台風の目「山本太郎」でいいのか 反原発で議論妨害、「マトモではない」

 今回の参院選で、思わぬ躍進を見せたのが「NHKから国民を守る党」、そして山本太郎代表の「れいわ新選組」だった。きたる衆院選には山本代表が自ら出馬し、100人の候補者を立てるとしている。そこで思い出されるのが、過去の過激な振る舞いである。

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〈生きててよかった。そう思える国にしたい〉

 演説などでこう訴える山本代表の“語り”は、どこを切り取っても分かりやすい。それゆえ、「れいわ」は大衆に迎合するポピュリズム政党と目されているが、

「大阪都構想が大問題であるかのように煽って、対立軸を作った大阪維新の会の煽動的ポピュリズムとは異なります。れいわが取り上げる問題は、民衆が抱えているリアルな悩み」

 と、帝塚山学院大学の薬師院仁志教授は分析する。それゆえ、今後国会の“台風の目”になる可能性を秘めているというところだろう。

 一方、山本代表は原発事故に際し、“煽動的”な物言いで、風評被害に苦しむ福島の住民を絶望に追いやってはいなかったか。それは「生きててよかったと思える国」とはかけ離れたものでもある。〈あなたの身体は被曝し続ける〉〈東日本の食材を僕は食べない〉――2013年頃には、山本代表はブログでこう主張していたのだ。

「山本さんは反原発運動を盛り上げるために、福島の野菜が毒物であるかのように喧伝しました。絶対忘れないし、絶対許しません」

 と、福島県で農業を営む40代の女性は、いまなお怒りを隠さない。彼の反原発運動をめぐっては、東工大先導原子力研究所特任教授の奈良林直氏も当時をこう回想する。

「特に印象に残っているのは、原子炉施設の安全総合評価の意見聴取会を妨害されたことです。毎回のように傍聴席に山本さんがいて、だんだんと“許さない”“反省しろ”などと怒鳴り散らすようになりました。原発反対派の委員が喋ると拍手をして、賛成派が喋ると罵倒する。議論に支障をきたすようになって、7回目からは傍聴席がなくなり、経産相だった枝野幸男さんが、傍聴席からの妨害を許したことを深々と謝る事態にまでなりました。ところが、傍聴席がなくなったことに抗議して、山本さんを先頭に反対派が乱入してきたんです。安全性についての議論を妨害するなどマトモではないと思いました」

 民主主義的な手続きを、罵声と乱入で妨害……。そんな山本代表を支持する国民の意思が、今回の参院選で「れいわの2議席獲得」という結果をもたらしたわけである。8月1日発売の週刊新潮で詳しく報じる。

「週刊新潮」2019年8月8日号 掲載

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