【独自】木原官房副長官の選挙支援をした「統一教会シンパ男性」は警視庁公安部の監視対象だった

【独自】木原官房副長官の選挙支援をした「統一教会シンパ男性」は警視庁公安部の監視対象だった

木原氏支援者を公安部監視も

木原誠二氏

 世論の大きな反発を受けながら、いよいよ明日安倍晋三元総理の国葬が行われる。そんな中、岸田総理の最側近・木原誠二官房副長官の選挙支援を行っていた統一教会シンパの男性が、過去に警視庁公安部の監視対象であった事実が発覚した。

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「窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず」と「易経」の箴言が示すように、行き詰った時には意外な活路が開けるもの。とはいえ、いまの岸田政権は台風が襲来した日本列島の如し。“嵐”が過ぎ去るのをじっと待つほかない状況である。

 安倍晋三元総理の国葬を巡って、与野党どころか国民を二分する大論争が連日のように繰り広げられている。不信感が増幅し続ける中、今月17日と18日、毎日新聞が実施した全国世論調査では岸田内閣の支持率は29%と3割を切った。国葬とともに政権そのものが葬られる――。そうした近未来の光景が頭をよぎる、ショッキングな数字だった。

「岸田さんはいま頭を抱えていますよ」

 と、岸田総理に近い官邸関係者。

「参院選前から秋までの政治日程を岸田さんは綿密に計画していました。しかしそれをすべて狂わせたのが、国葬です。国葬さえなければうまくいくはずだった、というのが偽らざる思いでしょう。今後のスケジュールを確認しながら“うーむ”と考え込んでいる姿がよく見られます」

安倍晋三元総理、安倍昭恵さん

■国葬に寄付金を入れる案も


 実はこの間、ある政権浮揚策が検討されていたと明かすのは政治ジャーナリストの青山和弘氏。

「国葬の費用を国費で賄うことに世間が猛反発している現状を憂慮し、“国葬に寄付金を入れてはどうか”と政権内で真剣に検討されたことがありました」

 一体どういうことか。

「企業経営者や法人が国葬に寄付ができる仕組みにできないかと、議論されたのです。安倍さんにシンパシーを感じている人らを含め、10億を超える額が集まれば、概算で16億6千万円とされる国葬の費用を圧縮できる上、世間の批判を和らげることができるかもしれない。しかし、国費で行われる葬儀に民間から資金を投入することは法律上問題があると、内閣法制局と栗生(くりゅう)俊一官房副長官が強硬に反対し、頓挫しました」(同)

操り人形?

■麻生氏は自身の関与を否定


 窮余の一策の実現もかなわず、坂を転がるように国民の信を失っていく岸田政権。批判の的となっているこの国葬の実施を進言したのは、ほかならぬ麻生太郎自民党副総裁とされている。

「麻生さんが岸田さんに電話した際、“国葬にした方がいい”とアドバイスし、岸田さんはそれに従ったのです。しかし、意外にプライドの高い岸田さんは麻生さんに後押しされたという点を伏せ、それを“自分が決断した”と周囲に語ったのです」(先の官邸関係者)

 自民党関係者によれば、当の麻生氏も表向き、自身の関与を否定しているという。

「麻生さんは周囲に、“(祖父の)吉田茂の国葬の時も批判が大きくて、遺族は辛い思いを強いられた”“だから、岸田には安倍昭恵さんの了解をとれと言ったんだ”とも話しています」

 そして、国葬と並ぶもう一つの火種、統一教会問題で麻生氏はダンマリを決め込んでいる。教団関連のイベントに祝電を送っていることは既報なるも、自民党の茂木敏充幹事長が主導した調査では麻生氏の名前が挙がることはなかった。だが、統一教会の関連団体である国際勝共連合の機関紙「思想新聞」を遡っていくと、麻生氏の名前が頻出していたことがわかるのだ。


■窓口役を務めた統一教会シンパ


 その一つが1981年11月22日に国際勝共連合福岡県本部が主催した「日本の平和と安全を守る福岡大会」。当時の思想新聞は「麻生太郎代議士らが激励」と見出しをつけ、大々的に報じている。また、翌82年の元日に発行された同紙には、〈謹賀新年〉として麻生氏が年賀広告を掲出している。

 麻生事務所は、

「事実かどうか確認のしようがないので、党に追加報告はしない」

 と言うのみ。そして、さらに濃厚に教団と関わっている人物が官邸中枢にいる。岸田政権誕生の立役者であり、総理の最側近・木原誠二官房副長官である。

 本誌(「週刊新潮」))は9月22日号にて、麻生氏と同じく「茂木調査」で名前が公にならなかった木原氏について、2016年に都内で行われた統一教会系のシンポジウムに出席していたことを報じた。木原氏は本誌の取材の後、慌てて党に「追加報告」を行ったが、そのシンポジウムで木原事務所との窓口役を務めた人物は統一教会シンパであり、また、教団の信者に対し木原氏への選挙支援を要請していたことも明らかに。

 木原氏は9月22日号の本誌の取材でこの人物についてこう語っていた。

「わかりますよ、地元の東久留米の方だと思います。私の知るところでは(その人物は)統一教会の信者ではないと認識しています」


■警視庁公安部からも注視されていた人物


 ところが――、

「その人物は東久留米に住む50代の男性で、実は警視庁公安部が彼の動向を注視していました」

 と指摘するのは、警察庁関係者。

「彼は文鮮明と韓鶴子が05年に創設した『天宙平和連合』(UPF)が後援するイベントの事務局長を務めていました。そのイベントは自治体なども後援していたのですが、最近になって教団との関係が問題視され、後援が取り消されています」

 さらに、本誌はカルトや危険団体を監視する警視庁公安部の極秘捜査資料を入手。その資料のうち、「C」(Church)の符牒が付された名簿に、統一教会シンパとされるこの男性の名前が記載されていることを確認している。つまり、彼は公安部の監視対象だったのだ。


■党に従って教団を退会した自民党議員


 茂木幹事長は党の方針として、統一教会と「一切関係を持たない」と絶縁を宣言している。であれば、ほかならぬ官邸中枢を担う自民党議員と統一教会と深い関係にある選挙支援者との交流が放置されていいはずがない。この人物と関係を断ち切るのか、木原事務所に見解を問うたところ、代理人弁護士から、

「もし貴誌のご主張が事実であるならば、重大なご指摘でありますゆえ、党の方針に従って、厳正に対処をすべきと判断しております」

 と回答。とはいえ、威勢よく「関係を断ち切る」と言っても、それは信教の自由に関わる容易ならざる問題となる。実際、

「党に従い、やむなく教団を退会することにしました」

 と、その苦悩を語るのは、統一教会信者である自民党地方議員。

「私は(統一教会の)会員であることをかねて地元の後援者には伝え、宗教と政治にきちっと線を引き、仕事をしてきました。教会から応援してもらったこともほとんどありません。ただ、公人としての立場を優先し、退会という選択をしたのです。とはいえ、自民党に対しては納得できないところもあります。“お前ら、そこまでするのか”と」

 この議員は合同結婚式で妻と出会ったという。

「結果的に妻は退会せず、私だけがやめることに。家族とはもめました。これ以上は話せません。家庭が壊れてしまうので……」

 具体策も示さず、議員の“内心”にまで踏み込んでの対応に反発も出る政権と自民党本部。

「週刊新潮」2022年9月29日号 掲載

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