小泉進次郎環境相の妻・滝川クリステル、2014年に環境省に“鉛弾規制”を要求 

記事まとめ

  • 小泉進次郎氏は滝川クリステルと8月末に極秘結婚式を挙げた後、環境相に就任した
  • 滝クリは2014年に一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルとして署名サイトに発信
  • 滝クリは野生動物の鉛中毒を根絶するため、環境省環境大臣に鉛弾規制を要求していた

滝川クリステルが環境省に“鉛弾規制”を要求 進次郎大臣は妻のおねだりに応えるか

 8月末、長野県軽井沢で極秘結婚式を挙げた、フリーアナの滝川クリステル(41)と小泉進次郎環境相(38)。結婚に当たり彼女は、「『政治家の妻はこうあるべき』という形に捉われず、私らしく、ありのままの生き方、スタイルを尊重してくれることを話し合う中で感じることができた」とInstagramで語っている。

 果たして、形に捉われない政治家の妻とは……今後の結婚生活を左右しかねない火種が、早くも自ら代表を務める「一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル」の活動から垣間見える。

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 赤い糸で結ばれていた夫婦、というのも最近めっきり見聞きしませんが、今回はもっと奇特かつ稀少な「鉛の弾で結ばれていた夫婦」のお話。

 昔々のその昔、まだテレビが政権に楯突いていたころ、日々の出来事を毎夜、世に伝える娘がいました。その名はクリステル。バタ臭い、というよりオリーブオイル臭い容姿と、文字どおり斜に構えた姿勢とで大人気を博したのです。

 時が経ち、テレビごときの批判など政権が気にしなくなったころ、世間からの注目も下火になったクリステルは、テレビだの報道だのに見切りをつけて政権に近づき、“電通世界夏季大運動会”の地元誘致に協力。「お・も・て・な・し」の殺し文句で、再び人気者になります。

 ただ、今度の人気はアナウンサーとしてではなく、セレブリティーとしてのものでした。社畜臭かったり胡散臭かったりするおっさんキャスターたちの脇に添えられた見栄えのいい華から、権力臭い政権や金力臭い企業といったおっさん組織が神輿に担ぐ見栄えのいい華へと、クリステルは見事に出世したのです。

 セレブリティーですから、たとえテレビなどの仕事を引き受けるとしても、切った張ったのニュースなどには、もう関わりません。ストックホルムからベニスまで、一切オリエントは走らないオリエント急行に乗ってみせたり、フィレンツェに出張って「もう1枚のモナリザ」の謎を追ってみせたり、ナチスがらみのフェルメールの贋作事件を紹介するのにオランダに繰り出したりするクリステル。

 アメリカやアジア、アフリカには目もくれず、自らのルーツにも関わるヨーロッパに焦点を絞って、カルチャー臭くセレブリティー臭い特番にのみ出演するメディア戦略もまた、見事なものでした。ジャーナリズム臭とは無縁ではない地球温暖化問題に関わるときだってクリステルが赴くのは消えゆくスイスの氷河ですし、スポーツに手を出してみたときも総合司会を務めたのはテニスの全仏オープンです。

 こんなふうにお話ししてくると、まるでシンデレラの姉たちのような、計算高くて野心のキツい女であるかのように思われてしまうかもしれません。でも、それは違います。クリステルには、弱い者、弱い命を思いやる優しい心が宿っています。「お・も・て・な・し」騒ぎの次の年、(財)クリステル・ヴィ・アンサンブルを設立し、代表となりました。ニッポンにおける動物の保護・福祉の向上を目指してのことです。

 いやいやいや、アニマル・ライツやらアニマル・ウェルフェアやらは、欧米のセレブの売名や罪滅ぼし、意識高い系偽装のネタとして代表格のお題目だぞ──。そんな的確なツッコミを入れるアナタ、アナタの頭は澄んでいますが、心は濁っています。東電福島大原発事故で飼い主とはぐれたラブラドール・レトリバーのアリスを引き取って一緒に暮らし続けてきている愛犬家、それがクリステルのもうひとつの顔なのです。


