【夏の参院選】元モーニング娘。市井紗耶香氏の街頭演説に物足りなさを指摘も

記事まとめ

  • 元モーニング娘。の市井紗耶香氏が、参院選で立憲民主党から出馬した
  • 街頭演説会に立った市井氏は笑顔を絶やさず、よく通る声を発すると、歓声が上がった
  • アルタ前の演説と銀座での街頭演説の中身は全く同じで、物足りなさを指摘する声も

立憲民主党の目玉「市井紗耶香」は街頭演説でどんな話をしているか 完全実況中継

 今にも雨が落ちてきそうな梅雨空の、三連休最後の7月15日、新宿・アルタ前には多くの聴衆や報道陣が集まった。

 立憲民主党の『#この夏、わたしは変えたい』というタイトルの街頭演説会が始まったのは13時半。最初に、今年4月の統一地方選で当選した立民の区議会議員4人が壇上に上がり、インド出身のよぎ江戸川区議らが演説を行った。その途中、市井紗耶香氏(35)は参院選候補者の白沢みき氏、石川大我氏をともなって壇上の前に姿を現した。

 白いTシャツに黒いパンツ、白いスニーカーというラフな格好の市井氏は、しきりに聴衆に向かって手を振り、笑顔を絶やさない。すでに何度か街頭演説をこなして場馴れしてきたためか、顔つきは真剣そのもので、区議の演説に何度も頷いてみせた。

 東京MXテレビ「白沢みきのモーニングTOKYO」では、マシンガントークで名を馳せた白沢みき氏、自らゲイであることを告白した石川大我氏の演説の後、司会者から、

「世間では、元モーニング娘。ということばかり言われるかもしれませんけれども、それ以前に、4人のお子さんをもって、現場で子育てをしている当事者であります」

マイクを握った市井氏は、

「新宿アルタ前のみなさん、こんにちは」

 と、大きなよく通る声を発すると、歓声があがった。

「このたび、立憲民主党全国比例代表で参議院選挙に立候補いたしました市井紗耶香です。よろしくお願い致します。この夏、私は変えたい。私は、子育てに、もっとやさしい社会にしたい、そう思っています。もう、説明する必要もないかもしれませんが、私の生い立ちを少し、お話しさせてください。私は、14歳で芸能界デビューし、20歳で出産しました。初めて我が子を抱いたとき、自分の命より大事な命、この子のことは何があっても絶対に守る、そう誓いました。そして現在、上の子は14歳、12歳、下の子は6歳、2歳と、4人の子どもを育てているお母さんです」


■子育てのワンテーマ


 市井氏は1998年、モーニング娘。の2期メンバーとして加入、その年の日本レコード大賞で最優秀新人賞受賞、NHK紅白歌合戦に初出場と、華々しい芸能界デビューを果たした。

 99年発売の『LOVEマシーン』が大ヒットし、グループ初のミリオンセラーを記録。同年、市井氏が参加した別ユニット「プッチモニ」でも、『ちょこっとLOVE』がミリオンセラーとなり、国民的人気アイドルとなった。しかし、2000年にモー娘を卒業。03年、20歳のときにギタリストと“できちゃった婚”、2人の子どもを儲ける。11年に離婚し、その翌年に美容師と再婚して、2人の子どもを出産した。

「毎日の子育ては本当に大変ですが、子どもたちから教わること、とても多いです。子どもたちの笑顔を見ていると、この子たちの未来に何を私が残せるだろうか。そう思ったのも、子どもたちのおかげです。毎日、子育てをしていく中で、今の日本が本当に子育て世代に温かい社会となっているのか、不安に思うことがたくさん出てきました。たとえば、病児保育。私も何度もお世話になり、利用したことがあります。子どもは急な発熱、体調を崩すことがよくあります。そんなとき、働かれているお母さんは前日から、病児保育を血眼になって探します。それだけ全国的に病児保育、とても少ないです。私は病児育児をもっと充実できるように、暮らしていきたいと思います」

 子育てにかかる費用も訴えた。

「子育てをしていく上で、どんなに節約をしてもお金がかかります。どんなに節約をしても、毎月のミルク代、おむつ代、洋服代、食費代、数え上げたらきりがないんです。現在、子育て世代では、児童手当をいただいており、とても感謝しています。ですが、正直、その手当だけでは十分でないということが、子育て家族であれば、誰しもが実感しています。日本社会全体で子育てを支援していくためには、児童手当をもっと拡充し、国全体で、お父さん、お母さんを支えていかなければならないと思います。また、子どもを授かろうにも授かれず、不妊治療で多額のお金をかけなければならない夫婦もたくさんいます。そのような夫婦にも、国全体で支援していく必要があるのです」

 子育てにかかわる問題点や改善点が、望むようなスピードで改善しないのは、

「政治の世界に、子育てをする当事者が少ないからです」

 と市井氏が声高に訴えると、「そうだー、そうだー」との声が飛び交い、拍手喝采。

「私も正直、迷いました。このままで本当にいいのだろうか。そんなとき、“保育園落ちた、日本死ね”。このブログが、国会で取り上げられたのを思い出しました。子育てといえばどうしても、小さな子どもだけをイメージしがちです。ですが、保育、小1の壁、いじめ、奨学金と、子どもが社会に出るまで、親の悩みは尽きません。ですが、親の悩み、親の苦しみは、国会へ響かない。だから今、他の政策に埋もれてしまう前に、お父さんの声、お母さんの声を、国会へ届ける必要があります」

 またここで、「そうだー、そうだー」の連呼。

「私は本気です。この夏、本気でこの国を変えていきたい。もっとお年寄りにも、小さな子どもたちにも、もっと思いやりのある社会にしていきたい。そう考えています。そのためには、みなさんの、あなたの力が必要です。あなたの力が必要です……」

 市井氏は演説を終えると、銀座へ。そこでも街頭演説を行ったが、中身は、アルタ前の演説とまったく同じだった。ウリは“子育て”のワンテーマ。立民の目玉にしては、物足りない。ただ、“客寄せパンダ”の役割だけは果たしているようで。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月16日 掲載

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