「安倍・岸田」vs.「菅・進次郎」次期総理めぐり水面下で争い

 菅官房長官の進言をなかなか受け入れず、小泉進次郎議員の登用に迷い続けたという安倍首相。

「原因は総理と小泉さんとの関係だけではありません」

 と、政治部デスクが解説する。

「菅さんが“令和おじさん”としてもてはやされている中、進次郎さんを重用すれば、彼を配下に収めた菅さんの影響力がさらに強くなるのは明らかです。ただでさえ菅さんは官僚の人事を通じて霞が関を支配し、30名とも50名とも言われる菅グループの存在もある。今まで蜜月できましたが、これ以上の力をつけることに総理が警戒しているのも事実なのです」

 巷で言われるように菅長官がポスト安倍の有力候補であることは間違いない。

「しかし、総理が2021年9月の任期満了後も政権への影響力を保つためには、何かと御しやすい岸田(文雄)政調会長も、いまはポスト安倍の一人として手元に置いておきたいのです」(同)

 その岸田会長は、首相からの禅譲を受けるため、涙ぐましい努力をしている。

 自民党関係者が語る。

「この夏、岸田さんは総理と一緒にゴルフをする予定でした。実はゴルフをするのも7年ぶりで、用品店でクラブを新調。プロをつけて練習していたのですが、広島への台風直撃によりゴルフ自体が流れてしまいました」

 出世を狙うサラリーマンさながらの姿勢に首相も応えようとして、

「今般の改造で総理は岸田さんを幹事長に据えることも考えていました。岸田さんの知名度は低いですが、幹事長となれば、総理の後継者の一人だと内外に示すことができるからです」(同)

 しかし、二階幹事長の猛抵抗に遭い、実現しなかったのである。


■“あんな会見”


 ここから浮き上がるのは実は「安倍・岸田」vs.「菅・進次郎」という構図だ。

 官邸関係者が言う。

「進次郎さんが滝川クリステルさんとの結婚を発表した官邸での会見について、総理は菅さんに不快感を示していました。そもそも、結婚の報告は菅さんの方が先だった上、“俺があんな会見をやらせたと思われる”と総理は憤慨していたのです」

 徐々に距離が開く安倍首相と菅長官。だが、政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう指摘する。

「安倍首相は菅さんのことを“令和おじさん”以降、警戒していますが、岸田さんをどこまで後継として考えているかは不透明です。いくら禅譲をチラつかせても、宏池会の岸田さんと清和会の首相とは政策も理念も本来は違うのですから」

 政界は一寸先は闇。それゆえ、闇に紛れて、憎悪と嫉妬が渦巻く人間模様が繰り広げられているのである。

「週刊新潮」2019年9月19日号 掲載

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