■シンデレラとプリンス


 クリステルはシンデレラの姉たちなどではなく、むしろシンデレラその人である。そう断言することだってできます。元総理大臣の跡継ぎにして次の次の、あるいは次の総理とも目されるプリンスと、晴れてご成婚に至ったのですから。

 そのプリンスは結婚の後さっそく、初めて大臣に取り立てられました。記者会見の席で、大原発事故によって汚染された土の移動について質問され、意味不明なポエムで応えてしまうなど、資質には引き続き疑問のある政治家ながら、若くして内閣の一員に迎えられたのは、「電撃できちゃった婚」という話題性に後押しされ、底上げされてのこと。そう考えれば、こう断言することだってできるでしょう。クリステルは「あげまん」である、と。

 もっともクリステルは、プリンスに、ちょっと厄介なお願いを突きつけています。それは結婚前、いや、おそらくは知り合う前からの話でして、ひょっとしたら新婦は忘れ、新郎は知らず、世間もどうやらまだ気づいてないのかもしれません。

 インターネット上で署名を集めることができる、アメリカ発祥のChange.orgというサービスがあります。ニッポンでも、職場で女性にハイヒールを強要するなとか、ピエール瀧の関わったCDの発禁を解除しろとか、補正下着の商標に「KIMONO」という言葉を使うなとか、さまざまなキャンペーンに利用されています。

 このChange.orgに2014年、ひとつのキャンペーンが立ち上げられ、「発信者」は高らかにこんな宣言をました。

「国の天然記念物であるオオワシやオジロワシなどの猛禽類が、鉛中毒によって大量に死んでいる現実をご存知ですか?/中毒死したオオワシの胃から、鉛弾(ライフル弾や散弾)の破片が発見されています。オオワシは狩猟の際に撃たれたエゾシカの死体と一緒に鉛弾の破片を食べ、鉛中毒になり死亡しているのです」

「鉛弾の誤食による野生動物の鉛中毒を根絶するためには、全国規模で狩猟に使われる鉛弾を規制し、無毒の銅弾などに移行することが必要です」

「そして鉛弾の規制が遵守されていない現状を打破するためにも、鉛弾をカスミ網などと同様の『使用禁止猟具』扱いにし、狩猟時の鉛弾については使用のみならず、流通や所持に関しても原則的に規制することを求めます」

──この「発信者」が(財)クリステル・ヴィ・アンサンブルであり、宣言の主は冒頭で高らかに自己紹介しています、「こんにちは、滝川クリステルです」。そして、鉛弾規制を要求している「宛先」は、「環境省環境大臣殿」。

 新婦が5年前に撃った弾が今もネット空間を飛んでいて、その弾道に立ちはだかる形になったのが、たまたま環境大臣に抜擢された新郎。こんな偶然が本当に起きるのですから、宇宙も狭い。

 クリステルは宣言で、こうも言っています。それも厳しく。「2020年、私たちは世界中からの人々を日本にお招きし、おもてなしすることになります。しかし一方で、日本は動物の保護・福祉に関しては他の先進国に比べてはるかに遅れていると言わざるを得ません」。キャンペーンのタイトルだって、「狩猟における鉛弾(ライフル弾、散弾)の使用禁止をいますぐ、日本全国で。」――これまた強硬です。

 まずの見ものは、ニッポンは「はるかに遅れている」と憤る新妻のリクエストに、環境大臣閣下が「いますぐ」「全国で」応えるのかどうかですが、見どころは他にもあります。ひとつは、これから長らく政治家の妻として生きていくのなら、クリステルはどのような政治的おねだりをすることになるのか。もうひとつは、そのおねだりにプリンスがどのように応えていくのか。

 ふたりがこの先、総理大臣とファーストレディーとなるようなことがあるのなら、なおさらです。いや、この国にはすでに、大麻に理解をとか居酒屋をやりたいとかリクエストするファーストレディーだけでなく、愛国奴小学校に用地をというおねだりに応えようとした総理大臣までいるらしいという話ですのでね。

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999〜2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月26日 掲載

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