N国「立花孝志」党首が事情聴取後に会見、“親子区議”を攻撃したそれなりの言い分

■「すわ辞任!?」と大騒ぎ


 9月9日の午後、メディアに激震が走った。参議院議員でN国(NHKから日本を守る党)の立花孝志党首(52)が、「出処進退に関する事柄」で緊急の記者会見を午後5時から開くと、SNSや動画などで告知したからだ。

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 多くの記者が一斉に取材へ動いた。特にネット上では、会見前から相次いで記事がアップされた。

 例えば日刊スポーツは電子版で、「N国・立花党首が緊急会見へ、出処進退に関する事項」と報じた。(註:デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)

 会見が行われる背景として、《警視庁は同日、東京都中央区議の男性に言及した動画を巡り、立花氏から任意で事情聴取した。立花氏は脅迫容疑で聴取を受けたと記者団に説明した》ことに触れた。

  区議の実名を報じたのは、フジテレビ系列のネットメディア「FNN.jpプライムオンライン」だ。9日午後に掲載された「『N国』立花党首を任意で聴取 区議が『脅迫された』と訴え」には、以下のような記述がある。改行を省略して、引用させていただく。

《NHKから国民を守る党党首の立花孝志参議院議員が、都内の区議会議員から脅迫されたと訴えられ、警視庁の任意の事情聴取を受けた。これは、NHKから国民を守る党党首の立花孝志参議院議員からYouTubeで脅迫の被害を受けたと、中央区の二瓶文徳区議会議員が訴えているもの。立花参議院議員は9日午後、警視庁の任意の事情聴取を受けた》

 以上を踏まえ、政治担当記者が、まずはコトの経緯を説明する。

「今年4月に実施された東京の中央区議選で、二瓶文徳さんはN国の新人候補として立候補。1100票を得て定員30のうち28位で当選します。ところが二瓶議員は、しばらくして突然、N国を離党したようなのです」

 これを立花代表は「最初から当選を目的としてN国から立候補し、立候補したら関係を切ると、あらかじめ計画していた」と判断した。

「更に、同じく今年4月の江東区議選でN国から公認を得て当選した、文徳氏の父親の文隆氏も“共犯”と認定。7月にYouTubeで二瓶親子を非難する動画を公開しました。第1弾の動画では、文隆区議に『年も年やし、こんなの仕事できんようにしてやるだけのこと』、文徳区議にも『お母さんも彼女も知っている』、『徹底的にしばくからな』、『二瓶文徳をぶっ壊す』などと発言したのです」(同・政治担当記者)

 その後も立花代表は、動画などで親子への論難を繰り返していたのだが、そんな中、「出処進退」について会見を行うという一報が入ってきたわけだ。当然ながら、マスコミは大騒ぎになったという。

「『脅迫容疑で事情聴取をされたことから辞職を決意したんだろう』と思った記者もいれば、『脅迫事件ではなく、大きな別の事件が明るみに出るのではないか』と推測する記者、『いや、何があっても辞めないだろう』と醒めた記者など、様々でした」(同・政治担当記者)


■警察に対する不満も


 会見は午後5時ちょうどに始まり、1時間数十分にわたって行われた。

「会見の冒頭では、YouTubeに投稿した動画が脅迫罪にあたる可能性があるとして、警視庁の取り調べを受けたことを明かしました。その上で、『脅迫罪で起訴され、有罪の判決が下った』場合か、『議員辞職を求める世論が非常に高まった』時は、『参議院議員を辞職する』と発表しました」(同・政治担当記者)

 とはいえ、これは“前置き”のようなもので、会見では一貫して自身の行動の正当性を訴え続けた。一体、立花代表はどんな主張を繰り広げたのか、重要部分をご紹介しよう。

《先方は議員ですからね、言いたいことがあるんだったら、まず言論で返すべきだと思っております。それをどうも今日、刑事さんに聞いたら、本人が直接、被害届を出したと、警察に行ってね。子供じゃないし、一般人じゃないんだから、言いたいことがあるんだったら、まずしっかりと私のほうに言ってくるべきだと思っています》

《党に入りたいと言い出したのはお父さんが先で、公認が欲しいというのはお父さんが先で、息子さんは多分、今年の2月くらいに公認が欲しいと、お父さん経由で言ってきたと思ってます。で、当選した後、特に6月29日に2回目の総会を開いたのですが、その総会の前ぐらい、少なくとも1週間くらい前から現在に至るまで、息子さんのほうとは一切連絡が取れません。こちらから電話したりショートメールを送ったりしていますが、完全に無視です》

《警察のほうから電話があって、「このことについては喋らないでください」と言われています。でも喋っています。だって警察が情報を漏らしているから。警察が情報を漏らしているんですよ。おかしいでしょう。青汁王子こと三崎優太くんも怒ってましたよね先週。お前らが「漏らすな」と言うんだったら、漏らすなよって、さっき相当に怒ってきました。だから今日、1時間ちょっとだったんですが、刑事さん4人に対して「君たちのほうから漏れたとしか思えないだろ」というところのやりとりは、相当にしました。驚いていましたけどね、「ええーっ」みたいな、「そんなことはしませんよ」》

