忖度辞任・塚田一郎議員の破天荒母に借金問題  「最後は息子が払います」が決まり文句

“忖度”発言で国土交通副大臣を辞任した塚田一郎議員 母は借金繰り返し自己破産か

記事まとめ

  • “忖度”発言をした塚田一郎参議院議員は5日、国土交通副大臣を辞任した
  • 塚田議員の実母、Tさんは借金を繰り返し、2000年には自己破産したという
  • 手形が不渡りになった時、塚田氏は“表に出さないでください”と懇願し、返済したそう

忖度辞任・塚田一郎議員の破天荒母に借金問題  「最後は息子が払います」が決まり文句

忖度辞任・塚田一郎議員の破天荒母に借金問題  「最後は息子が払います」が決まり文句

塚田議員の実印が押された連帯保証申込書

■母親が1億円騙し取っても被害者には忖度しない「塚田一郎」(1/2)


 忖度という語に敏感になっている世の中の空気さえ読めず、国土交通副大臣を辞任。あまりにトホホな塚田一郎参議院議員(55)だが、実はこの人には、本来なら忖度しなければならない相手が大勢いた。実母が借金したまま返していない、数々の被害者である。

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 数日来、塚田一郎議員は謝罪に追われている。

 例の忖度発言が飛び出したのは今月1日で、早速翌日、発言を撤回して謝罪した。5日、国交副大臣を事実上更迭されると、「行政への信頼を損ね」云々と、ふたたび謝罪。そして、発言が統一地方選に悪影響を与えたという指摘を受けて8日、地元新潟の県議団などに三たび謝った。

 むろん、針のむしろに座っている間、公式の謝罪の合間にも頭を下げる場面が無数にあったはずだが、もの分かりがいい塚田議員のこと。相手の気持ちを忖度しながら、しっかり頭を下げたに違いあるまい。

 なにしろ、福岡県知事選の応援に訪れた北九州市で、安倍総理と麻生副総理の地元を結ぶ道路の建設計画をめぐり、「私、すごくもの分かりがいい。すぐ忖度します」と言い切ったほど、忖度、すなわち人の気持ちを推し量ることに長けた御仁なのである。

 もっとも政治部記者は、

「今回の道路の件は、何年も前から計画が上がっていた話。塚田さんの忖度で動いたとは思えません」

 と切り捨てて、続ける。

「塚田さんは2007年の初当選以来、12年も議員をやっていながら、昨年の改造で初めての副大臣というのは、出世が遅い。吉田博美参院幹事長は、もっと前から副大臣に推していましたが、“カネの問題”があるので官邸が弾いていたと聞きました。本人は上にへつらい下に厳しい人で、自分の出世が遅いことは気にしていました」

 なにやら、上には忖度する習い性があっても、自薦の弁ほど「すごくもの分かりがいい」わけでもないということか。実は、都内で不動産融資業を営む梅田五郎さん(75)=仮名=も、

「実の母親がしたことなんだから、一郎さんが債権者を集めて“大変申しわけなかった”と謝罪する場面があってもいいのに、まったくないんだ」

 と憤り、塚田議員の「もの分かり」の悪さを指摘するのである。いったいどういうことか。塚田議員の実母、Tさん(88)にたびたびカネを貸したという梅田さんの話に、しばし耳を傾けたい。

「最初は15年ほど前だったと思います。だれかの紹介でTさんに会うと、“お金を貸してほしい”と言われて、それから7、8年前まで、ちょいちょい貸していました。ちょっと返しても、またすぐ借りに来るんです。元旦からおしるこを食いにきて、お金を借りていくような女でしたよ。私が貸したのは、全部で300万円くらい」

 そう言って、何枚もの借用証を広げるのだ。それにしても、なぜ懲りずに貸し続けてしまったのか。

「Tさんはカネを引き出す天才だよ。着たきり雀で毎日同じ服を着て、洗濯してないから臭いんだが、そうやって、自分をかわいそうに見せる演技がうまいんだ。鼻をかみながらね。それにTさんは“最後は一郎がケツを持つ”と言って安心させてたからね」


■100人ではきかない


 また、梅田さんと同席した、Tさんをよく知るという女性は、

「もともと一郎さんの学費を工面したのも、選挙資金を用意したのもTさんなのに、一郎さんは、自分が国会議員になれたのもお母さんのおかげだというのを、一つもわかっていない。それどころか、Tさんを葛飾区の債権者に“人質”として預けたんです」

 と、人聞きの悪い話をする。その辺りの事情は新潟県長岡市の会社経営者、小山三枝さん(78)=仮名=が詳しいと聞き、訪ねた。

「お金を出してくれそうな人が見つかれば、だれかれ構わず声をかけ、騙し取られた人は100人ではきかないと思います。2000年、彼女を自己破産させて借金を整理させた一郎は、母親が抱える深刻な問題に気づいていたはずです。息子なら、同居して監視しながら更生させるなど骨を折るものでしょう。ところが一郎は、母親の面倒を見るどころか、アカの他人に預けた。結果、Tはその後も、詐欺まがいの借金を繰り返したんです」

