文在寅に利用される小泉進次郎 韓国はなぜこれほど日本バッシングに固執するのか?

■「韓国」に利用される「小泉進次郎」(2/2)


 国際原子力機関(IAEA)総会で“汚染水への懸念”を示すなど、韓国は福島第1原発事故に絡めた日本への嫌がらせを続けている。放射性物質を除去した処理水の安全性、その処理手段は海洋放出しかないことについては、前回で述べた通りである。が、小泉進次郎環境相は、原田義昭前環境相の“海洋放出”発言について謝罪。韓国に塩を送ってしまった形だ。

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 ところで、福島の処理水を「不安視」するわが環境相は、韓国が原発から毎日、海に流し続ける水には、不安を感じないのだろうか。

「韓国には4カ所の原子力発電所に二十数基の原子炉があり、毎年約200兆ベクレルのトリチウムを排出しています。またCANDU炉というカナダ型の原子炉が3基稼働中で、これは日本の軽水炉にくらべトリチウム排出量が桁違いに多い。日本の処理水が危険なら、韓国の人たちは、まず韓国内から逃げなければならなくなります」(東工大先導原子力研究所特任教授の奈良林直氏)

 そもそも、世界で稼働している四百数十基の原発はみな、安全性に問題がないとして、トリチウムを含む処理水を放出している。大臣が、その事実を無視して謝罪などしようものなら、

「風評被害がさらに加速してしまうのではないか、と危惧します」(東大の岡本孝司教授/原子炉工学)

 そればかりか、

「玉ねぎ男こと、法務大臣のチョグク氏の疑惑から、国民の目を逸らさなければならない現状において、小泉進次郎さんの言動は、文在寅政権にとって大きな援軍になります」

 と話すのは、龍谷大学の李相哲教授である。

「韓国は徴用工裁判に始まって、日本を困らせようと必死でしたが、大きな打撃を与えられていません。IAEAでの発言は、日本にダメージを与える苦肉の策で、日本の環境は放射能で汚染されている、という国際世論を喚起できれば、東京五輪を控えて日本が困ると考えているのです。その主張にはなんら正当性はありませんが、事実や数字を無視するのはいつものこと。なにしろ、文大統領は、“福島原発のせいで何千人が死んだ”とまで口にしたほどですから」


■環境大臣なら反論すべき


 それにしても、なぜこれほど日本バッシングに固執するのかといえば、

「経済政策がうまくいかず、北朝鮮との関係改善も進んでいない状況で、来年4月の総選挙に勝つには反日しか方策がない。もう一つは、チョグク氏の不正疑惑から世間の目を逸らすためです。韓国国内でチョグク法相への反発は日増しに強まり、9月23日にはチョグク氏の自宅の家宅捜索も始まりました。経営に関わっている疑いのある投資ファンドや娘が通った学校などへの捜査を行い、外堀が埋まってきたので、いよいよ本陣に乗り込んだのでしょう。検察はかなり慎重に事を進めているはずですが、それでも家宅捜索に踏み切ったということは、かなりの証拠が得られていることを意味します。今回もハードディスクなどを押収していて、実質的に、法相が被疑者として捜査を受けている状況です」

 そして李教授は、

「小泉純一郎元総理が原発の危険性を訴え、息子の進次郎さんもそれに準じる動きをすれば、韓国の“日本の原発は危険だ”という論理に、一定の説得力を持たせることになります。韓国としては、これを利用しない手はありません」

 と締める。韓国に塩を送った小泉大臣だが、

「IAEAでの韓国側の主張は、事実および科学的根拠に基づかず、わが国へのいわれのない風評被害を及ぼしかねず、極めて遺憾」

 という、外務省大臣官房報道課の回答の意味が、おわかりになるだろうか。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏がいう。

「原田前大臣の発言の否定は、“原発の処理水の海洋放出は危険だ”というメッセージにも捉えられかねません。無用のパフォーマンスによって風評被害を大きくしているばかりか、韓国につけ入る隙を与えています。環境大臣なら、韓国の言いがかりに対して、科学的事実にもとづき毅然として反論すべきなのに、お詫びばかりで、韓国にはなんら反論していない。これでは、彼らの主張を容認しているかのような印象さえ与えてしまいます」

 発信する力はあっても中身は空っぽ、という評価が定着しつつある小泉大臣だが、空疎な発言は今回のような被害も生む。セクシーであるより前に、そのことを学ぶべきではあるまいか。

「週刊新潮」2019年10月3日号 掲載

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