 ちなみに刑事に対し、立花党首は「もっと上の方」が情報漏洩した可能性を示唆、次のように畳みかけたという。「そもそもこの程度の案件で、どうして本部の捜査一課の管理官まで来てやっているんだ」、「何か政治的意図があるんじゃないのか?」

 この発言には、補足説明が必要だろう。例えば取り調べを終え、立花党首が月島署から出てきた際、少なからぬ記者クラブ加盟社が撮影し、囲み取材を行っている。警察は一部のメディアに取り調べの実施についてリークした可能性がある、と主張しているのだ。

 テレビニュースを見た有権者は、「政党の党首が脅迫罪の容疑で事情聴取をされるなんて……」とマイナスイメージを抱くだろう。立花党首が指摘した「政治的意図」とは、そういう意味だ。

 会見には記者クラブに加盟している政治部や社会部の記者だけでなく、雑誌やスポーツ紙、ネットメディアの記者も出席を認められた。更にユーチューバーなど、たとえ取材経験の乏しい者でも「国民の知る権利を尊重する」観点から出席を認められた。

 ユーチューバーと思われる男性は質疑応答の際、第1弾の動画における「お母さんも彼女も知っている」との発言を問題視。「なぜ、そんな余計なことを言ったのか」との質問が飛んだ。すると立花党首は次のように答えた。

《僕は二瓶親子に関する事実を、これから発信しますよ。彼女さんや二瓶さんの奥さん、息子さんで言えばお母さんですね、選挙の応援演説に行った日に「よろしくお願いしますね」と言われているわけですよ。で、僕は何か脅迫をするとか、そういうことは全く考えていません。事実を、「中央区議会議員の二瓶文徳くんがやっている事実を出せば、大変なことになりますよ」、「あなたのお母さんやあなたの彼女にも迷惑がかかるようなことになりますよ」と言っているだけであって、その、彼女さんを脅迫するという意図は全くない。そんなことは言ってないでしょ?》

 この説明は、説得力があるか、詭弁と感じるかは、人それぞれだろうが、とにもかくにも「区議の家族も脅迫したのではないか」という質問が更に飛びだすことはなかった。

 その後の質疑応答で、立花氏は二瓶親子の問題点を指摘し続けた。以下のような具合だ。

《今回の原因は全て、説明もせずに、党の仕事もせずに、会議にも来ずに、党の会議にも来ずに、お金を出すべきお金を出さずに、いわゆるばっくれてるんですよ。何も言わずに所属していた党をばっくれているんですよ。いやいや、警察に行く前に一言何かあってもいいじゃないの、わざわざこんな司直のね、手に委ねるような案件なんですかと》

《まず党の仕事をしませんでした。お金で解決していました。NHKから国民を守る党というのはね、お金じゃなくて、議員が国民の声、コールセンターに来る国民の声を聞いて、しっかりと議員自身がそれを勉強して、直接、NHKの被害者の声を聞いていこうということでコールセンターを議員で回していたんですけれども、二瓶親子は「お金でその人間を出すから、俺たちはそこのシフトに入らない」っていうところからまずスタートしています。で、その後もですね、コールセンターに来ては税理士の仕事をしていました(註:父親の二瓶文隆・江東区議は税理士でもある)。コールセンターの仕事をすることなく、することはしてたのかもしれませんが、一生懸命、領収書ね、4月から5月の、忙しいですから5月、6月、そんな仕事を持ち込んでやっていました》

《お父さんのほうから「最初からNHKから国民を守る党なんていたくなかったんだ」、「支援者、後援会に言ったら、『そんなの早く止めたほうがよかったんだ』、『2か月でも遅すぎる』」みたいなことをのうのうと書いているわけですよ、Facebookにね。これは完全に国民や区民を騙している、馬鹿にしている、という風に判断したので、それを見て、二瓶文徳くんに電話やメールをしても返事がなかったので、その件の動画の撮影にあたったということになります》

 こうして立花党首は、二瓶親子の“問題点”を延々と指摘した。しかし会見は後半になると、相当に弛緩していく。“自称ユーチューバー”の質問に立花代表がダメ出ししたり、プロレスラーが乱入して試合参加を依頼するも、代表が「この場にはふさわしくない」と注意したり――という具合だ。

 日刊スポーツは会見後、「N国・立花党首、被害届の二瓶氏と10日直接対決も」の記事を配信。《10日に二瓶氏が区議会の委員会に出るとして、委員会を訪れての「直接対決」を予告した》と伝えた。立花党首の抗議も続くが、警視庁の捜査も続く。この後がどんな展開になるのか、全く見通せないという状況だ。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月10日 掲載

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