熊野正士議員のセクハラ行為、公明党のウソを暴く「証拠LINE」 「議員を辞めないといけないかもしれません」

熊野正士議員のセクハラ行為、公明党のウソを暴く「証拠LINE」 「議員を辞めないといけないかもしれません」

熊野正士参議院議員(本人のFacebookより)

 まさに逆ギレである。本誌(「週刊新潮」)が報じた、熊野正士(せいし)・参院議員(57)のセクハラと公明党幹部による「口封じ」疑惑。真摯に反省するのが筋だが、彼らの出した答えは「提訴」であった。本当に山口那津男代表らはセクハラを把握していなかったのか。そのうそを暴く証拠がある。

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「今回の対応を見て、許せないなと感じましたね」

 と怒りをあらわにするのは、本誌9月15日号で熊野議員をセクハラ告発した被害女性である。

「うそをついているのは公明党の方なのに、それを隠そうとしている。熊野さんに辞職勧告という一方で、自らの疑惑については蓋をしようとしていますね」

 まずは9月15日号の告発内容について振り返っておく。

 この女性を仮に太田恵子さんとする。彼女は50代独身で、関西地方の社会福祉団体で幹部を務めている。本人は信者ではないが、親が会員の創価学会2世だ。

 太田さんは2016年、当時、参院比例区で初当選したばかりの熊野議員と公明党関係者を通じて知り合った。2年前、初めて食事をしたのをきっかけに熊野議員は距離を縮め、「会いたい」と連呼するように。昨年10月に会った際には、お尻を握られる「わいせつ行為」も受けた。

 その後、電話やLINEは頻度を増す。中でも悪質だったのは、〈服の上からでも、恵子(注:原文は実名。以下同)さんの、とても柔らかいマシュマロお尻がわかるの。〉などと熊野議員が太田さんとの性行為を妄想した“願望プレイ”を“作文”して送り付けてくるようになったこと。ちなみに熊野議員は既婚者で、2人の娘を持つ身だ。


■「それが表に出ると議席が…」


 今年4月には、夜の11時過ぎに泥酔した熊野議員から電話が来て、卑猥な言葉を浴びせられた。議員は7月の参院選で2期目の当選を目指し、党から公認も得ていたが、堪忍袋の緒が切れた太田さんは、議員を紹介した公明党関係者を通じ、北側一雄副代表に抗議。すると北側氏から電話があり、謝罪を受けた。その際には酔っぱらい電話だけでなく、卑猥な言葉を浴びせられたことも伝えている。翌5月には、山口那津男代表からも電話で謝罪されたが、一方で彼女が「議員を続けてはいけない人です」と伝えると、「それが表に出ると議席が……」と選挙後まで口外しないことを暗に要求されたという。

 結局、太田さんは被害を胸のうちに秘め、熊野議員は当選を果たす。が、その後も辞職について動きは見られず、太田さんは警察や弁護士に相談する一方、本誌にその被害について告発したというわけだ。


■「セクハラ行為については聞いていなかった」のウソ


 わいせつ議員と知りながら選挙で公認した公明党。本来なら謝罪するのが常道だろうが、その対応はとんでもないものだった。

 まず、現在入院中という熊野議員については、報道が事実であれば辞職勧告を出すとコメント。一方で、口止めについては、電話で山口、北側両氏が太田さんと話し、謝罪したことは認めたものの、「酔っぱらい電話について謝罪しただけ」「セクハラ行為については聞いていなかった」とし、いきなり本誌を提訴すると発表したのである。

「呆れましたね」

 と太田さんが改めて言う。

「私は北側さんに被害を訴える際、酔っぱらい電話だけでなく、卑猥な内容があったことについても仲介者にはっきり伝えています。北側さんと話をした際にも、それを伝えています。間違いありません」


■セクハラ発言について伝えたが…


 その会話の一端を記せば、

北側「この度は熊野くんのことでご迷惑をおかけしました」

太田「謝罪のお言葉を聞けて嬉しかったです」「深夜にわいせつな言葉を使った酔っぱらいながらの電話があって、大変気分を害しました」「私が東京出張に行くと言ったら、どこに泊まるかを聞き出そうとしたり、食事しようとか言われたりして、はっきり言ってうざいです。ストーカーです。卑猥なことも言われました」

 太田さんが続ける。

「通話時間は56分もありました。この話は当然、山口代表にも伝えたはず。山口さんとの電話の時も、最初からあちらは“この度は申し訳ございませんでした”“重々注意しておきます”と平身低頭でしたから」

 そもそも、酔っぱらい電話だけで与党のナンバー1&2が謝罪の電話を入れるはずがない。深刻な問題だと認識していたからこそ異例の対応になったわけで、うそにしても、もっとうまいうそをつくべきであろう。


■“議員は辞めないといけない”


 さらに、太田さんのLINEの中には、公明党サイドが熊野議員のセクハラ行為を認識していたという証拠もある。

「北側さんからの電話の前日、熊野さんからLINEが来たんです」

〈恵子さん、申し訳ありません〉

〈〇〇さんから、大阪府本部の事務長に話が行き、北側副代表にも、肉体関係、結婚を求められているとの話が行っています。議員は辞めないといけないかもしれません〉

 多少解説が必要だろう。

 〇〇さんとは、前出の公明党の関係者で、太田さんと熊野議員をつなぎ、謝罪の窓口にもなった人物だ。

「私が仲介者に被害を訴え、その話が公明党の大阪府本部の事務長を介して北側さんに上がった。それを受けて北側さんが熊野さんに事情を聞き、その中身を熊野さんが私に報告してきたのです。それによれば、北側さんは熊野さんが私に肉体関係と結婚を迫っていると認識しているとのこと。で、熊野さんは議員を辞めないといけないと述べていました」

 つまり、このLINEには、熊野議員が性絡みの女性トラブルを抱えていたことが北側副代表に伝わっていた事実がはっきりと記されている。だからこそわざわざ代表、副代表が謝罪した。これでもセクハラは認識外と言い張るつもりなのだろうか。


■公明党の対応は「20年遅れている」


 大手企業でコンプライアンス委員も務める専門家が呆れて言う。

「昨今の日本企業はコンプライアンス遵守に熱心に取り組んでいます。セクハラ問題についても、社員に疑いがあれば、徹底的に調べる。卑猥な発言について聞いたら、もっと大きな被害があるのでは、と」

 それに比して、今回の公明党の対応は、

「20年は遅れている。上場企業なら完全に失格です。国会議員は公人であるのだから、民間より情報開示の意識を強く持つことは必須。卑猥電話の話を聞いて、即調査、即開示をしていない時点で、完全な隠蔽(いんぺい)といえるでしょう」

 最後に太田さんが言う。

「党の隠蔽体質の根深さを実感しました」

 折しも山口代表は8期目を目指し代表選出馬を表明。

 しかし、有権者にそれがどのようなメッセージと受け止められるか理解しているのだろうか。

 甘い対応には、必ず手痛いしっぺ返しが待っている。

「週刊新潮」2022年9月22日号 掲載

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