 小山さんはそう前置きして、Tさんと出会ってからの経緯を語ってくれた。

「三十数年前、都内で2軒の飲食店を経営し、横浜の一軒家に暮らしていた私を、紹介者と一緒に訪ねてきました。500万円くらいの手形を買い取ってほしいという話で、そのときは断りましたが、以後、Tはことあるごとに訪ねてくるようになりました。私は前夫と別れて男がいなかったので、カモとして付け入りやすかったんでしょう」

 最初の借金は、家賃という名目だったという。

「当時、Tは右翼政治結社の会長と同棲状態でしたが、郵政大臣や新潟県知事を務めた旦那の塚田十一郎さんも健在でした。それで、十一郎さんの東京の拠点を新たに借りるのだけど、家賃が足りないので貸してくれないか、という話でした。ちなみに、十一郎さんのことも、お金を借りるために連れ回していました。Tがうまいのは、私の母の葬儀に“塚田十一郎元新潟県知事”なんて花を送ってきたりして、見せ場を作るんです。いつも同じ全身黒ずくめで、私が“そんな服装やめなさい”と言うと、“じゃあ三枝ちゃん、カード貸してよ。デパートで新しい服、買いたいの”と切り返す。人の顔を見ればたかる女で、私が長岡に移ってからも同様でした」

 ところで、一郎議員が脱サラして麻生太郎氏の秘書になったのが00年だが、

「その年、彼女の自己破産で、私が貸した670万円はパーに。政界入りを前に、一郎は母親の借金の整理に入ったのでしょう。しかし、借金を棒引きしておきながら、Tは平気な顔で、またたかってきました。02年ごろ、Tにつかまされた170万円の手形が不渡りになったときには、一郎も呼び出しました。落選中の一郎は“表に出さないでください”と懇願し、分割で払うと言って、2年かけて返しました。04年ごろにも呼び出しました。私の知人の社長からTが200万円借りて返さず、一郎に頭を下げさせないと納得してもらえない状況だったのです。一郎は“お願いですから、もう貸さないでください”と言って頭を下げるだけで、返すという話にはなりませんでした」

 都内在住で70代の佐藤和代さん(仮名)も、同様の経験を語る。

「私が勤めていた飲食店の社長は一郎さんと同郷。Tに“選挙資金が必要だ”といわれて、150万円を貸したんです。それを私が引き継いで、一郎さんを呼び出すと、“母が申しわけないことをしました”と謝罪はしましたが、それで終わり。返すという話にはなりません」

 しかし、それで済むのかと、小山さんは一郎議員の姿勢に疑問を投げかける。

「一郎が07年、参院議員に当選して以降、Tは借金するとき、必ず一郎の名前を利用していました。“なにかあったときは、国会議員をやっている息子の一郎が支払います”が決まり文句。夫の十一郎さんの存命中は夫の名前を使っていました。11年、私が最後に貸した際の借用証にも“萬一実行出来ない場合は、息子の塚田一郎に責任を持って、実行する様に致します事を御約束致します”とある。十一郎さんの議員年金証書と、それを前払いでもらうための、塚田一郎の実印が押された連帯保証申込書のコピーを見せて“これがあるから大丈夫”とやるのです」


■晴れて正妻に…


 それにしても、こうも破天荒なTさんは、どんな来歴の持ち主なのか。1980年代初頭の「FOCUS」および「週刊新潮」に書かれた内容を、ざっとまとめてみたい。

 新潟県北部の山村出身で、義務教育もそこそこに、上京してバーやクラブに勤めたのち、新潟に戻ると、東京仕込みの洒落た会話や服の着こなしが、地元の政財界人に大いに受けたという。最盛期には9軒のバーやクラブを経営し、新潟市内の一等地にビルを建設。さらには銀座のクラブにまで手を伸ばした。そして、61年に新潟県知事に当選した塚田十一郎氏と、急速にねんごろになったという。63年には一郎議員が生まれたが、当時はまだ十一郎氏には妻子がいた。66年に先妻が他界すると、Tさんは晴れて十一郎氏の正妻になったのだ。ちなみに、一郎議員は十一郎氏の五男だが、Tさんから生まれたのは一郎議員1人である。

 だが、その後が茨の道だった。クラブ経営が政治家の懐を支えるといういびつな状況は長くは続かず、まず十一郎氏が金銭スキャンダルで知事を辞任。68年に参院議員に当選するが、74年には落選。そうこうする間に、Tさんの水商売も次第に傾き、夫妻は一蓮托生のように借金地獄に陥る。その額は当時、20億円にまで膨らんだと騒がれ、十一郎氏の手形が雄琴のソープランドに渡る、という騒動にまで発展した。

 その際、十一郎氏の債務整理を請け負った右翼政治結社の会長と、先に記したように、Tさんは不倫関係になって……。その後、Tさんは一郎議員と2人で暮らしたこともあるそうだが、次第に“借金稼業”に精を出すようになったというわけだ。

(2)へつづく

「週刊新潮」2019年4月18日号 掲載

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