになる。

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 国会議員の指摘は後述するとして、まずは安倍晋三元首相(享年67)の国葬問題に関する最新状況を確認しておこう。

 テレビ朝日のニュースサイト「テレ朝news」は9月12日、「【国葬】現職国会議員と元議員らに招待状 参列者『最大6000人』見通し」の記事を配信した。

 この日、松野博一官房長官(59)が記者会見で、国葬の招待状を送っていると明らかにしたのだ。担当記者が言う。

「実際のところは、もう少し早い時期から発送を始めていたようです。例えば9月9日、現職の国会議員などがSNSに『国葬の招待状が届いた』と投稿していました。立憲民主党の参院議員である辻元清美氏(62)と蓮舫氏(54)は欠席の意向をTwitterで発表し、これには『欠席は自由でも投稿は非礼』とか『抗議の欠席表明は真っ当』など、賛否両論が巻き起こっています」

 朝日新聞は9月11日、NHKは12日に、世論調査の結果を発表した。どちらも国葬については否定的な意見が過半数を超えた。

「朝日の場合、国葬に『反対』が56%、岸田文雄首相(65)の国葬に関する説明に『納得できない』が64%に達しました。NHKは、国葬の実施を『評価しない』が57%、国葬に関する政府の説明は『不十分』という回答は何と72%に達しました」(同・記者)


■「本物の国葬」


 一方、イギリスでは、9月8日にエリザベス女王(享年96)が死去したことを受け、王位継承評議会が10日、チャールズ3世(73)の国王即位を正式に布告。更に、女王の国葬を19日に行うと発表した。

「イギリスにも国葬に関する法律は存在しませんが、慣例が重視されています。国王や女王など国家元首は国葬が前提です。ただし“卓越した業績”が評価され、例外に近い形で国葬になったケースはあります。物理学者のアイザック・ニュートン(1643~1727)や首相を務めたウィンストン・チャーチル(1874~1965)などは国葬でした」(同・記者)

 一方、王室関係者や首相経験者でも国葬にならないことは珍しくない。ダイアナ元皇太子妃(1961~1997)、エリザベス女王の夫・フィリップ殿下(1921~2021)、元首相のマーガレット・サッチャー(1925~2013)の3氏は国葬ではなく、それに準ずる「儀礼葬」が執り行われた。

「エリザベス女王の場合、世界中から弔意が示され、国葬を疑うイギリス国民は皆無と言っていい状況です。それと比較した日本人も多かったようで、Twitterでは『本物の国葬』という言葉がトレンド入りしました」(同・記者)


■国葬中止は不可能


 安倍元首相の国葬問題は依然として世論を二分し、なかなか着地点が見えない。岸田首相は8月27日、国会の閉会中審査で国葬の意義を訴えたが、少なくとも反対派を納得させることはできなかった。

 自民党の安倍派に所属する国会議員も、「国葬に反対する世論は日に日に増すばかり。そうした意見を無視する形で執り行ってしまうと、かえって安倍さんの名誉に傷がついてしまうのではないでしょうか」と言う。

「安倍さんの地元である山口県でも、最近は『国葬でなくてもよいのではないか』という意見が出てきているそうです。何しろ『安倍さんの業績は国葬に値するか』という単純な議論ではなく、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題ともリンクしてしまったことで、非常に厄介なものになってしまいました」(同・国会議員)

 もし岸田首相が「国葬は取り止めて内閣・自民党合同葬に変更します」と発表すれば、世論も大歓迎するかもしれない。だが、そんなことは不可能だという。

「既に各国の政府にも国葬の実施を伝えていますからね。これで止めたら、それこそ世界の笑いものでしょう。今さら『中止します』とは口が裂けても言えません。とはいっても、安倍さんの国葬を執り行うことが、“心から故人を悼む”こととイコールではなくなってしまった。これは非常に大きなことだと思いますね」(同・国会議員)


■蘇る森内閣の悪夢


 読売新聞は2001年2月、「森内閣支持8・6%に急落 歴代2位の低さ/読売新聞社全国世論調査」の記事を掲載した。

 当時、首相を務めていたのは森喜朗氏(85)。なぜこれほど内閣支持率が低下したのか、記事には以下のような解説がある。

《今回、森内閣の支持率が急落したのは、「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)の資金提供疑惑、これに絡む村上正邦・前自民党参院議員会長の議員辞職、外務省の機密費流用問題、水産高校実習船沈没事故への対応のまずさとゴルフ会員権問題のほか、株価の下落も影響したものと見られる》

「結局、森内閣の支持率が回復することはなく、2001年に退陣に追い込まれました。別に野党が支持を集めたわけではなく、森さんが自滅したのです。今、岸田内閣はずるずると支持率を下げ続けていますが、当時の森内閣の状況と非常に似ている気がします」(同・国会議員)

 国葬の問題でも、統一教会の問題でも、岸田内閣の不手際を批判する声は強い。そして、立憲民主党の支持率が上がっているわけでもない。

「安倍さんが亡くなられ、真っ先に安倍派の中から『国葬をすべき』という声が上がりました。それを受けて岸田さんが決断されたわけです。しかし、今となっては拙速だったのかなという気持ちもあります」(同・国会議員)

 それでも国葬は行わざるを得ない。だが、執り行った後、内閣支持率は更に下がり、安倍元首相に対する批判も再燃してしまう──。

「何のために国葬を執り行ったのか、自民党の国会議員も説明に困る人はたくさん出てくるのではないでしょうか。国葬が終わっても、岸田政権の支持率低下は続く可能性があります」(同・国会議員)

デイリー新潮編集部

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